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ハシゲキ!-目指せ全国、都立大橋高校演劇部-  作者: 片吹尋乃
第1章:本当の私
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「どうして演劇部に入ろうと思ったの?」

「そういえば、どうして演劇部に入ろうと思ったの?」

 私の問いに答えようとしたとき、ちょうど電車が終点に着き、満員の車内から吐き出されるように外へ出る。

「まあ、いいじゃん。それよりさパフェ食べに行こうよ」

 口ごもる姿を見せた後、軽く話題を変えられた。言いたくない事情でもあるのだろうか。それとも、私のように過去の自分から変わりたいのだろうか。彼女の明るい性格から、後者は考えにくい。もっとも、私の理由は後付けなのだけれど……。

「早く行こうよ!」

 美佳の大きな声に、ハッと我に返った。2人の笑顔を見て、深く考えるのはやめよう、そう思った。

 3人でパフェを食べ、美佳の関西弁を聞き流し、他愛のない話で盛り上がった。何時間でも話していられる。でも、午後7時の空は、私たちに早く帰りなよと、言わんばかりの視線を送る。

 クラスの異なる星奈は、明日部室で会おうと約束し、地下鉄で青山方面へ、またねと手を振る私たちも、帰路に着くべく、それぞれの改札へ向かった。

 電車に揺られ、渋谷から家までの帰り道。ここで私は、しなくてはならないことがある。髪を下ろし、スカート丈を長く整え、伊達眼鏡を掛ける。



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