閑話 魔法が使える俺
説明回です
魔法文字が読めるようになるとトントン拍子に魔法の習得ができた。
記憶にある水だとか土、鉄なんかの魔法文字が分かるようになったのだ。こう、記憶している物に被って文字が視えるような感じだ。分からないだろう?俺には分かるんだぜ。
と、心のなかで何者かに自慢しつつ術式を組んでみる。文字は、『水』『肥大』『爆発』である。単語以外の魔法文字は難しく、すぐに組み込まないと文字の記憶が曖昧になってやがて消える。出力なんかの調整は魔力を使うらしく、この使い勝手は使っていく内に覚えないといけないらしい。
一度フェリシアさんに聞いてみたのだが、一度でも見たものでないと魔法文字が視えないらしいことと、見てから少し時間がたたないと文字は視えないらしい。魂体に刻まれるのを待つとかなんとか言ってたけどなんか複雑なので割愛。
俺が組んだ魔法は発動し、前方に顕れた水が膨らんで爆発した。
これは楽しい。
魔法というこれ以上ないほどファンタジーな現象に大興奮した俺は一日中、フェリシアさんに叱られて家に帰らされるまで魔法の練習をしていた。
分かったことは、
① 有機物に魔法はかかりにくい。意思をハッキリと持っているほどかからない傾向にあったが、魔獣なんかはもっとかかりにくいらしい(フェリシア談)
② 三単語以上は組み合わせずらい。文字が増えるごとにその傾向は強まり、10単語からはもはや早口だった。
③ 魔力を失うと激しくしんどくなる。枯渇すると死ぬこともあるらしい。こわい
①は魔法抵抗と言われるらしく、知能が高いとかかりづらいと判明してるらしいが、知能の低い生き物でも高い抵抗を持つヤツもいるらしく、詳しくは分かってないらしい。
研究してみるか?と言われたが答えはノーだ。知能労働はふさわしい人に任せよう。
②は魔法と魔術の境界線みたいなものらしい。長くなるほど難度が上がり、最初から組んである魔方陣を使用するとある程度解決できるらしいが、一度使うと陣は壊れるらしい。あと少しずつ魔力を失う詠唱と違ってガツンと一気に魔力が無くなるから発動しないで死ぬこともあるとかなんとか。俺を転生させるときにフェリシアさんは詠唱を何単語使ったのか聞いたら覚えていないが10万はあると言われて俺は考えるのを止めた。女子アナより早口言葉得意そうだ。この人は相変わらず凄い。
③は文字どおりである。詠唱だと途中で気絶するらしいけど伝説とかだと大魔術を行使して死んだ魔術師がよく語られ、彼らは意思の力で死ぬまで詠唱を止めなかったらしい。敬意を表する。
単語が分からないと行使できないという特徴から、強大な魔術師ほど長生きで物知りなんだとか。フェリシアさんを見てるとなんとなく納得する。
俺の場合はテレビとか雑誌とか情報媒体が溢れた世界から来たからか、この世界の上位の魔術師並みに魔法文字を知っている。異世界無双ってヤツかね。早口苦手だから20単語以上は正直キツいが。
とりあえず今日から俺の修行メニューに発声練習が追加されそうだ。
余談だが、フェリシアさんになんで単語をそんなに知ってるのかと聞かれて地球の話をすると何故か感心した顔で
「天才かと思ったら秀才だったのね」
と言われて少しくすぐったかった。天才だと何故か産まれたときから単語を知っている者もいるらしい。前世の知識みたいなものだろうか。
テレビとか雑誌とか写真とかでも魔法文字が見えます。
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