間話 偽伝説の剣ミサキ
めっちゃ短いですが、溜めてるとミサキを忘れていきそうなので先に合流。
俺の目の前で雪が震えている。
このパンドラの匣を開けないといけないって分かってるのに尻込みしてしまう俺はチキン野郎なのだろうか。
自業自得ではあるけど面倒なのは目に見えているのでマジで雪を退かしたくない。
「我が君、自分の得物はなにより大切にしなければなりません。それは武器を使うものにとってなにより大事な魂なのです」
珍しく忠言してくるルゥ。
分かっているさ。もしそれが喋らない武器ならね。
「我が君」
「....分かったよ」
渋々ながら頷く。説教は嫌いだ。
俺は腕を雪に突っ込む。
ゴソゴソ。ゴソゴソ。
コツッ....
手応えを感じたのですっかり冷たくなった柄を握っておもいっきり引き抜いた。
ズボッ!といった感じで懐かしの鞘が見えてきた。
少し凍っていてより美しくなっている。
「見事な雪化粧だよ、ミサキ」
「あんたぶっ殺すわよ!!!!!!!」
うわっ、うるせえ....
耳が割れるように大音量だ。
「あんたねえ!!私をこんなとこに刺していってなんのつもりよ!!!!!」
かつてないほどの怒りっぷり。残念ながら所詮は刀なので自発的に攻撃は出来ないが、どういう理屈なのか震えたりはできるようだ。振動パックなしでバイブレーションできる優れもの。
こいつはソ○ー製かな?
「まあそう怒るなって。地面に刺さってる姿はこう、伝説の剣みたいでかっこよかったぞ」
「ざけんじゃないわよ!!こんなクソ寒い辺境に刺さるなんてお断りよ!!!!」
ふむ。いっちょまえに選定の剣としての意識が芽生えてるらしい。
オカリナを持った少年に抜かれるのがご所望かな?
「まあ期限直せよミサキ。ほら、ドワーフの街についたら立派な鞘を買ってやるからさ」
「....鍔」
「うん?」
「....鍔も」
「ああ、うん。分かった。任せろよ」
まあ金はないんだけどね。
そのときに考えよう。
「ならいいわよ、許す。もう二度と置いていかないでね...?」
こいつ刀なのに涙声だ。
どうやって泣いているのやら。
「ああ、大丈夫だよ。俺が新しい王様を見つけるために岩に刺しでもしない限りはずっと一緒だ」
「ならいいわ!」
ミサキは弾んだ声を漏らした。
対抗するようにルゥも口を開く。
「私もずっと一緒ですよ我が君」
こいつは何をきっかけに俺に従順になったのかマジで謎だ。
でもまあフランくんとしては仲間が増えるのは大歓迎だ。
「ああ。着いてこい」
主らしくそう言っておく。
ルゥの嬉しそうな笑顔にすこし心が暖かくなった。
さて、これから喋る剣とむっつり魔属との旅が始まる。
なんだかわくわくするな。
次回はすっかり忘れられているミハサちゃんたちの回にして、ドワーフ編に突入します。
新作を書いてこっちを放置ぎみな僕を許してください。
あ、やめて!叩かないで!うわっやめt




