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不死属性の生き方  作者: ひみゃらや山脈。
第一章 不死属性誕生
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第三話  0歳と数日の説明回

 フェリシアさんは吸血鬼らしい。そして俺も吸血鬼らしい。いみわからん

 曰く、


 「なにが原因なのか分からないけど、バラバラになったアナタは本当だったらそこですぐに死ぬはずだったの。でもあそこは人族の大陸でもっともエーテル量の多い特級地。しかも巨大な魔獣が住んでいるわけでもなく、人族の手も入ってない、いわゆる《隙間》なの。まあ、私たち真祖の住む土地だからそのどちらも入ってこれなかった訳だけど。で、アナタの精神体、いわゆる魂ね、それがなにか巨大な魔術に惹かれていたから本来死ぬはずだった肉体をわずかに生かしていたのね。頭部の一部と脳が奇跡的に無傷だったのが幸いだったわね。なんで脳みそが無傷だったのか疑問だけどその点に関してだけどわたしは」


あまりにも長く、まとまってないので一部だけ抜粋してみた。俺なりにまとめると

 

 1、死んだけど、奇跡的にちょっとだけ生きてた

 2、フェリシアさんは真祖の吸血鬼で、この場合の真祖とは、弱点のない先祖返り的な吸血鬼を指すらしい。

 3、眷属にする能力と独自の魔術の複合だかで俺を再生、というより転生させた、らしい

 4、やったね!俺も吸血鬼

 5、子供好き

 6、俺を女の子だと思ってる


なるほどわからん


1は、理論とか理屈とかいろいろ説明されたけど、特級地なる場所だと稀に起こる現象だとか。なにそれファンタジー。

2、3、4は正直自分もわかんないっス。分かりたくもないっス。

5は、この女の俺を見る目でこれまでの話で一番理解した。慈愛に満ちた目で見てきてます。中身はいい年したおにーさんですよー。

6は、俺の着てたパジャマが問題らしい。この世界にモコモコした感じの服を着る男はいないらしいね。いい感じに赤く染まってたからより乙女チックだったのかもね。そんな塗料は嫌だ。


そしてここ一番肝心なんだけど


どうやらここは異世界らしい。


やれやれだぜ。

目が覚めたら異世界とか実際にやられた方は堪ったもんじゃねえなおい。


「ずっと疑問に感じてたのだけども、なんで人間が落下死してたのかしら。しかもかなりの高さから落ちたみたいだけど」


フェリシアねーさんは探究心が強いのか結構ガンガン質問してくる。赤ん坊にはちょっと分からないです。バブゥ。って感じのニュアンスで見つめると追求を止めるからかなりチョロい。


「そういえばその体では答えようも無いわね。とりあえず成長を待たないとダメかしら」


と、頬を紅潮させて呟いているフェリシアさん。てか改めて見るとかなり綺麗なお姉さんだ。キラッキラ光る金髪を腰まで伸ばし、暖かさを感じる赤い眼とややタレ目の愛嬌が合致してかなりグッド。

出るとこ出て引っ込むとこは引っ込むナイスバディだし惚れちゃいそうだ。もう2次元とかいいや。


「成長はだいたい3年で人並みになるからそれまで待っててね。何か欲しいものはある?」


3年で人並みとか吸血鬼って馬みたいだなぁ。欲しいものですか、ボーッとしてるのもなんなので本とか読みたいです。

本!本!とあぶあぶジェスチャーをすると、フェリシアさんは俺を抱き上げギュッと抱くと


「本ね。分かったわ今から持ってくるわねぇ」


と何やら少し興奮した声で答えた。子供好きというのはマジらしい。


 フェリシアさんは俺をベッドに下ろすと、足早に部屋を出て行った。


 俺は改めて部屋を観察してみることにし、見回してみた。

 部屋はどうやら木製のようで、吸血鬼の美姫が住む家というかどちらかというと、きこりのおじさんとか猟師のおじさんが住んでいます。といった様相だ。

 俺がいま使っているベットは普通にベットといった感じである。大人が使っても問題がなさそうなベットで、赤ん坊な大きさの俺が使うと余っていると言うのもおこがましいほどに大幅に空間が余っており大変心細い。

 

 とくに目を引くものもなく、一瞬で観察が終了してしまったのでやることもなく、赤ん坊らしくぼーっと天井を見上げていると、しばらくしてフェリシアさんは帰ってきた。

 

 大量の本を抱えて。


 20冊はある本を持ってきたフェリシアさんは、それを俺の寝ているベットの隣に山積みし、得意げな顔で


 「あなたの好きそうな本を持ってきたわよ」


 と、言ってきた。

 タイトルを見ると、竜を討伐するーだとか王子様が助けにくるーだとかファンタジー溢れるいつの世も少年少女を魅力させる題名の本ばかりであった。

 自慢ではないが俺はかなりの読書家だ。ラノベオンリーだが。

 こういったジャンルの小説は腐るほどよんでいたのだが、どうやらこちらの世界では伝記のようなものらしいので大人しく読むことにした。


 余談だが一冊持つのも赤子の身には苦行であったのは言うまでもない。

 

 ◆


 それほど厚さのない本を3冊ほど読むと、明るかった部屋は暗くなっており、本来ならば本なんて読めない暗さになっていた。

 改めて人外になったことを感じさせられ、ゆるゆるな涙腺から涙が溢れてくる。こういうとき赤ん坊の身は不便だ。耐えられるはずの感情が耐えられない。


 しばらく静かに涙を流しつつ、悲しみに浸っていると、波が引くように悲しみも引いていき、冷静な思考が戻ってきた。


 読んだ本をまとめると、ここは転生ものなどでありがちな剣と魔法の世界であるらしいことと、魔大陸と人大陸があり、1000年前の人魔大戦で完全に魔族と人族は分かれてらしいこと、そしてロマン溢れるエルフ、ドワーフなどの亜人族、竜や、鬼、そして吸血鬼なんていうのもいるらしい!いずれ見てみたい。まあ、そのうちのひとつはすでに鏡を見れば見られるほど近くにいるのだが。

 いずれ魔法なんかも覚えたい。なにより地球に帰りたい。


 もやもやと纏まらない思考と感情を巡らせているとすーっと眠くなり、耐えることもできず、ストンッと寝てしまった。

 

 本当に不便な身体だなぁ、と思いながら。

こう、駄目な点を指摘してくれると、すぐ修正しますんでお願いします。

どうかどうかお願いします。

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