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不死属性の生き方  作者: ひみゃらや山脈。
第二章 エルラント王国編
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第十四話 レイナ

幼女視点はむずかしい。

 わたしは白獅子のオンナだ。


 白獅子はさいきょうだと言われているけど、そのぶんてきがおおいっておとーさんが言っていた。

 つよいひとはそれだけてきがいるんだって言ってわらうとレイナの頭を撫でてくれたおとーさんはもういない。にんげんがころしたんだ。

 レイナのたんじょうびのひ、いっつもきびしいおかーさんもこの日はニコニコわらう。レイナもわらうしいつもやさしいおとーさんもわらっていた。

 なんだかおむねがポカポカして、なにも可笑しいこといってないのにニコニコわらってた。

 そのつぎの日も、そのつぎのつぎの日も、村はなにもかわらないたのしい日がつづくとおもってた。


 でも、きゅうにおわった。にんげんがやってきたんだ。


 にんげんは、白獅子はめずらしいっていってわたしたちを、わたしたちがたべものをみるときみたいな目でみていた。


 そうしたら村をにんげんはおそった。

 たかくうれる、っていって。


 レイナたちはモノじゃないのに、村を、にんげんはメチャクチャにした。


 きのうまでわらってたとなりのいえのマーくんのおかーさんもマーくんもしばられてころがされた。


 村はとてもちいさい。レイナのおかーさんとおとーさんは村のそとにいってるからたすかるかも、っておもったけど、すぐにかえってきてレイナをつかんでいたにんげんをぶっとばした。


 おとーさんは村にいる6人のかぞくでいちばんつよい。

 そんなおとーさんならにんげんにまけないっておもった。

 だけどにんげんはおかーさんをひとじちにして、おとーさんの背中を





 レイナはきづいたら村のそとにいた。

 レイナをたすけたのはマーくんのおとーさんだった。

 泣きながらあやまってアーノルドおじーちゃんのところにつれていった。


 アーノルドお爺ちゃんはマーくんのおとーさんと約束をして、わたしをあたらしい村においてくれるっていった。

 おとーさんもおかーさんもいない村なんてたのしくない。



 でも、レイおねえちゃんと一緒にいるとたのしいってきづいたのは7さいのとき。しゅ族がちがうのに家族になってくれた。



 アーノルドお爺ちゃんの優しさに気づいたのは8才のとき。

 レイお姉ちゃんと仲良くなれるようにうらでいろいろしてたらしい。

 マーくんのお父さんとの約束はわたしを預かることと、これからの白獅子族のことだった。族長であるお父さんが死んだからお爺ちゃんが族長になる。いずれはレイナが継ぐ、らしい。



 里のみんながわたしの家族だって気づいたのは9歳のとき。

 レイお姉ちゃんと森に食べ物を採りに行ったとき、崖から落ちて骨折してしまった。そのときに里のみんながわたしにお見舞いに来てくれて、怖い顔のアルフレッドおじさんもわたしのために骨折に効く魔術のスクロールを買ってきてくれた。

 結局それは偽者だったみたいだけど。


 わたしは里のみんなのお陰でお父さんとお母さんの死から立ち直れた。


 そんな大事な里が騎士に襲われるって聞いたときは怖くて仕方がなかった。

 騎士はお父さんを殺した奴よりも強いやつらだって聞いたから。そんなのに勝てるわけがない。


 アルフレッドおじさん達が迎撃に向かうからと里から出ていったときは、もう会えなくなると思って泣いた。


 だけどおじさんたちは生きて帰ってきた。

 吸血鬼が倒してくれた、って聞いてお父さんみたいな強くて優しい人だと思った。

 だけど実際に見に行ってみると、わたしとあまり代わり無さそうな女の子だった。だけど一目見た瞬間、なぜか甘えたくなった。それがすごい嫌で逃げてきてしまった。

 あの人がお父さんより強いなんて信じたくない。だけどお父さんよりも強いんだって感じてるわたしもいる。

 頭がぐるぐるして、里から出てしまった。

 里は隠蔽の魔術がかかっているから中から月が見れない。

 だから外に出て月を見ようって思ったんだ。

 わたしは里に来たときから、落ち込んだら月を見ている。

 月はお父さんとお母さんと見たときと同じままだから。


 わたしが8歳のときに見つけた崖からは月がすごく綺麗に見える。

 森から出られないので、木がないとこは里くらいしかない。

 崖には木がない。だからなににも遮られない月はすごい綺麗だった。


「やっちゃったなあ....」


 勢いで飛び出してきたけどよく考えるとあのお姉さんは何も悪いことをしていない。

 むしろ大事な村を守ってくれた恩人だ。

 そんな人に叫んで出てくるとはなんて子供っぽいことをしたんだろう....


 モヤモヤ悩んでいると、後ろに気配を感じた。

 振り向いて見ると、そこには魔獣がいた。

 わたしはまだ子供だけど白獅子だ。

 ここら辺に住む魔獣くらいならさくっと倒せる。


 だから楽勝だと思ったんだ。

 崖から落ちるまでは。


「あれ?」


 急に足場がなくなってびっくりした。

 そういえば崖の前にいたんだっけ、と思い返すがもう落ちてるので遅い。


 9歳のときに落ちた崖はもっと低いもので、ここはそれから見て比べ物にならないくらい高い崖だ。


 妙に冷静にいままでのことが頭をめぐる。


 すると悲鳴が聞こえ、そこにはお姉ちゃんがいた。


 わたしを追いかけてきたのかな、と思った。


 最後に見たのは魔獣が吹き飛ぶ姿。


 そこからは落ちていく風景と目に残っている泣きそうなお姉ちゃんの顔しか見えない。


 わたしはもう死ぬのだろうか。




 結果的に言うと、わたしは助かった。

 飛び出してきたフランさんがわたしを抱えて崖に取りついたからだ。


「落ちるのはトラウマなんだよなあ」


 と小さく呟いたフランさんは笑っていた。


 その笑った顔が記憶にあるお父さんの顔と被る。

 フランさんは女の子なのに変なの。


「大丈夫かい」


 と今度はわたしに笑いかける。

 やっぱりその笑顔はお父さんにしか見えない。


「おとーさん?」


 思わずわたしはそう言う。


 するとフランさんは一瞬きょとんとすると、また優しく笑ってわたしの頭を撫でた。


 その優しい撫で方はやっぱりお父さんと同じで思わずわたしはフランさんの胸で泣いた。

 匂いはお父さんとは違ったのにわたしはその匂いがすごい好きになった。


 空では月がお父さんとお母さんがいたときと同じように輝いていた。

フランは上手いことやって幼女の信頼を獲得しました。

はい、テンプレですね、わかりますごめんなさい




この世界にも奴隷はいます。やっぱりレアなものほど高く売れます。

白獅子は強いですが、仲間意識が人一倍高いので一匹捕まえると芋づる式に捕まえられます。

チョロく捕まえられて高く売れるので奴隷専門のハンターには大人気です。


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