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「ここまでこれたら大丈夫か?」


「甘いんじゃない?」


怪我人を運びながら山道を登るのは困難で途中の竹やぶに入り込んだ。かなりの距離は来たはずだが…


「敵は一人じゃなく複数…私が失敗したことを考えて精鋭で来てるでしょうね…さっきのX-24だけどあれは正真正銘の動物兵器よね、再生する再生能力に隕鉄で

造られた爪を装着。触れれば耐性のない人間を一瞬で殺す代物、能力者どうしでは効果は薄いけどそれでも切れ味は私のメタマグだって切り裂かれる」


そして拳銃の残弾を確認する。恐ろしく小さいこいつが頼りなく見えた。


「残りマガジン2つでおしまい」


「止血しようと思うけど外傷が無いよな…どこだ?」


「内臓がね…さっさと勝負つけてくれ」


……危険な賭けを思い付いたがさせたくない。折角解放されたのにまた悪夢を見ることになる。


「さあ、囮にでもなんでも使って。その代わり必ず仕留めてね」


「バカ言うな…ちょっと待ってろ!」


少なくとも拳銃よりは役に立つ武器があるのを思い出した。大事に回収したけどまだ使えるかはわからない。とにかく祈るしか…

























「ふぅ…呼吸音が2つ接近…1つはX-24と判断。もう1つは新手…能力不明、見方なし」


大きくて太めの竹にもたれる。昔から動くのは苦手なんだ。運動音痴ってやつだ、走るのも何をするにしても体を動かすのは大の苦手だ。だから今もこうして敵だったあいつと協同戦線しいてんだ。


「痛いの?でもねもうすぐ終わるよ?」


後ろからひょっこり覗くアホ面を見ることもおっくうだ。めんどくさい、だから頼んでいいか?


「お早いお着きで…」


「Amazonだってビックリだぜ!」


瓶を投げつける。元はジュースが入ってたただの瓶だったが今は違うぞ!能力をとくとみよ!


「痛いやつだよね?」


爪で引っ掻く。戻ることを警戒してか粉々に砕く…一瞬でこうも何度も切るとは人間捨てただけはあるな…

でもそいつは俺の能力じゃないぞ?


瓶の中からどす黒い液体が広がった…


「よくとっといたな…ナイスだぞ」


「地面に染み込んでたけどな、分けてやったよ。こんだけしか取れなかったけどな」


「充分だ!」


空気中に広がった黒い液体はやがて鎖の形となって巻き付いた。


「X-24、縛られるのはなれてるだろ?」


メタマグを操る…2度に渡る敗北でけっして使えないと思ったが聞いたら「やれる」と自信があるようなのでとってきた。結果成功したけどな。


「もう引退するんだ、そっとしてくれ。お別れ会は必要ない」


「むぐー!」


「そう怒るな」


「そのまま動くな!」


ビシンッ!


いきなり飛んできた弾丸、俺の動体視力で見えていたから右手のアウトローの指でがっしり掴む。そしてそのまま握り潰す…


「あ~銀の弾丸が~」


「銀の弾丸?」


「耐能力者用の弾丸なの…貴重なのに…」


命助けて文句言われる筋合いなんてねーだろが!そこは黙っておく…でも次はないぞ、次いいいやがったら殴りつけては治し殴りつけては治しの地獄を見せてやるからな。


「ちょっとちょっとちょっと、そこまでそこまで」


「誰だ」


暗闇から女が一人…女…また女…能力者って女ばっかし!!


「ちょっとそこの坊や~?その反応は頂けないわ」


「うるせー」


「X-24を解放して?でないとそこのかわいこちゃんの額に穴空いちゃうかもよ~?」


「やってみろ、はじき返す」


「はい、これでいい?」


「おっおい…」


鎖は消えて黒い液体に戻る。X-24は喜んでぴょんぴょん跳ねて俺の背中に抱きつき爪を首筋にあてる。


「殺す?」


「そいつは無傷、そっちのゴミで遊んでなさい」


「面白くない~!」


「じゃあ私が」


パシュン!


火薬が爆発し弾丸が発射される。俺はその時までただ眺めておく。弾丸が飛んでくる、まだ見てる。


「そい!」


手の甲でX-24の顔面を叩く、のけ反って地面にX-24が倒れる前に弾丸を掴む。すべて一瞬で見えるほど素早い動きで。


「……え?」


「ほら持ってろ」


弾丸をお望み通り渡す。


「見方なら頼もしい」


「ありがとうだろ?」


「むーん!むーん!痛い!痛いよ!」


「すぐ治るだろ!黙ってろ!」


「待てないヨーン!」


殴る、吹き飛ばす。もう一人が撃ってくる。全部の弾をはじくか掴んで突進する。そして殴るが竹の後ろに回り込まれる。そんなの盾になるか。


「ウラアアア!」


竹はあっけなくへし折れ倒れてくる。その時背中にまた重い感触が…


「遊べ!」


「邪魔だ!」


俺としては残酷過ぎるが敵は不死身だろ?許せよ!俺は口に手を突っ込み顎を掴んでさっき折った竹を突き刺した。切り口が鋭くなっていたので難なく胴体を貫通 した。そして竹は元に戻る。


「抜けない~!あっ!切ればいいのか」


「させると思う?」


鉄枷が両手をふさぎなすすべもない。いくら不死身でも脱け出すのは困難だろう。


「もう一人は…逃げたか…」


「ふう、歩けるようにはなったか…」


「無理すんなよ」


「大丈夫だ問題ない。さて問題はこいつをどうするかだ。さっきのが増援をつれてくる前になんとかしたいが殺せないからな」


「怪我は治るなら別のやり方があるだろ」


「ん?例えば?」


「溺死とか」


そこで俺は見た、恐ろしい女の顔を!暗殺者の顔だ!


「それは使えるな…先に家に帰ってろ…」


「えっ?何するんだ!」


「私の手は真っ黒だ…なに、馴れたもんだ。こう言う汚れ仕事は私に任せてもらおうか…」


止めなければ!また繰り返すきか!折角解放されたのにまた繰り返すのか!


「メタマグを渡すべきではなかったのか」


「お前には感謝している…なに殺しはしない。先に帰ってるんだ」


俺は家に出きるだけ速く帰った。敵のこともそうだし

なによりあの場から離れたかった…X-24でなければ俺は人殺しだ…その罪悪感から逃れたかったのだ。

































「ちょっと待ってよ!泳げないんだよ!」


「だからだろ」


「ギャー!」


バッシャン!


少し登ったところに溜め池が出来ていた。整備もされていない汚そうな池だが人気がないのがよかった。もし助けられでもしたら大変だからな。確実に葬るべきだと判断した。


「助けて!!死んじゃう!!」


「やっと危機感って奴を覚えたか?それもあと一回覚えたら楽になれるぞ」


「あんまり虐めないでくれ?」


カチャ…


「銃なんてやめときなって、メタマグには逆効果だ。

銀の弾頭だろうと金の弾頭だろうと発射される前にカタをつけれるぞ…」


「見逃してくれる?」


「そのX-24を連れてさっさと帰れ、それから二度と来るな。次は皆殺しと伝えろ」


「いいのかな…楽には死ねないよ?」


「望むところだ、はなからなにもしないなんて嘘は信じてない」


私は出きるだけ速く帰ることにした。敵の心配じゃない。あのバカ少年に言ってやることがあったからだ。

暗殺部隊に支給される拳銃はSIGシリーズのP232がモデルです。


P232night

口径 9㎜

全長 168㎜

重量 470g

装弾数 7+1発


専用のサブソニック(亜音速)弾を使用し、減音効果をあげている。小型で扱いやすいのが特徴。

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