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アウトロー(犯罪者)

「ちっ…散々な目に遭った…霊感なんていらねーんだよ…それに俺が襲われて…」


いや…なんだこの違和感は?背筋がぞわぞわするぞ?鳥肌も、冷や汗も出てきた…か、風邪じゃないよな?


「見つけたわよ!マヌケ♪」


「だ!誰だ!」


声のするほうは真っ暗闇で何一つ見えない。しかし俺の耳だけは確かに異変を感じ取っていた。足音がゆっくりと近づいてくるんだ。


「う、どこだ!」


「こんなに近くにいるのにわからない?」


目を細めて見れば俺の一メートル前に謎の透明な物体が!


急いで逃げないと!本能でこいつはヤバイと警鐘を鳴らしている。


「はい、無駄」


「ぐぁっ!?」


足が動かない!?しかも痛いし!


「ぐおおおおお!」


無理に引っこ抜くと足の裏から釘が出ていた!

それも何本も靴底を貫通してスパイクのように出ていた!


「あ、足が…俺の足に何時から…こんな!」


「私の能力よ?死ぬ前に聞いとく?」


能力?なにいってやがる!?


「私の能力はね、磁力を操るのよ♪」


透明な物体…どんどん色が付いていき、最後には女の姿になった。


「何で急に…女が!?」


理解出来ないことが立て続けに俺の目の前で起こっている。どうなってんだ?


「私のメタマグ…あ、能力の名前ね。磁力を操作する能力なのね、磁力で相手の血液中の鉄分を刃物に作り変えることでね、体内から攻撃することができるのだ!どう?凄くない!?」


なに言ってるんだ?能力?ふざけてんのか?でもさっきから俺の見に起こってることは全部ありえないこと…なんだ。


「標的は攻撃を受け続けると体内を内から裂かれたために大量の出血と、体内の鉄分が減らされることで結果、酸素欠乏であの世行きって訳よ。あんたは死んで証拠も残らない、こんなド田舎なら他人に見つかる心配もないと…」


「なぁ、あんたが凄いのはわかった。どうか逃がしてはくれないかな?」


こんな訳のわからん状況で死ねるか!足は両足とも出血で走れそうにないし…ここは許してもらって帰るしかない。


「あんた、さっき私の姿見えてたでしょ?」


確かに見えてた。まさかそれだけで俺は殺されるのか!?


「私の姿が見える能力、後々の仕事に影響しそうだから今ここで殺しとくの。不穏分子は消し去らないと」


シュッ!


「え?」


手首からメスが出てきた…皮膚を突き破って出てきやがった!


「わっ…うああああ!?」


「クスクスクス♪痛いでしょ?もうじき貧血でくらくらしてくると思うわ」


ほ、本当だ…女が二人も三人も見える…こいつはヤバイな…俺は死ぬ?こいつに殺されるのか?


「はい!これでおしまい♪首から特大のやつ出してあげるわ、頭と体が別れるってどんな気持ちかな~?」


「俺に霊感があったばっかりに…」


俺の首に異物があるのが感じられる…これがこいつの言ってた特大のやつか…確かにこれは首が切れる訳だ…


「ロウ・アバイディング・チェイサー!(法を守る追跡者)」


あ?なんだって?ついに幻聴まで聞こえるとは俺はその場に力なく崩れ落ちる。


ふと顔をあげると目の前に中世の騎士を彷彿とさせる軽量な鎧を着て、手にはレイピアを持った女が立ってる。美しい女性だった。金色の髪

、長い髪が夜風で揺れている。それに耳も長いこれが噂に聞くエルフってやつかな?聞いてたのとそっくりだった。幻覚まで登場とはな…


「あれ?喉にあった異物が無い?」


「私のチェイサーの能力はレイピアで切ったものを二つに分ける能力、間に合ってよかった」


後ろを振り向くとメタマグとか言うてる能力使ってる女と同じ服装の女が立っていた。特殊部隊が来てそうなアーマーを着ている。戦闘用なのは見てとれた。仲間なのか?増援か…


「な・ん・で護衛チームがここにいるのよ!」


「それはこっちの台詞、暗殺チームよねあなた?ここでこそこそ何を嗅ぎ回ってるの?」


「護衛チームの温室育ちにはわからなくていいことよ!何?そこの男の護衛?私の姿が見えてたから能力者とは思ってたけど何者?」


「それこそわからなくてもいいことね、退くなら攻撃しない。この人を傷つけたことも不問にするからさっさと行きなさい」


何?この会話…さっぱりわからんが目の前の中世の騎士に見えるのは今来た人の能力と言うやつなのだろう。


「その男は私の仕事の邪魔なの!」


「それならしょうがない…奪鬼になる前に私の能力で消してあげる」


俺の目の前にいた中世の騎士が動き出す。


「あなたの分ける能力はやっかいだからね…」


突然騎士の動きが止まる。


「これは?動けない…」


「チョロチョロ動かれたらやっかいなので間接部をメタマグで覆ったのよ!そしてぇ!」


俺を助けてくれた女の子から釘が飛び出す!俺と同じように!


「これでゆっくり始末できる、あんたは後で殺して山中で燃やしてやるわ!」


次は俺だ…そう思った。けどただでは死ぬわけないだろ!


「この騎士の間接に引っ付いてるのを剥がせばいいんだろ!」


固い…とれそうにない


「なぜチェイサーに触られるの!?」


「もう少し待ってろよ!次はあんたを…」


「見たところロウ・アバイディング・チェイサーは霊体具現化能力、普通なら霊体に触れられないはず!霊体は人間を触れても人間は霊体を触れないのがルール!やはりこいつは危険過ぎる!」


やべぇ!また首から特大のやつ出そうとしてるな…息が…


「私とチェイサーはいいから逃げなさい!」


「そうはいくかちくしょー!」


その時だった、チェイサーが持ってたレイピア

を俺に突き刺した!しかし痛みはない。チェイサーが能力を使って俺の異物を分けたのだと思ったがそうではなかった。


ポワン…


俺の後ろが光ってる…見えないがなにかいる気配を感じて振り返るとそこには…


「緑色のチェイサー?」


俺の背中辺りからチェイサーそっくりの女が出ている。緑色の髪、長い耳、チェイサーの蒼い瞳とは違い紅い瞳。両頬には刺青がしてある。鎧もチェイサーとは違い胸の部分しかなく、あとはプロテクターのように各部に少しあるだけだ。チェイサーの特徴であるレイピアもない。


「これは?これが俺の能力?」


「チェイサーそっくり…チェイサーが刺して発現したの?」


「そんなのしるか!やっと能力を現したな!この女と同じ霊体具現化能力か!」


「名前は…なにがいいかな」


この時頭の中に一つの名前が浮かび上がる…


「よし!行け!アウトロー!!(犯罪者)」


するとアウトローが俺の喉を引っ掻く、すると中から巨大なハサミが出てきた。危なかった!


「もう一回小さいメスを体から出して弱らしていくしかないか!ってあれ?なんで出ないの?おかしいな!?」


「お前の能力はわかった磁力を操る能力だったかな?お前のメタマグが何時俺の体内に侵入してきたのかわからなかったが今アウトローが分けた時にわかった」


「砂鉄だろ?最初に足から釘が出た時、地面の砂鉄を釘にして俺に踏ませ傷口から体内に侵入

したんだろ?」


「そして砂鉄を身に纏うことで周りの風景にも溶け込める。それがお前が透明だった秘密だな

?もう無駄だぞ!またメタマグを侵入させても

アウトローの能力で分けてやる!」


「チェイサーと同じ能力?」


「チェイサーに貫かれた時にチェイサーの一部が俺の能力と混ざったんだと思う。だから俺の能力はまだ見せてないよ」


「だ!だから何よ!私がビビるとでも?」


「見せてやる!これが俺の能力だ!」

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