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劇熱

「ソウルオブ・ラピス(魂の原石)」


時間が止まっている?真っ暗な病室に他に誰か?辺りは静か…静かどころか誰も動いてない。て言うか指も…体も動けない。ただ意識だけはハッキリとしている。


「すまない。やり直してくれ、CHANGE・THE・WORLDこの世界に入ってこれるのは私の能力だけだ」


なんだろう。アウトローが見えた気が…あれ?暗くなってくる。俺の…名前は…






















陸続きで地球上で最も遠い場所はどこだ?アフリカ大陸だ。国際派遣、PKO?御大層な名目だな。


夕暮れ時の強烈な残光が一面の土漠と岩山を紅く染め上げる。すると大きな声が聞こえる。


「駄目です、乗員は完全に死亡。仏が3人」


梶川陸士長の声だった。

ザイル使って岩場を降下した梶川陸士長と津伊木3曹が大破したヘリの機体から叫ぶ。


「断定するにはまだ早い…もっとよく確認しろ」


岩場の頂上に立った藤崎宏次3曹は渇いた唇を噛みしめて下に墜落したヘリに向かって叫び返す。

暑い…もう日は沈みかけってのにこの暑さは異常じゃないか?この暑さに俺は音をあげる…あげてなくても今にあげるに違いない。砂ぼこりで汚れた右の袖で汗を拭い一呼吸する。


大破した一部は巨石の陰に隠れて全体は把握できないもののそれでも岩の間からSH-60シーホークのローターや機体が太陽光を反射して夕焼け空と同じ紅く光るのに凝視もできない。


「間違いありません」


「間違いありません?いつから医者になった?脈か鼓動確認できないのか?」


「無理です。機体の破損が大きく遮られて手が届きません」


「なら生きている可能性があるだろ」


「それはないです、全員頭が潰れてるか…あっ…ありませんね」


俺はなにも言わず誰かの次の言葉を期待して後ろに立つ松本3尉と新田1曹を振り返って期待して待つ。

捜索救助隊の隊長、松本は目をつぶり深く頷く。


「遺体は回収できそうか」


俺は再び二人に向かって声を張り上げて叫ぶ。

金属音と少し間の置いて梶川が返事を返す。


「現状では無理です。相当派手にぶつかってますから」


俺は聞こえてると思うが…松本3尉に報告する。俺は松本3尉の次の言葉を待たず今度は一つダメ元で叫ぶ。


「能力を使ってはどうだ?全員死んでるのなら問題ないだろう!」


今度は即決でダメだと返事が飛んできた。それをするなら俺が行けって話だ。


「日没が迫っています。遺体の回収は明朝始めるのが無難でしょう」


新田1曹が松本3尉に進言する。

照明をつけて不安定な場所にひっかかっているヘリの中での作業なんて日がある時でも嫌だ。俺は内心そう思っていた。


「そうだな、もともとこうなることはあらかた予想はしていた」


松本の判断で俺は梶川と津伊木に向かって中止して上がってくるように呼んだ。


「回収は明日、明朝。写真撮って早く上がってこいよぉー」


潰れた機体からカメラのフラッシュが光る。新田は他の隊員に夜営の準備と警戒の指示を出す。

砂の白っぽさに似た砂漠迷彩の作業服に88式鉄帽を被った隊員が即座に動き出す。松本隊長は軽装甲機動車に搭載している無線機で拠点に報告が終わったあと俺のもとへ来て肩に手を置きにっこりと笑う。


「新田が君の代わりにずいぶん働いてくれるなぁ…最初の歩哨に立ってきたらどうだい?」


俺は二つ返事で89式小銃に手を伸ばす。自分の89はスリングをつけずバイポットを立てて地面に設置されている。手に取る前にぺしんと手を叩かれる。


「そいつは必要ないだろう」


「……」


武器も持たせないなんて正気かと隊長を疑ってはいけない。俺にとっては銃は飾りだ、相手を殺すのに俺は銃は使わない。本来なら銃を使って殺すように言われている。ただそれだけだ。普通だ、能力を使ってもいい、そうとらえる。


「民兵が溢れてるこの地域で…歩哨する自分に銃は必要です。賞金欲しさに民兵が押し寄せてきたら」


「一人残らず…だ。能力を見せたら見た相手は必ずだ…わかるだろ?」


俺は首を横に振りながら89を持って歩哨に出た。

さきほどまで紅く染まっていた世界は影が濃くなり夜の訪れを告げていた。





















俺たちの部隊は世間の目には自衛隊の1部隊に過ぎない。で、その正体と言うのも…俺のような特殊な者を集めている部隊だ。能力が発現した者を集めている部隊だがその存在は秘匿…そりゃ当然、パニックになるものな。でもただの捜索救助活動なんてしている。これは同盟国のアメリカですら知り得ない秘密、まさか貴重な能力者の集まりを危険地帯に放り出すとは普通ではしないことだ。今回の捜索救助はいい隠れ蓑だ。


藤崎宏次3等陸曹

経歴は抹消された、家族も友人も俺のことは知らない。謎の組織に追われ追われるうちにたどり着いたのが自衛隊の特殊部隊である特別能力者対応部隊通称は特者、実にダサい。

類い稀なる幽体具現化能力に分類され当初奪い取る能力、再生能力だったものが敵と遭遇したとき、もう一人のアウトロー(ソウルオブ・ラピス)が現れ能力が変質した。やる気がなく基本は怠ける、リーダーシップが苦手で他人任せ。しかし一人にすると頼りになる男。時おり悪夢にうなされ、夢に登場する二人の少女を探るため謎の組織について調べている。記憶が一部欠損しおり悪夢に登場する二人の少女が今のところ自分を知る手がかりだと思ってる。

体内に多数の砂鉄が溜まっていて、皮膚が裂けたりすると針や刃物が飛び出してくることがある。自分の意思とは関係なく他人の能力がかかっていると思われる。これも二人の少女に関係が…


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