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にゃん娘と作る文明開化  作者: かわち乃梵天丸
第一章 のほほんにゃんこ村
17/90

大自然飢えぇぇぇ!7 小屋の材料集め

 野生の動物達は雨宿りをしないんだろうか?

 鳥なら雨が降っても木の枝に止まってるな。

 木に葉が生い茂ってるから、それが屋根代わりになって多少の雨を避けられる。

 でも、冬になって葉が落ちたらどうしてるんだろうな?

 今までそんなことを考えることもなかった。


 そう言えばツバメは家の軒下に巣を作ってるイメージだし、キツツキは木の幹に穴を空けて住んでるイメージだな。

 キツツキの巣って本当に木の幹に穴を空けてるんだろうか?

 あれって、マンガの中だけの話なのかな?

 そんな面倒な事、普通はしないよな?


 犬なら?

 犬はどうか解らないけど、野生のネズミなんかは土に穴を掘って暮らしてるって聞いた事あるな。

 穴なら地面に穴開けるだけだし、簡単か。

 でも、僕らが穴に暮らすってのもな……。

 ネズミみたいに身体が小さくないので、穴もかなり大規模なものになるだろう。 

 それに雨が降って来て、中に水が入って来たらどうするんだろうな?

 穴を掘るにしても雨が入らない様に入口に屋根を作らないとダメか。

 屋根を作るぐらいなら、三角テント作った方が早いって話になるな。

 猫だと穴を掘らないから、草原で寝るのが正解なのかな?

 アフリカに住むネコ科のライオンとかチーターが巣に入って住んでるって話は聞いた事が無いしな。

 きっと草原の上で雨に濡れて耐えてるのが正解なんだろう。

 でも僕は雨に濡れて暮らすのは嫌だぞ。

 この前の大雨で懲りた。

 

 魚は水の中か……。

 こりゃ、雨は関係ない。

 河童は……想像上の生き物だな。

 湖に住んでいる、水鳥も濡れっぱなしのイメージ。

 やっぱり野生動物的には濡れっぱなしが正解なのか?

 

 いやいや、僕は人間だ。

 そんなの嫌だ。

 僕は雨と戦うんだ。

 抗うんだ!

 

 そう言えばビーバーは自然と戦う動物と聞いた事が有る。

 唯一人間以外で自然環境に手を加える動物で、自分の住処の為に川にダムを作るらしいな。

 枝を集めてダムを作って湖を作り、水の流れと戦ってるらしいな。

 ダムを作るのは外敵の捕食動物を避ける為で、湖を外敵からのバリケード代わりにしての湖の真ん中に小枝を集めて作った巣を作ってるらしい……ちょとまてよ?

 

 小枝で巣?

 

 これだ!!!

 ビーバーの巣なら小枝を積み上げるだけで作れる。

 木を加工する必要はない!

 枝を積み上げて、かまくら型の家を作ればいいんだ!

 雪で作るかまくらと同じ感じの家だ。

 これなら枝を集めるだけで作れる。

 道具も要らない!

 枝と枝を絡ませて積み上げれば釘や金槌も要らないしな。

 おまけに簡単だから、夜までに作れる!

 よし決まった。

 

 枝のかまくらを作ろう!

 

「月夜、すまない。木の枝のかまくらを作りたいんだ。知恵を貸してくれ」

「木の枝のかまくらですか? それはどんな物なんですか?」

「ビーバーの巣のような、木の枝を積み上げただけのかまくら型の小屋だ」

「面白い物を考えましたね」

「木の小枝なら加工は要らないからな。集めるだけで済む」

「木の枝なら、ここの川の上流に歩いて二〇分ほどの所に灌木かんぼくが群生した草原が有ります。そこで手に入ります」

「灌木?」


 僕が質問すると、哀れな子羊を見るような目で月夜が見てきた。

 うーん、そんな目で見るのはやめて。

 『聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥』ってどこかの偉い人の言葉があるじゃないか。

 褒めて育てるって言葉もあるんだし、ここは知識欲旺盛な僕を褒めて欲しい。


「背の低い木の事ですよ」

「なるほど。すまないがそこまで案内してくれるか?」

「わかりました」

 

 僕は皆を集めた。

 

「みんな、すまない。これから家を作るから手伝ってくれ」

「家? なんなのかにゃ? それは?」

「雨が降っても濡れない場所だ」

「すげー! そんな物が作れるのか! 王様凄いな!」

「すごいのにゃ!」

「それを夜までに作るから、材料を集めるのを手伝ってくれ」

「わかった!」

 

 と言う事で、月夜の案内で、僕は皆を引き連れて木の枝の採取に向かう。

 約二〇分程歩くと、月夜が言った通り背の低い木が生い茂る草原に着いた。

 

「みんな悪い。ここに生えてる木の枝をひたすら集めてくれ。あ、集めるのは落ちている木の枝だけで、木を引っこ抜いたらダメだぞ」

「わかったにゃ!」

「任せろ!」

 

 俺たちは枝を拾い集める。

 集めるのに結構時間が掛かるかな?と思ったけど、みんなが頑張ってくれたので一時間ほどで高さ五メートル程の枝の山が積み上がった。


「ちょっと取り過ぎたかな……? こんなに持ってけないな」

「俺に任せろ。これぐらい余裕だ」

 

 そう言うと天色は軽々木の枝の山を持ち上げた。

 小山が動き出した感じだ。

 

「すごいな!」

「天色ねえさんは、力もちにゃ」

 

 でもよくよく考えたら、毎日魚取りでバスサイズの大岩を担いてるんだから、当然と言えば当然だった。

 僕たちは小屋の材料である枝を集め終え、村へと戻る事にした。

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