幼い「僕」と微笑む彼女
一応これはラノベの予定です。
間違った日本語が使われていたらすいません
この作品を読んで、楽しんでいただければ幸いです。
拙い文章ですがどうぞ宜しくお願いします。
「ねぇ、君は何の色が好き?」
夜の庭、月も雲も無い星空の下で、彼女は唐突に問いを投げかけてきた。
白絹のような銀髪を輝かせた彼女は、その問いを投げかける行為そのものを楽しんでいるようだった。
その問いに対し、まだ幼かった「僕」は、
「どの色も、好きな色じゃあ無い。」
そう答えた。
子供にしては可愛げの無い返答だと、幼い
「僕」でも思った。
しかし、そんなつまらない返答が返ってきても、彼女の微笑みが崩れる事はなかった、
むしろ問いに答えてくれた事が嬉しかったようで、彼女の笑みはより深い笑みに変わっていた。
「僕」は彼女が笑っている所以外見たことが無い。
何かが無くなった時も、驚いた時も、大事な人が無くなった時も、眉尻が下がって少し寂しそうな表情にはなったが、彼女の顔から微笑みが無くなることはなかった。
もしかしたらこの人には楽しいという感情に感情が存在しないのではないかと、そう思わせるぐらいだった。
彼女はゆっくりと「僕」に近づくと右手を出し、「僕」の左の頬に添えこう言った。
「透明、素敵な色だね。
でも君の年齢の少年に言われるとは思わなかったな。」
彼女は若干眉尻を下げ、寂しそうに微笑み、
「僕」の頬から手を離した。
そして彼女は「僕」にこう言ってきた。
「透明というのはまだ何もないという事。
つまりこれから先どんな色にもなれるという事なんだ。
人というものは心に色を持つ生き物、それは良くもあり悪くもある。
ただ君のように色を持たない人間も中にはいる。
それはとても珍しく、危なく、美しいものでもある、何故なら透明は透明であるが故に他の色に染まりやすいからなんだよ。
朱に交われば赤くなる、これはまさにそれなんだ。
集団というものは多数が少数を打ち負かすもの、多数というものに従順になればその多数が持つ色に染められてしまう、それは君が持つ透明を何の変哲もない色で塗りつぶされてしまうということになる。
一度染まってしまった者が元の色に戻るのは極めて難しい、君のような透明であれば尚更だ。
だからね「」、集団に反発しろとは言わない、もし君が集団という一つの個体の中に入ったとしても君は君の色を無くさないようにするんだ。
そうしていつか自分だけの色を見つけて、
素敵な大人になってね。」
長々と話した彼女は柔らかく微笑むと、幼い
「僕」の唇に軽く、ただ触れるだけのキスをした。
それは大人である彼女にはおままごとのようなキスで、子供の「僕」にとっては大きな衝撃を受けるキスだった。
あまりの衝撃と驚きにピクリともしなくなった「僕」を見て、彼女は楽しそうに笑っていた。
その後彼女は自分の部屋に行き、「僕」もまた、跳ね上がる心臓を引き連れて自分の部屋に向かった。
彼女が何を思ってキスをしたのかは分からない、彼女が今何を思っているのかはわからない、もしかしたらあの行動そのものに意味などないのかもしれない。
ただそれでも、彼女が言った話はしっかりと「僕」の心に深く刻まれた。
いかがだったでしょうか。
初投稿ということもあり、だいぶひどい出来だったと自分では思いましたが。(ー ー;)
これからも投稿するつもりなので、是非宜しくお願いします。
ありがとうございました。