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仮面のない空へ  作者: R


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第二章・第12話

【狙われた仲間】


 夜明け前。


 Rたちは、森の中で野営していた。


 焚き火は、すでに消えている。


 静寂。


 ――だが。


 ユナは、目を覚ました。


「……風が……止んでる……?」


 異変に気づいた、その瞬間――


 背後に、影が立っていた。


「……静かだな、この森は」


 低い声。


 ユナの喉が、ひくりと鳴る。


「……ゼオン……」


 仮面の男は、微笑んでいた。


「……正解だ」


 次の瞬間――


 ユナの体が、宙を舞った。


「……っ!」


 地面に叩きつけられる。


 息が、止まる。


 Rが、飛び起きる。


「……ユナ!!」


 だが――


 Rが駆け寄る前に、

 ゼオンはユナの首元に、指をかけていた。


「……動くな、R」


 Rは、凍りつく。


 クロウも、すでに構えている。


「……ゼオン……」


 ゼオンは、Rを見て笑う。


「……いい仲間を持ったな」


「……だからこそ、壊しがいがある」


 Rの拳が、震える。


「……やめろ……」


 ゼオンは、ユナの耳元で囁く。


「……Rは、優しいな」


「……だから、迷う」


 ユナは、苦しそうに言った。


「……R……来ないで……」


 その瞬間――


 カイが、影から飛び出した。


「……離れろ!!」


 ――だが。


 ゼオンは、カイを“見ずに”蹴り飛ばした。


 ドン!!


 カイが、木に叩きつけられる。


「……がっ……!」


 ジンが、剣を構える。


「……ゼオン……」


 だが、クロウが、低く言った。


「……ジン、下がれ」


 ゼオンは、クロウを見る。


「……さすがだな」


「……無駄な死を、出したくないか」


 そして、Rを見る。


「……選べ」


 Rの心臓が、跳ねる。


「……選ぶ?」


「……お前が、仮面を使えば」


「……この娘は、助かる」


 Rの視線が、

 自分の仮面に、落ちる。


 ――使えば、勝てる。


 ――でも……


 Rは、歯を食いしばる。


「……それでも……」


 声が、震える。


「……俺は……」


 クロウが、静かに言った。


「……R」


「……信じろ」


 Rは、目を閉じる。


 そして――


 仮面から、手を離した。


「……仮面なしで……守る……」


 ゼオンは、くすっと笑う。


「……甘い」


 だが――


 次の瞬間。


 ユナの体が、

 ゼオンの腕から、滑り落ちた。


「……?」


 ゼオンが、初めて驚く。


 ――ユナの仮面が、

 風の力で、ゼオンの指を弾いていた。


 ユナは、息を切らしながら立つ。


「……Rは……迷わない……」


 Rが、前に出る。


「……ユナは……俺が守る!!」


 ゼオンは、面白そうに笑った。


「……いい顔だ、R」


「……じゃあ、次は……本気で遊ぼう」


 そう言って――

 闇に、溶けた。


 静寂。


 Rは、ユナを抱き起こす。


「……大丈夫か……」


 ユナは、かすかに笑う。


「……うん……生きてる」


 クロウは、ゼオンが消えた方向を見つめた。


「……あいつは……」


「……“お前を壊すため”に来ている」


 Rは、拳を強く握った。


 ――守る。


 絶対に。

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