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仮面のない空へ  作者: R


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第二章・第8話

【裏切りの街】


 霧の立ちこめる、石畳の街。


 遠くで鐘の音が鳴っていた。


 Rたちは、街の入り口に立つ。


「……ここ、前に来たときは平和だったよね」


 ユナが、小さく言う。


 ジンが、眉をひそめる。


「……でも……気配が、違う」


 街は、静かすぎた。


 人の声が、しない。


 Rは、ゆっくり歩き出す。


「……行こう」


 中へ入ると――


 全員、仮面をつけている。


 住民も、商人も、

 子供でさえ。


 しかも――


 黒い紋章。


 エクリプスの印。


「……なに、これ……」


 ユナが、息を呑む。


 その時――


「……よく来たな」


 聞き覚えのある声。


 前方の広場に、

 ひとりの男が立っていた。


 街の代表――


 かつて、Rたちを歓迎した人物。


「……あなた……」


 Rは、唇を噛む。


「……街を、売ったんですか」


 男は、仮面の奥で笑った。


「……守るためだ」


「……力がなければ、奪われるだけだ」


 ジンが、低く言う。


「……それで、エクリプスに従った」


「……そうだ」


 男は、腕を広げる。


「……ここはもう、

 “選ばれた街”だ」


 次の瞬間――


 住民たちが、一斉に動いた。


 Rは、前に出る。


「……ユナ、下がって」


 ユナは、首を振る。


「……一緒に、行く」


 戦いが、始まった。


 だが――


 住民たちは、

 操られているようだった。


 目が、虚ろ。


「……くそ……」


 Rは、拳を止める。


「……殴れない……」


 その時――


「……甘いな」


 影から、声。


 仮面の男が、現れる。


 エクリプスの“街管理官”。


「……この街は、もう“箱庭”だ」


 Rは、歯を食いしばる。


 ――守るために、戦う。


 でも――


 傷つけたくない。


 葛藤の中で、

 Rは、初めて“迷い”を抱く。


 その迷いが――


 後に、

 最大の試練になる。

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