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ある夢の話  作者: むら
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ゆめのはなし

(いや、なんでやねん)

なぜ、私が白無垢を着せられているんだろう…


私(小虎みやび)の元に届いた結婚式の招待状。

差出人は中学生の頃仲が良かった友人からだった。

高校も別だったし、まだ今のようにsnsが充実していなかったこともあり、卒業してから疎遠になっていた。

私のことを覚えていてくれて、人生の大切な日に招待してもらえるなんて嬉しかった。

けれど、正直10年もあってないこともあり、あまり顔がはっきりと思い出せない。見た目も変わっているだろうし、久しぶりに会うから、よくわからない人見知りもしそう。向こうも私がわかるかな…いや、でもせっかく招待してくれてるし…

行くか…行かないか… う〜ん…

「あれ?どうしたんですか〜?眉間に皺寄せて〜将来大変になりますよ?笑」

目の前に見たくもない顔が私の顔の前にくる

「うるっさいな〜考え事してんの!重要な!」

無駄に高い身長を私の目線に合わせて体を折り曲げてしゃべる会社の後輩 鷹宮翔 

「重要な⁇はっ!不倫はダメですよ!!いくら彼氏ができないからって!」

「不倫なんてそんなんするわけないし、するやつを好きにならんわ!」(まじでなんなんだよ…こいつ…)

「良かった〜で?どうしたんですか?悩み事?」

「そう〜結婚式の招待状もらったんだけど…行くか悩んでて」

「結婚式ですか⁇」

「中学の頃の友達が招待してくれてね、嬉しいんだけど久しぶりに会うから気まずいような、恥ずかしいような、なんとなく行かない方がいい気もするし…」

「ふーん…行かない方がいいんじゃないですか⁇行かない方がいい気がするんですよね?」

「え…?あ、うん。」

珍しい…普段おちゃらけてる鷹宮の事だから、いった方がいいですよ!出会いないんだから!みたいなこと言うのかと思ったのに…

「こういう時の自分の直感は信じた方がいいですよ!じゃあ外回ってきまーす!」

予想外の鷹宮の反応にびっくりしたが、まあ確かに嫌な予感⁇がなんとなくするし…お祝いだけ贈るにしよう。

帰宅し、招待状の欠席の方に丸をつけ、返信を出した。


ところが、3日後結婚式に出席してほしいと手紙が来たのだ。

出席してほしいなら最初からそう言ってくれよ…と内心思いながらも、出席してほしいと言ってくれるくらい私に会いたいと思ってくれてるのかと嬉しくなった。

なかなかない機会だし、私は出席する意思を固めた。

出会いあるかもしれないなんて淡い期待を抱いたことを鷹宮にバレないようにしないと…めんどくさいことになるな。

「そうと決まれば!準備するか!」

1ヶ月後の式に向けて私は準備を始めた。

1ヶ月後の結婚式に出席すると決まったら、最初に抱いた不安はどこかへ飛んでいった。

(ドレスか着物か…美容院に行って髪きれいにしないと!

 やることたくさんあるな…)

「まーた、眉間に皺寄せて〜今度は何悩んでるんですか?」

デスクに座っている私の後ろから鷹宮が話しかける。

「結婚式出席することにしたからさ〜何着ようかとか少しでも綺麗にしないとな〜って考えてたの」

「えっ⁈結婚式出席するんですか⁈」

目を見開いて大きな声で鷹宮が驚いた。

「え?うん、そうだけど…」

「先輩最初嫌な予感するし行かないって言ってだじゃないですか」

「まあ、そうなんだけど…欠席の返信したらぜひ出席してほしいって手紙きたんだよね。そこまできてほしいなら断るのもなあ〜って」

「手紙にそれ以外書いてなかったですか?書いてなくても他に気になることなかったですか?ちゃんと差出人の住所あってましたか?そもそも差出人は中学生の頃の友達って言ってましたけど…」

「ちょっちょい待ち!そんな一気に聞かないでよ。どうしたの?」

「…なんて言ったらいいかわからないですけど…行かない方がいいです。」

「はあ?よくわからないけど…もういくって決めたし、返事も出したから…」

「でも…!」

「心配してくれてるのは嬉しいけど、子供じゃないし大丈夫!

じゃあ忙しいから行くね〜」

「え!ちょ!!先輩…やばいな…」

(鷹宮なんであんなに止めたんだろ…手紙…気になるところ…)

鷹宮に言われて思い出したが、確かに招待状、手紙に気になるところがあった。今流行りのオシャレなデザインではなく、まるでタイムスリップしてきたかのようなやや古いデザインだった。確かにレトロブームもあり、昔のデザインを好んで使う人もいるだろう。だが、送られてきたものは一風変わっていた。

昔のデザインというとそうかもしれないが、なぜか異様な印象を与えるものだった。また、直接連絡できるよう連絡先を交換しようと手紙に自分の連絡先を書いたが、今だに手紙のやり取り…気づかなかったのか⁇それともそれができない状態⁇

そういえば、どうして私の住所知ってたんだろ。


差出人は中学生の頃の友人で合ってる。名前は燕崎サラ。

美人で優しくて、優等生で…でもちょっと抜けてて。

(あんなこともあったな〜やんちゃしてたな…)

昔のことを思い出してふっと笑う。

(鷹宮があんな反応したのには驚いたけど…まあ大丈夫でしょ!合気道やってたし!)

鷹宮の反応は気になるが、結婚式に出席すること、サラに会えることの方が嬉しい気持ちが大きくなっていった。

日々準備に追われていると結婚式1週間前にまたサラから私の元に手紙が届いた。


サラからの手紙には衣装はこちらで用意してあるから準備しなくていいこと、時間などが書かれていた。

(…衣装を用意してある…⁇そんなことある?しかも式の会場どこかの神社とかホテルとかでもない…もしかして新郎さんの実家?)

衣装が用意してあること、住所を見る限りおそらく新郎側の実家が会場であること、これだけで普通の結婚式と違うことは一目瞭然だった。結婚式が楽しみだったのにまた嫌な予感がしてきた。だが、今更断ることなんてできない。

(とりあえず…書かれてる住所に時間通りに行こう…)

嫌な予感、不安を抱えたまま1週間を迎えた。


「うっわー…すっご…」

あっという間に1週間が経ち、結婚式当日。

長野県の山奥の、それはそれは山奥の会場に来ていた。

(ここまでくるのすっっごい大変だったけど…こんなえげつないお屋敷あるなんて思いもしなかった…)

あまりにも立派すぎるお屋敷を前に立ち尽くしていた。

(この辺りの地主?さんなのかな?)

「小虎みやび様でしょうか?」

「ひゃい!」

入り口で立ち尽くしていた私の背後から声をかけられて、驚きのあまり、情けない声をだす。(心臓が飛び出るかと思った…)

「失礼しました…はい、小虎みやびと申します。」

「お待ちしておりました。こちらへ」

使用人の女性は全く表情を変えずに私を中へ案内する。

(表情筋生きてるこの人?もしかしてお面つけてます?)

そんなことを考えながら、どんどん奥へ連れていかれる。

右へ左へ何回繰り返したかわからないが、ずいぶん奥まで歩き、ようやく私が着替えるために用意してくれたであろう一室の前についた。

「こちらの部屋でお待ちください。」

「あ、はい」

ずいぶん古いが内装が美しい部屋だった。

(綺麗すぎて落ち着かないな…ん?)

部屋の隅に紙切れが落ちているのに気がついた。

「なんだこれ。なんか書いてあるけど…読めないな…」

破れていて、尚且つかなり古そうだったため書いてある字は読めなかった。妙にこの紙切れが気になった。

(他にないかな…)

探そうと席を立とうとした時、襖が開いた。


「お待たせいたしました。衣装をお持ちしました。」

使用人の方が3人ほど、私が今日来る衣装を持ってきてくれた。

(このお屋敷といい、持ってるものからして着物か…)

「着付けを始めたいのですが、よろしいですか?」

「あ、はい」持っていた拾った紙切れをポケットにしまった。

だんだんと着付けられていくうちに違和感に気づいた。

(え?なんか全部白くない?白って花嫁さんだけだよね)

「お待たせいたしました。」

(お待たせいたしましたって…これ白無垢⁈)

「あ、あの、これ白無垢ですよね?新婦が着るものですよね?

私新婦から招待された者なのですが…」

「失礼いたします。」「え⁈ちょっと待って!!」

ピシャン!と襖を閉められてしまった。追いかけようと使用人の方がでた襖を開けようとするが、開かない。

(え?なんで開かないの?鍵ついてる?鍵ついてても蹴破れるよね、襖だもん)

悪いとは思ったが、開けられない方が問題だ。

蹴破ろうと足をあげ、思いっきり蹴った。

「いってぇ!!!え⁈なんで⁇」

何回蹴っても襖はびくともしない。

「はあ…はあ…まじふざけてる…」何回も蹴ったが足がいたくなり、息があがるだけだった。息を整えていると反対側の襖がスッとあいた。

「え?こっち⁇なんで勝手に開いた?」

まるでこちらにこいと言っているかのようだった。

行きたくはないが、ここでじっとしていても状況は変わらない。

「…いくかあ…」

私は一歩一歩ゆっくり進み、開いた襖に近づく。

横を見たが誰かいて、操作しているわけでもなかった。ゆっくりと着替えた部屋から襖が開いた方へでた。次の部屋に入ったところで、また襖が開いた。

「とりあえず奥に来いってことね。」

何回かこのやりとりをした後、今までの部屋と比べると比べ物にならない鮮やかで綺麗な部屋の前にたどり着いた。

再び襖がひらく。私は戸惑いながら慎重に中へ足を進める。


中へ入ると10畳ほどの部屋の真ん中にテーブルが置いてあり、

数品ほど料理が置いてあった。

(え?ここにきて食事?しかも着替えた後かよ!)

予想外の光景に唖然としたが、何が入っているかわからない料理に手を出すことはしなかった。それよりもただ出口を探すことを優先した。

「とりあえずここから出ないと」

四方を囲む襖の1つに手をかけた瞬間 スーッと私の後ろの襖が開いた。そこから袴を着た私と同じ歳くらいの男性が入ってきた。おそらく新郎だろう。顔立ちが良く、爽やかそうな、いかにも好青年と言った男性だった。

「ああ、先に来てたんですね。みつきさん。綺麗です。よく似合ってる。」

少し顔を赤らめて、私に向かって言ってきた。

(みつき?うちみやび…いや、この人が新郎なら新婦はサラなはず…)

「あの、私はみやびと申します。手違いでこの衣装を着ていますが…サラはどこでしょう?みつきという方は…?」


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