第2集 窓・雨・サーカス・他
021
『砂あそび』
砂あそびを
している。
…ずっと ずっと…
あの砂場で、あの浜べで、
出て行ったきり、
帰ってこない。
私の中から 出て行って
もう二度と帰らない。
あなたと二人で 遊んでいる。
砂遊びをしている
…ずっと ずっと…
022
『カーニバル 』
カーニバルの音が
聞こえる。
にぎやかな にぎやかな。
原色の様な
音色が聞こえる。
だけど それが どうかして?
私は振り返りもせず
カーニバルは
さってゆく。
…それっきり…
023
『窓』
1
窓の外は ぽかり雲
すずしい風 吹き込んで、
私をどこかへ つれてゆく。
青い 青い 空の上
私は 一羽の 鳥になる。
海へおりて 町へ飛んで
笑い出す。
2
窓の外は ぽかり雲
私は ため息ついている。
すずしい風 ふきこんで
やっぱり、私はここにいる。
けっきょく一歩もうごかない。
024
『窓2』
私の部屋に
窓一つ 。
小さな 小さな窓一つ、
たしか 初めはくらかった、
窓など一つも なくってね。
暗闇 ばかりで
なんにも 見えない。
だけど 今は 窓1つ、
四角い 空が
…―のぞいていた。
025
『窓3』
1
ずっと 外を見ている。
窓の外は、晴れた午後
ずっと 外を見ている。
外は大雨、キラキラ光る 。
2
窓の外は楽しくて、
それでも 私は 家にいる。
あの子がくるかもしれないし。
ずっと私はまっている。
外は大雨、キラキラ光る。
…やっぱりあの子は来ない…
それでも私は まっている。
026
『窓4』
窓のむこうは、
青い海
窓のむこうは、
青い空
窓のむこうは、
草原で
窓のむこうは、
古い町、
私は いくつも、窓を持つ。
いくつも違う 窓を持つ。
窓からいつか 飛び出して、
町に行こう、草原へ、
窓ばかりの部屋の中
私はそっとため息ついた。
027
『石ころ』
…石ころが転がっている。
ごろごろと、
ごろごろと、
…足がいたくてしかたない。
ごろごろ、ごろごろ、ごろごろ、
私は 歩いている。
どこまで つづくだろう。
私は ずっと 歩いている、
…どこまでつづくのか。
028
『がらくた』
がらくたの中にすんでいる。
―ずっと、ここは……、
ゴミだらけだ。
がらくたの中にすんでいる。
あさる ものなど いやしない。
宝物が うずもれてだって、
きっとだれも 気づかない。
がらくただ。
―ずっと、ここは……、
がらくただ。
029
『石ころ2』
石ころを拾う。
ただの石、
何の価値もない
ただの石、
ただの冷たい石ころは、
どこか私に よくにてる。
緑柱石も、紅玉も
金剛石も、
ただの石、
ただの冷たい石っころ
030
『砂岩』
砂岩の町が くずれてゆく。
砂岩の町が うもれてゆく。
くずれてゆく、うもれてゆく、
そして、消えてゆく。
砂でできた岩、
岩がくずれ砂、
くりかえし、くりかえし、
この世界で 回るのだ
031
『石ころ3』
周りはみんな
石ころだ、
つめたく かたい石 ころだ、
いやん なるほど 石ばかり、
いやん なるほど 岩ばかり、
石ころだ、
石ころだ、
石ころだ 、
私は今、岩の砂ばくに
いるらしい、……。
032
『雨』
雨だれの音が聞こえる。
ずっとずっと、
空は晴れているはずなのに、
雨だれの音が聞こえる。
道がくずれたって、
家がこわたって
雨は止まない。
からんからんに かわいても、
ずっとずっと、
雨だれの音がする。
033
『雨2』
ダバダバ降って、
ゴーゴー流れろ 、
楽しいことも、いやな事も、
みんな みんな おし流せ、
つらい事も、イライラも
みんなのみほし、おし流がせ、
ダバダバ
ゴーゴーおし流せ、
洪水だ!洪水だ!
みんな みんな おし流せ。
034
『雨3』
私は雨をまっている。
からんからんに ひからびて、
ずっと雨をまっている。
この乾いた世界で、
ずっと ずっと まっている。
空は紺碧。
雲ひとつない。
それでも、いつか降るだろう。
もう涙一つでない……。
035
『雨4』
ぽつりぽつりと
雨が降る。
ぽつりぽつりと
雨が降る。
晴れなくっていい。
たまには 雨がいい。
頭を 下れて、
雨を あび 。
晴れたらまた、しげるのさ
青々と…、青々と…
036
『雨5』
(雨上がりの世界)
ぬれた 洗濯物を、
日にさらせ、
ぬれた 地面が
かがやいて、
キラキラ、キラキラ、
輝いて、
うるんで 泣いて、また 晴れて、
キラキラキラ、
キラキラキラ、
日の光の中で 背のびする。
雨があがって
背伸びする。
037
『見せもの小屋の檻』
見せもの小屋の
せまいおり、
私はそこに 住んでいる。
住んでいるというよりは、
とじこめているらしい。
ニヤニヤ 笑う 人々が、
檻の私を ながめてる。
暗い 暗い 部屋の中
私はそこに住んでいる
038
『サーカス』
いいじゃないか、いいじゃないか、
サーカスだ、
サーカスだ、
サーカスがやってきた。
ピエロの 素顔を
知るものはいない。
サーカスだ、
サーカスだ、
檻の中の 動物が
何匹いるかわからない。
いいじゃないか、いいじゃないか。
楽しければ
いいじゃないか、
……サーカスだ、サーカスだ、
サーカスだ、
サーカスだ、……
039
『踊り子』
サーカスの踊り子、
幕が開けば おどりだす 。
私は、くるくる おどりだす。
スポットライトが 私をかえる。
サーカスの踊り子
くるくる、くるくる おどりだす。
幕が開けば おどりだす。
くるくる、くるくる、くるくる、……
枠が閉じて、それでおしまい。
もう、おどらない。
040
『空中ブランコ』
思いっきり、飛ばなきゃ
だめだよ。
おちたらおわり、おしまいさ。
真っ暗な、テントの中、
観客の笑い声
ブランコが きしんでる。
さあ、手を はなせ、
空中へ、 空中へ、
おちたらおわり、おしまいさ。
あとにはただ、
ブランコ




