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探偵しょうがないじゃない  作者: 三重野 創


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5/9

弱音の黙示録

「結局、プロミネンスウイルスとはなんだったのでしょうね」

 ニカルが糸のほつれたパーカーのポケットを縫い直している。水色だからドラえもんみたいだぞ。ま、器用な奴だ。


「俺の中では答えは出てるぜ」

 意外な反応だったのか、針をちくっとやらかした。なんと古典的な。


「え、え、ぜひ教えてください!」

 ニカルが両手を握り合わせて懇願した。


「666の獣だよ」

 ヨハネの黙示録に登場する、あまりにも有名なビーストだ。だが、その正体は長らくのあいだ謎とされてきた。


「獣ですか。てっきり悪魔的独裁者かなにかかと思っていました」

 各時代に、獣だったのではないかと言われる人物は、何名か挙げられている。


「ぴったりじゃないか。ここまで世界を大混乱に陥れた存在が、かつてあったか?」

 一筋縄ではいかないのが、こいつのせいで炙り出された悪の存在も、いたるところで噴出したという点だ。


「666は369とか567とも数字を変えられたりしますね。足して18なのは同じですし、正反対の概念の弥勒菩薩とも読めます」

 別世界での呼称、コロナとも読める。


「これだけじゃ気付かなかったんだが、『四十二か月の間、活動する権威が与えられた』って箇所があるだろ」

 リアル世界では2019年12月にコロナウイルスの第1例目が確認されて、我が国で5類に移行されたのが2023年の5月である。数えてみてくれ。ちょうど42ヶ月になるはずだ。ニカルは愕然としている。


「わたしは宗教にほどよい距離をとっていたいという立場なのですが、神秘的なものを科学的に論じることはできると思っています。否定するための論理では無く、信じるために、です」

 神を信じるだけで非科学的の烙印を押されがちだが、過去の天才科学者たちの信心深さを見れば、現代のほうが異常だとすぐわかる。ニュートンのことはどう説明するんだ?




 〈ここに、聖なる者たちの忍耐と信仰が必要である〉


  不義をなす者はいよいよ不義をなし

  不浄なる者はいよいよ不浄をなし

  義なる者はいよいよ義をおこなひ

  清き者はいよいよ清くすべし


  よ、われ報をもて速かに至らん

  各人の行爲に隨ひて之を與ふべし












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