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探偵しょうがないじゃない  作者: 三重野 創


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遺題継承

「どうしても解けない・・・」

 あのニカルがモニターの前でうんうん唸っている。


「お前でも解けない遺題があるのか」

 画面を覗くと、頭がくらくらしそうな記号が並んでいた。


「あ、神籬ひもろぎさん。遺題といってもまだ存命の方なんですよね。さっさと解いてわたしも問題を出したいところなのですが」

 俺みたいな直感型とは、頭の構造が違う。


「これは純粋な数学の問題じゃ無いな」

 即、社会に役立てようとする意志がうかがえる。


「これはモーニントンさんって方の出題なのですが、いくつかある問題の内、解答を明示している人もいて・・・。なんといいますか、わたしとは発想が違うのです」

 解ける問題だけやる人間と、不可能だと言われても挑戦する人間と、どちらが魅力的だろうか。


「なんてやつだ?」

「ええと、ハマグリQ太郎っていうちょっとふざけた名前の人です」

 ああ・・・、あいつか。


「とっつきやすい話もありますよ。SNSでの心理戦がテーマです。現実社会でのリアルの実像と、ネット世界で繰り広げられる印象とが見事に違うわけですが、わたしたちが取るべき最善の行動とはなにか? という雑談レベルのものまであります」


「チャットGPTにAI動画加工。我々はすでに人でないものと対話している。偽情報に踊らされている可能性もあるわけだよな」


「はい。ごくまっとうな意見を言ったり明らかにおかしな事柄に対して疑問を呈したりすると、わらわらと批判コメントが集まってきます。実際足を運ばずとも世論誘導できるので、お手軽ですよね」


「よくあるのが、『いつの時代だ』とか、『いまどきそんな古くさい』って嘲笑だな」

 昔からある制度は、長年の叡智が詰まっている。いろんなことを試したが結局これがベストだよね、というシステムが生き残り、社会を安定させる。なんでもありにして、社会が混乱しても、その推進者は責任を取らない。


「オンとオフを使い分けると言いますが、今は常にオンの状態ですよね。オフのあいだにその人独自のプライベートな体験が必要なんだと思います。わたしはアップルもAndroidも使いません。人の行動をトレースされるなんて吐き気がします」

 kanon_OSの作成者だけのことはある。


「AI自体は優れたシロモノですが、悪意を持った人間が使うと途端に凶器に変わります」

「対抗策か・・・」


「人間の気まぐれに従うことですね」











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