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探偵しょうがないじゃない  作者: 三重野 創


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3/9

不私擬憲法

「探偵もののドラマが増えましたね、神籬ひもろぎさん」

 若者のテレビ離れが叫ばれているが、ニカルはTVっ子だ。


「スパイものもな」

 スパイがユアナンバーカードのCMをするとは、どういうブラックジョークだろう。


 内宮で参拝を終えると、人もまばらな茶屋へ向かった。

「あ~ら、準ちゃん。久しぶりじゃないの~」

「ああ。たまには地元に帰らないとな」

 女将はニカルの顔を見るとすぐ察したのか、挨拶もそこそこに奥へ消えた。


「おかげ参りは、食べることも目的のひとつですね」

 茶屋だけでなく、飯屋も絶品だ。


「俺は普通にお参り目的だぞ」

 震災、プロミネンス以降の世の乱れっぷりには、何かあるに違いない。


「論じるテーマが多すぎますね」

 ニカルはいちご大福パフェを頬張った。


「法をいじくりまわしてやりたい放題になっているが、そもそも日本の国益からして違憲なものもある」

 俺のはバナナ大福きなこ掛けだ。


「日本の憲法は変えようと思っても変えられないですよね。条件といいますか、ハードルが高すぎます」

 建国しなおすしかないのだろうか。


「憲法変遷という解釈がありますが、第7条の一項を見ると、天子様が憲法を改正出来ると読み取れないこともないですね」

 強引と言えば強引だが、衆議院の解散も第7条を根拠に行われる。


「憲法24条も無視しようとしてるからな」

 そのくせ9条は守れと言う。


「神籬さんの主張は分かりましたが、それを口にして総攻撃に遭うのは19条に反していますね」

 こうしてみると、変えなければいけない憲法など無さそうに見えるのだが・・・。


「俺の好きな古典的SFがあるんだが、見事に現代をなぞっているんだよな」

 憲法もそうだが、この世のシナリオを書いた人物がいるとしか思えない。


「それでしたら、わたしの好きなアニメでもハッピーエンドな物語がありますよ。佳境に至るまで、シビアな状況が続くのは似ているのですが」

 シニカルな笑みだが、部下ながら頼もしいやつだ。




 目の光は心をよろこばせ

 好音信よきおとづれは骨をうるほす
















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