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探偵しょうがないじゃない  作者: 三重野 創


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ウラハラ、パワハラ

「パワハラよりも逆パワハラが問題だとわたしは考えます」

 ニカルは雇われ社員で終わるタマではない。


「パワハラなんかしようものなら、今時の若いのはうるさい。しかし、あれじゃ仕事にならんだろうな」

 これだけ上意下達じょういかたつの狂った世の中が、かつてあっただろうか。


「あんな上司の下でやってられないって人間は、独立すればいいんですよ」

 そこで初めて、上司の苦労が分かる。


「ブラックな要求は問題ですが、言われたことをやらない・挨拶が悪い・身だしなみが出来ていない社員に対して、会社が指導するのは当たり前のことです。これらは、社会人として最低限のルールです」

 ニカルも人を使う立場だったのかな。


「就業規則をちゃんと作成しておかないと、そういう無用なトラブルが増える。労使間がおたがい守ることで、安心して働けるようになる」

 ルールは不自由にするためにあるのではない。争いごとを減らし、円滑に物事を進めるために、存在する。


「服務規程も定めておいたほうがいいですね。上から目線だなんて子供の理屈を封じ込めるためにも、必須です」

 仕事をストップさせるワガママをのさばらして、会社をかき乱されたらたまらない。この誓約書にサインできないなら、入社しなければいいだけの話だ。


「罰則を盛り込んでおけばいい。非違行為に対する減給についてもな」

 もちろん、労働基準法第91条の範囲内で。


 口から先に生まれたようなのもいるが、提言はともかく、会社に対する誹謗中傷を許してはならない。


 業務上知り得た秘密を漏洩する事件が後を絶たない。本来なら役所で受け取るような重要書類を、コンビニ店員が扱って良いのだろうか。会社の顧客情報を持ち出したり、機密文書をバラすような輩は、厳罰に処されなければならない。


「その辺の方針があいまいだったので、横柄な言動をする者が増えたのだと思いますよ」

 罰がなければやりたい放題になる人間は、この数年で嫌というほど見ただろう。


「こういうところを踏まえて、やっと個々の能力を大いに発揮できる」

 豊かな才能も、無法がまかりとおると速攻でつぶされる。
















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