新たな仲間
「いえ、俺のほうこそ信じてもらえて嬉しい限りです。ただ、先ほどからエゼルベルクの姿を見ないのですが、あいつは一緒じゃないのですか?」
「父さんは、村が帝国の手先に襲撃されたとき、卑怯な手を使ってきた奴らに無残に殺された」
「そんな!? 《無敗の闘神》の異名を持つあの男が死ぬなんて……」
オルデンヴァルトは悲哀に満ちた顔で大切な仲間の死を悼んだ。
「王子、これも何かの巡りあわせに相違ありません! どうかこの俺をあなた様の仲間の端に加えてもらえないでしょうか? お願いします!」
「オルデンヴァルト、お前――!?」
深々と頭を下げて懇願する態度に、ナファネスクは考え込んだ。
残念ながら、祖国再興の夢は叶えられそうにない。ただ、知識豊かな大人が加われば、これから先の旅が断然楽になるのは間違いない。しかも、アルメスト王国の元騎士なら、ここら辺一帯の地理にも詳しいはずだ。もう地図を探す必要はなくなる。
(残る問題は、この男の獣霊使いとしての腕が錆びついてないかどうかだな)
ひとまずナファネスクは自分たちの旅の目的について大まかに話した。残念ながら、祖国再興の夢は叶えられそうにない。ただ、知識豊かな大人が加われば、これから先の旅が断然楽になるのは間違いない。しかも、アルメスト王国の元騎士なら、ここら辺一帯の地理にも詳しいはずだ。もう地図を探す必要はなくなる。
(残る問題は、この男の獣霊使いとしての腕が錆びついてないかどうかだな)
ひとまずナファネスクは自分たちの旅の目的について大まかに話した。
「なるほど。王子たちの旅の目的は理解しました。俺の悲願であった祖国再興が実現できないのは少しばかり心残りですが、この大陸の平和を守るために尽力致しましょう!」
オルデンヴァルトは色々な意味で現実を受け入れたようだ。当たり前だが、一緒に旅をするカサレラの意見も聞いておく必要があった。
「カサレラ、お前はどう思うよ?」
「あたしは別に構わないけど――」
仲間が増えることに嫌な顔はしてなかった。
「ただ一緒に旅をするなら、そのむさ苦しい恰好はどうにかしてもらいたいものね」
「その点については、俺も同意見だ」
「同行させてもらえるなら、今すぐに身だしなみと旅支度を整えてきます! 二人はこの街の北門を出たところで少し待っていてください!」
話し終わったオルデンヴァルトは颯爽と身を翻すと、足早にその場から去っていった。
「これで良かったよな?」
カサレラに念を押しておく。
「冥邪王がこの街を攻撃する前に、あの人が戻ってくればね」
「もちろんだ! 俺らはあいつに言われたとおり、北門の外で待っていようぜ!」
二人と一匹は再び歩み出した。この街を静観する冥邪王との戦いに意識を集中させながら。




