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ラッシュレックレス  作者: 檜鶯盈月
第2章 運命の導き
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大陸創生の伝承

 渾沌(こんとん)と自由の大陸エルズラーニア。この広大な大陸にはあらゆる生物とともに人間と獣人が存在し、共存して暮らしていた。だが、いつしか奇怪千万の怪物の姿をした冥邪(めいじゃ)が大陸の至る所で目撃されるようになった。


 遥か太古の昔、地上界以外に天聖界(パルパデーオ)という神聖な世界とそれに敵対する獄淵界(ボラドゥーラ)という邪悪な世界が天空に存在していた。


 太陽神ロムサハルの率いる光の軍勢と冥邪天帝または暗黒神ヴェラルドゥンガの率いる闇の軍勢の間で熾烈な激戦が繰り広げられた。


 幾千年もの長きに渡る大戦で、闇の軍勢は敗北を喫した。


 瀕死の重傷を負ったヴェラルドゥンガは獄淵界に逃げ帰ると、別次元に消え去った。見事に勝利した太陽神ロムサハルの統べる天聖界も、地上に人間と獣人を創り出すと、別次元に姿を消したと言う。


 ただ、これは太陽神を唯一絶対神と崇めるテムロア教の司祭が語り継ぐ伝承であり、真実かどうかは定かではない。


☆☆☆


 ナファネスクと焔豹(ケマール)のハクニャを背に乗せた一角獣(ウニコルニオ)――ホーテンショーは、森の木々を伐採して作られた土の露出した道を北に向かっていた。


 風を突き抜けるような猛烈な速度で疾駆する。ただ、その道も残り僅かとなり、行く先には開けた平原が見えてきた。


 住み慣れた農村を旅立ってから四半時が経過しようとしていた。普通の馬なら、この数倍の時間は費やしただろう。ところが、平原に出ても、街らしきものは見つからなかった。


(本当に街なんてあるのかよ?)

 平原に足を踏み入れてすぐのところで、ホーテンショーに止まるように手綱を引っ張った。


 唯一の希望としてはもう少し行った先の左手に大きな川を見つけたことだ。もし街があるとすれば、あの川に沿った場所だろうと見当をつけた。


「よし、後もう少しだ! さぁ、駆けろ!」

 ホーテンショーは馬で言うなら巨馬の部類に入る。これしきで疲れを見せるほど(やわ)ではないことぐらい分かり切っていた。


 さらに川沿いに沿って駆けていくこと十五分。すると、ようやく大きな川の近くまでやって来た。それと同時に、推測どおり、視界の先に街らしき建造物を捉えた。


「爺さんの言っていた街っていうのは多分あそこのことだな。このまま行けば、日暮れ前までには到着できそうだ」

 いつの間にかユリゴーネルのことを爺さん呼ばわりしている自分がいた。


 ほどなくして、ずっと変わらない速度で駆けていた一角獣が急に足を止めた。全く動こうとしない。


「どうしたんだ、ホーテンショー? これくらいでくたばる玉じゃねぇだろ?」

 小休憩かと思ったナファネスクは(いぶか)しんだ。だが、先ほどまでと違って、どこか少し様子がおかしいのに気付いた。何故かじっと右前方に顔を向けていた。

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