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第004話 決意


 私は神様の話に、自分がこれからどうなるのか想像出来てしまい、言葉を失う……。


 ぐぬぬぬぬ、言葉が出ない……でも、なんとか絞り出さねば、このままじゃ無理ゲーをやらされそうだ……。


「……何で私ですか?」


 とりあえず、一番答えが簡単そうな疑問をぶつけてみた。


『……』


 おいおいおい、なぜ答えんっ! あんた様が選んだんやろがぁっ! コラぁ。


 最初の質問から無言の神様に、私の心の中での突っ込みが開始される。


『ああ、理解しました。あかりが選ばれた理由ですか』


 そうそうそう、じゃないと私はここに居ませんよっ! ……しっかりして下さいよ、神様。


 その声は機械音声なのに、不思議と私には、神様が戸惑っているように感じた。


『……ありません』


 ガビーン……えっ? マジっ! 先程のあんた様の最後のセリフ、あかりこそが真に選ばれし者感が満載だったじゃん! あれは何だったの……。


 まさかの答えに私は困惑するしかない……。


『誰が召還されるかは完全にランダムです。正直に言えば誰でもよかったんです』


 はいぃぃ! ライン超えアウトぉぉぉ! …………神様……今の発言は、さすがにまずいです……。


 神様のど直球な発言に私は心配になってしまう。


『言い方が悪かったですね。それに、突然の強制的召還で勘違いさせてしまったかもしれません』


 ……どーゆーのーみー? ……勘違い? 私が何か勘違いしてるって言ってるんだよね……。


 いくら考えても、心当たりが思い付かない私は、諦めて素直に神様の話の続きを聞くことにした……。


『私は始めに言いましたよ。お願いすると。召還方法は乱暴でしたが、この場に召還されてからは、私の方がお願いする立場です。私のお願いを受けるか断るかは召還された方の判断に委ねられます』


 なるほどねぇ、どおりで神様なのに随分と腰が低いなぁとは感じていたんだよ……って事は?


「つまりつまり?」


『有無を言わせずに私の管理する世界に送ったりしません』


 これだっ! 私の勘違いしてる部分は絶対ここでしょ! って事は、もしかして?


「じゃあ断ったラララー?」


『はい。元の場所に送還します。そして改めて別の方を召還するだけです。だからランダムなのです』


 いえぃいえぃいえぃ! 帰れるんだぁぁ! やったー! お土産は何にし……よ……う……か……なっ! ……なあーんちゃって。


 私は、元の世界に戻れるとわかり受かれていた……そして、ランダムなのにも少しだけ納得出来た……さらに、ランダムなのに選んだ理由を聞かれて戸惑っていたのかと理解した。


『ですが……あかりは別です。事情が変わりました』


「上げて落とすのかぁぁぁいっ!」


 私は天国から地獄へ急降下した気分を味わった事に、さすが神の御業と上手い事を思いついたが、そんな馬鹿な事を考えてる場合じゃないと、事情とやらを聞くことにする。


『……あかり。召還される時、少年が一緒に居ませんでしたか?』


 えっ? 


「……ア、アキですか」


『そうです。彼はすでに私の管理する世界に行ってます。しかも、着いてから半年経過しています。謝罪はその件に関してです』


「……そ、そんなぁぁ」


 私が召還されたあの時、アキは私に駆け寄って来てた。


 そして召還陣に触れていたらしい。


 だけどアキは召還対象じゃなかった。


 だからシステムエラーで、この場所を経由せずに行ってしまったし、時間もズレたらしい。


「……わ、私のせいだ。私に……巻き込ま……れて……」


『それは違います。こちらの落ち度です。あかりは何も悪くありません。だから泣かないで下さい。それに少年は無事ですよ。とっさの事でしたが、簡単には死なない程度には能力を与えられました』


「あ……あ……ありが……どぉぉ」


『……あかり。私の管理する世界に行きませんか? すでに行ってしまった少年には、私は何も助力出来ません。ですが、この場に居るあかりには出来ます。謝罪の意も込めて出来るだけの助力をします。どうですか?』


「いぎまずぅぅ」


『わかりました。では、準備してきます。戻るまでに泣きやんで下さいね』


「ばぁい」


 私は神様の管理する世界に行くことに、迷いは一切無かった……有るのは、決意のみっ! ……必ず、必ず助けるからね……待っててね、アキ。


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