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第018話 対応


 食堂ではアキが説明してる最中だった。


 ここの料理の提供方法はバイキング形式で、その並べられた料理の多さに隣に居るミオンも含め、皆、唖然としている。


 ……皆……アキの説明聞いてるのかな……まぁ、バイキングなら大丈夫か……。


 アキの説明が終わると、ちゃんと聞いてたようで、それぞれ動き出すのに併せて私とミオンはアキに近付く。


「アキ、お腹空いたぁ……。アキもでしょ? ……その手だと大変だから、私とミオンちゃんで料理を取ってくるよ。アキは席に座って待ってて」


「あ、ああ……悪いな。……この手にも早く慣れていかないとな……。じゃ、席で待ってるから……ミオンも頼んだ!」


 ミオンと連れ立って料理を取りに、その際ミオンにアドバイスをし、ミオンの様子を見ながら、自分の分とアキの好みの料理をバランス良く取り分けていく。


 そうして、料理の盛り付けられたトレイを持ってアキの待つ席に戻る。


 戻る途中、既に食べている人も多く、あちこちから感嘆してるだろう声が聞こえ、言葉が分からずとも食欲をそそられ、席に着くとアキにトレイを渡し私達も直ぐに食べ始めた。




 ミオンは私のアドバイスどおり、色々な料理を少量ずつ取り分けたようで、それを美味しそうに食べている。


「ミオンちゃん、美味しい? おかわり出来るから、次は食べてみて美味しかったのを選ぶといいよ」


「そうだな。ミオン、遠慮しないでいっぱい食べろよ」


「うん」


 ミオンの食べてる様子を微笑ましく見つつ、私はアキに今日最後の相談をする。


「アキ……食べながら聞いて。……何だかんだ色々頼んじゃったけど、今日はこれで最後だと思う……。今、見回しても、複数人の集まりで食事してるでしょ? 食事が済んだら、一緒でいいのか確認して、部屋を割り振って欲しいの」


「ああ、わかった。……それと、あかり。……あかりのしてる事は皆の為だろ? その事で俺に頼むのに遠慮なんかするな。これからも何でも言ってくれ」


「お姉ちゃん、私も手伝うよ」


「ありがとう、二人とも。それじゃお言葉に甘えて、明日もいっぱい手伝って貰うからね。その為にもご飯をしっかり食べないとだよ、ミオンちゃん!」


 私は二人の優しさを感じ、照れ隠しをしながらご飯を食べ進めた。




 食事が済み、皆が各々食休みをしている中、アキが呼び掛ける。


 アキの呼び掛けで、同部屋で良しとする集まりの代表と個人でを望む者を集めると、引き連れて部屋を割り当てに行く。


 ……こんな時は、誰かと寄り添い合いたいだろうし……逆に一人になりたいと思う人も……。部屋数は余裕で足りそうで良かった……。


 最初の部屋に着いた際、内装を確認してもらい、再度、設備の使い方を教える。


 取りあえず今日は、寝る為の部屋として、人数に対応した部屋を順次決めていった。


 部屋を決めると、一人部屋の人にはそのまま部屋に、同部屋の人は食堂に迎えに行って貰う。


 一応、各部屋と食堂への行き来は自由にしておいた。


 他の場所は改めて説明すると伝え、早めに寝て体を休めて欲しいと言い残し、私達も自分の部屋へと向かった。




 私の部屋はアキとミオンも一緒だ。


 ミオンがアキと一緒を希望してたのと、私もアキの腕の事を考え三人一緒になった。


 ……アキは表に出して無いけど不便に感じてるだろうし……姉としてミオンちゃん一人にフォローさせられない……。


 アキは私が一緒な事に難色を示してたけど、理由を告げると渋々納得してくれた。




 寝る段になると、ミオンはいつもレオンとシオンと一緒に寝てたから一人は嫌と可愛いことを言ってきたので、私が一緒に寝ることに。


 私は寝る前にメトルに声を掛けておく。


〈メトル、あまり構ってあげられなくてごめんね〉


〈うーん、気にしないでー。あかりちゃんの事は、メトルも把握してるからわかってるよー〉


〈ありがとう、メトル。状況が落ち着くまで、こんな感じかも……。今日も、もう寝るから、ゆっくり話せないけど……ごめんね。……おやすみ、メトル〉


〈いいよー。おやすみ、あかりちゃん〉




 メトルに挨拶を済ませ、ミオンと二人、一緒にベッドに横になる。


 アキが電気を消し部屋が暗くなると私は眠る為に目を閉じた。


 すると、暫くしてミオンが嗚咽を漏らしてるのに気づく。


 ……そうだよね……色々な事があったのに……私と会ってからは気丈に振る舞ってたのかな……だけど眠る前に思い出しちゃったんだろうな……。


 私はミオンを抱擁し、眠りにつくまで優しく背中を撫で続け、ミオンが寝たのを確認した私は、直ぐに眠りについた。




 夜中に呻き声によって私は目が覚め、見ると、アキが悪夢に魘されてるように呻いていた。


 揺すってアキを起こすと、アキは息も絶え絶えだった。


 心配しつつ様子を伺っていると、落ち着いたアキが「もう大丈夫だ」と言い、私に眠るよう促してきた。


 私は、これはアキの心の問題で私には何も出来ないと悔しく思いながら素直に従った。




 翌朝、私が目を覚ますとアキは既に起きており、何事も無かったかの表情で挨拶をしてくる。


 ……アキは昔から人に弱いところを見せなかった……ミオンちゃんもまだまだ心配だし……私が二人を見守らないと……。


「アキ、おはよー。今日もやる事沢山だから……昨日言った事忘れてないよね? 頼りにしてるよ!」


 私はアキに合わせて通常通りの対応をしておく。


「ああ、わかってる。何でも言ってくれ。……おっ、ミオンも起きたな……よく眠れたか? ミオン」


「……うん。……おはよう、お兄ちゃん、お姉ちゃん」


「おはよう、ミオンちゃん。それじゃ、顔を洗ったらご飯食べに行こうね。……あっ、アキ、今日やる事は食べながら言うね」


 挨拶を済ませ、身だしなみを整えるとアキとミオンと三人で食堂に向かう。




 食堂には、私が予想してたより多くの人が揃っていた。


 ……昨日まで、ずっと緊張状態で、やっと安心して眠れたはずなのに……だから、てっきり寝過ごすと思ってたけど……この世界の人は強いんだな……。


 私が心の中で感心してると、一人の老人が近付いてくる。


 アキに話し掛けると、私に向き直り頭を下げて何やら喋ってる。


 私が困惑していると、アキが教えてくれた。


 この老人は、森の中の村の村長で、感謝し、お礼を言っていると。


 保護の事だけでなく、遺体を保管している件も含めた、村長の感謝の言葉をアキに通訳されながら聞く。


 聞き終えた私は、感謝は受け取った事、こちらもアキの件を感謝している事、良ければこの後の朝食を一緒にどうか? とアキに伝えて貰う。


 村長は、恐縮しつつ了承した。




 私達は、食堂を見渡せる場所に移動すると、予め決めておいたことをアキが話し出す。


 取り敢えず、挨拶して、体の調子を確認、これから朝食を取ろうと。


 それを聞いて、何人かが席を立ち、恐らく、この場に居ない人を呼びに行こうとしたのを止め、ご飯はいつでも食べられるから、まだ休ませてあげて欲しいと、落ち着かせてるアキの言葉をミオンが教えてくれた。


 そして、落ち着くと、アキの合図で各々料理を取りに動き出した。




 朝食のメニューは、私達の世界での朝の定番のものだった。


 私とアキには慣れたものだが、この世界の人には初めて見るものも多く、アキは、質問されて急がしそうに答えていた。


 ……昨日の料理は、調理済みの、ただ食べるだけの料理ばかりだったけど……食べる前に一手間要るものは、どう食べるか想像つかないだろうなぁ……。


 私は、アキと村の人達との気安いやり取りにホッコリしつつ、ミオンに説明しながら料理を取り分けていった。




 料理を取り終え席に着くと、ようやく質問責めを逃れたアキが村長と一緒にやって来る。


 村長はトレイを持っているが、アキは手ぶらだ。


 勿論、アキの分は、私とミオンで用意してある。


 アキが料理の置いてある席に着くと、その隣に村長が、全員揃ったので、食べ始める。




 食べながら私は、アキに今日の予定を話し、村長にも伝えて貰う。


 私の考えた今日の予定は、朝食が済んだらお昼まで自由にして貰う。


 自由と言っても移動出来るのは部屋と食堂だけだけど……。


 お昼には、全員に集まって貰って、昼食を済ませた後、教会に案内することを告げ、行くかどうかの確認をする。


 弔いたい人も居れば、まだお別れをする心の準備が出来てない人も、認めたくない人も居るだろうと配慮して、希望する人だけ連れていく事に。


 教会に向かう道中の施設の説明もして、皆の行動範囲が広がるようにもするけど、この事に関しては、村長に向けてお願いをした。


 先程アキが質問責めされてたように、都度、聞かれるのは大変なので、村人同士での情報共有を、そして、説明などは私達しか出来ないから仕方ないけど、指示するような事は、村長に前に出て貰いたいと。


 伝わったのか、村長はしっかりと頷いてくれた。




 朝食が済むと、早速とばかりに村長がアキの代わりに皆に呼び掛け、予定を伝えてくれた。


 やっぱ、私達が直接アレコレ言うより、村長を通して周知する方がいいよね。


 村長による通知が終わると、食堂に残る者、部屋に戻る者と、それぞれ動き出すのを見て、私も、とアキに声を掛ける。


「アキ、私は部屋に戻るけど、アキはミオンちゃんと自由にしてね」


「ああ。……あかりは何をするんだ?」


「えっと、部屋でアキに与えられる能力の事、メトルに確認しとこうと思って。私もよく分かってないからさ」


「……それ、俺も一緒にいいか? あかりの手間になるけど、分かった事から教えてくれ」


 「うーん、別にいいけど。後で纏まってからの方がいいんじゃない?」


「いや、あかりが面倒じゃなければ、このまま頼む。……ミオンはどうする? 他の人の所に行ってくるか?」


「……私もお兄ちゃんとお姉ちゃんと一緒にいる」


「わかった。じゃ、俺は、村長に一言伝えてから部屋に向かうな」


 そう言ってアキは村長の元へ、私もミオンと一緒に部屋へ向かった。


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