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チーム最後の赤城山ヒルクライム試走


 夜明けが遅くなってきたので、平日早朝トレーニングで赤城の上まで行くのはキツくなってきた。まあ、夜明け前でも暗いなかをライトをつけて走ればいいだけだけど、どうも暗い夜道を走るのは好きでは無い、実際に俺もかなり早い時間に走る事が多いけど、俺が登って時に下ってくる人がいるので、暗いなか赤城を登る人もいる。しかも、よくすれ違うので日常的に登っているのかも知れない、もしかして、毎日登って、その後、仕事とかだったりして、そうゆう人は朝の赤城は歯磨きと同じくらいの週間となっているのかな?

 俺はアニメも見たいし、毎日は無理だけど、そのくらいにならないと大会で上位入賞とか出来ないのだろうか?

 という事で平日は上まで上がるのは今週で終わりにすることにした。

 水曜日のミーティングではチームとしては最後のトレーニングに付いて話しをした。最後のなのでゆっくりお全員一緒にまとまって登る事になった。曜日は日曜日で、土曜日は個人的に登る事にした。

 そして土曜日、いつもと同じように夜明け少し前の明るくなって来た時間に家をでた。桃の木川サイクリングロードを走り赤城山ヒルクライムの計測スタート地点に着いたのは日の出を少し過ぎた時期だった。今日はタイムアタックする予定なので始めから飛ばして、心拍数が175ぐらいまで上がったら上げるのをやめて一定パワーで登る事にした。九月になってから、だいぶ朝は涼しくなって走りやすい、頑張って登ったけどやっぱり畜産試験場までは信号が多くて、15分を切るのがやっとだった。パワーは抑えられて余裕が感じられた。

 畜産試験場を過ぎて、パワーを少しあげてFTPパワーぐらいで登る。涼しいせいかまだ余裕がある気がする。心拍数も175ぐらいで安定している。ひょっとして今日は調子いいのかも知れない、

 料金所跡は25分を切った。畜産試験場から10分を切った事は少ない、しかし、これから坂が急になるし、ほぼ直線で変化が少なくて心が折れそうになる区間だ。

 早朝だけど大会が近くなってきたので俺と同じように自転車で登っている人も増えてきた。今日はまだ抜かれてない、ペースを保つためサイコンを確認しつつ登っていると

「おはようっす。頑張れよ」

と声をかけて抜いていく人がいた。俺も

「おはようございます」

と返した。その人バイクは最新型でハンドルは一体型てつるんとしてケーブルは見当たらない、ケーブルは完全に内装式だ。たぶん150万円ぐらいのやつだ。そして、ウエアもかっこいいし、スリムで速そうだ。

 抜かれてから、何となく付いて行けそうな気がして、どこまでついて行けるか試したくなった。後ろにくっついて走るのは悪気がしたので、10Mぐらい離れて後ろを追った。

 速そうだけどなんとかついて行ける。ひょっとして、この人はもっと速いけど流しているだけなのかも知れない、たまに抜いた人の貼り付かれて煽られたり、抜き替えされて、ちぎられることもあるので、誰もが全力で走っているわけではない、この時間はいないだろうけど2本目と言う人もいるようだ。

 FTPを少し超えてたペースで心拍数も180近くまで上がってきた。ギリギリ付いて行ける。カーブ1で前の人が振り向いて、こちらを確認した。離されたら心が折れそうなので必死に追う。カーブで水を飲み気合いを入れる。

 ヒルクライムは色々な事の積み重ねだ。どこかで楽をするとせっかくそこまで頑張ってきたタイムが台無しになってしまう。もちろん頑張りすぎてはやっぱり持たない、登っている時だけではなく、日々のトレーニングで疲労が溜まりすぎるとパワーダウンしてしまう。逆にトレーニングをサボってもパワーダウンする。大体、二日までなら大丈夫だ。俺はアニメも見たいし、週に一日か二日は休憩日をいれている。また、全力全開で登ると翌日は疲労が残るのか良いタイムが出ないのでタイムアタックは週二回ぐらいにして、後はFTPの90%ぐらいで登るったり、唯とゆっくり登ったりしている。それと体調管理も大事だ。風邪を引いたりすること、元に戻るのが大変だし、せっかく積み上げた物が台無しになってしまう。

 さて、前を走る速そうな人は俺が追走している事に気がついているよだけど、自分のペースで淡々と走っている。俺は若干、オーバーペースだけど気合いが途切れないように集中してペダルを踏んだ。

 二つ目のS字カーブを過ぎて、箕嶺の平坦区間が近くなって来た。そこで一息つきたいと思っていたけど、前の人が平坦が始まる直前でダンシングで加速した。「くそ!」と思ったけど、それに反応して加速した。

 なんとかちぎられることなく、姫百合駐車場にたどり着くと、前の人はペースを落として水を飲んだ。ペースが落ちたので接近してしまった。俺も水を飲み九十九折りの区間に備えてた。

 駐車をすぎた坂で前の人が振り向いて、手信号で「前に出て」と合図を出した。俺は付いていくのでも苦しいけど、指示どうり前にでた。抜きながら様子を見て、この人も結構きつそうに登っている事に気がついた。

 前に出ると後ろから、

「良いペースだね、地元?」

「はい」

「自分は久しぶりで、ペースが分からなくて…前半、オーバーペースだった」

「ぼくは今もオーバーペースです」

「ハハ、どう、協調して登らないか?」

「いいですが、僕、遅いですよ」

「そんな事はないよ」

 会話して、ペースが落ちたけど心拍数が安定してちょうどいいペースになった。その後は会話は余りしないで時々、前後を入れ替わって登った。

 入れ替わりながら協調して走るのはきついけど楽しい、俺が前でもたつき始めると容赦なく抜いていく、だからといって、俺が足を緩めても離れない、ずっと後ろだと悪いので少し回復したところで前にでるその繰り返しでしばらく一緒だったけど、残り2キロ一杯清水のところで、

「後少しだから、全力全開で行こう!楽しかったよ!」

 そう言うとペースをじわじわあげてきた。俺はすでに限界なので付いて行けなかった。残り1キロでは完全に離されてしまった。それでも力を振り絞ってゴールの観光案内所の駐車場にたどり着いた。タイムはベストタイムだった。

 一緒に登っていた人は体育座りをした少女の銅像前の自転車用ラックに自転車を置いていた。俺もその脇で降りて

「お疲れ様でした。最後、速かったですね、付いて行けませんでした」

「いや、君もなかなかだったよ」

「ぼくは70分が切れませでしたが、もしかして、70分切れました?」

「いや、自分は畜産試験場からだから」

「ああ、そうですか、でも速かったですね」

 少し話しをして、一緒に登った人は大沼方面に向かい俺は下山した。

 やっぱり自分より少し速い人と走ると刺激になる。それと70分を切るのも夢じゃないかも知れない気がしてきた。


 そして、翌日の日曜日、チームとしては最後の試走となる。最後なのでばらけないて一緒に走ると言う事なのでサイクリングレベルの強度となるだろう。

 学校の駐車場に全員集合して、先生が今日のトレーニングについての説明した。内容は「わたしを抜かない事」それだけだった。

 先生が先頭で、唯、ゆかり、凛、結城、最後が俺でスタートした。

 先生はゆっくりとしたペースで走って、時々、後ろの様子を見ながらペースを上げて行った。ゆっくりペースだったけど畜産試験場の交差点は20分を切ったのでノロノロでもない、先生も我慢しているだろううなと思っていたけど、先生は振り向いて「ちょっとだけ、遊ぼう!」と言って加速を始めた。「やっぱり先生だ」我慢の限界だったのだろう。

 俺と結城は反応して、女の子たちを抜いた。ゆかりたちは「頑張ってね!」とか言ってペースは上げ無かった。先生はかなりパワーを上げていたので少し出遅れて離れてしまった。そして、息が切れようとしたところで、ペースダウンした。振り向くと女の子達は遥か後方だけどまだ姿は確認できた。

 先生はスローペースで女の子たちが追いつくのを待った。女の子達は凛が先頭になっていた。

 レベル差がある場合は一緒に走ると一番遅い人に合わせる事になる。一番遅い人はずっときついのに速い人は逆に欲求不満になってしまう。俺は昨日にパワーを使い切っているので唯と登るぐらいが無理しないでちょうどいい、もちろん、唯も速くなっているので同世代の女子では速い方だろう。

 ただやっぱり、変化がないとつまらないので時々ペースアップしたり、先生以外でローテしたりして登った。

 トレーニングというよりは親睦を深める為のヒルクライムとなった。

 大沼まで皆んなで走って、大会参加者に送られた金券「おもてなし券」で蕎麦を食べる子になった。観光地だけど本格的な蕎麦だった。

 美味しい蕎麦を食べた後に少し話しをした。

「皆んな、よくここまで頑張ってくれた。チームを結成した時点より皆んなレベルが上がったな、特に女の子達は問題なく赤城を登れるようになったし」

「先生のおかげですわ」

「そうかな?女の子達は高梨くんの指導の成果だと思うけど」

「いいえ、皆んなそれぞれ頑張っていたからだと思います」

「でも、やっぱり高梨がいたから頑張たんだと思うぜ、まあ、俺はサッカーもあったし、レベルアップはあんまりだけだな」

「まあ、それを言うと俺も大してレベルアップしてないと思うけど」

「でも、タイムは良くなってるし、若いし続ければもっと速くなると思うぞ」

「そうですね、去年より10分弱速くなったし、あと10分詰めれば入賞かな」

「お兄さんなら、きっと大丈夫ですよ」

「なら、わたしは今年頑張って入賞かな」

「わたくしもゆかりさんと入賞しようかしら」

 入賞か、現状では夢のような話しだけどヒルクライム大会では30代の選手が優勝したりするので、続けれは夢じゃないのかもしれない、

 



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