表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

50/55

新学期


 新学期、1日目の教室、クラスメイトたちを見渡すとなんか夏休み明けでだいぶ変わった感じの人がいる。プールとかで日焼けしたのか真っ黒になったりとか地味子がギャル風になってたりとか一皮剥けた感だ。そう言えば結城も更に黒々、筋肉バキバキになっている。凛はなんかツンとした感じから可愛い感じに変化している。そして俺は体重は減って体脂肪も一桁になり身体が軽く感じるようになった。だけど赤城のタイムは75分をやっと切るぐらいで余り変わってない。

「よう、高梨、昨日はボロ負けだったな」

「ああ、なんか力の差を感じたよ。森本さんに色々アドバイスしてもらったけど大会までもう一か月だから、どうかな」

「そう言えば、先生が今日は半日だから午後は部室に集合でしたわね」


 そして、午後のチームミーティング

「さて、夏が終わってブルーな気分かも知れないかも知れんが、大会はもうすぐだ。悔いのないようにしっかりと準備しよう」

 そして先生の話が始まった。内容としては、大会前の日曜日に仕上げてその後はトレーニングの強度をさげてベストな状態にして大会に臨むと言う事だ。受験と同じで体調を崩してしまったら最悪だ。

「それと私は苦手なんだけど、ヒルクライムはなるべく登るペースが重要だ。これまで皆んなが登ったサイクルコンピュータのログを見させてもらった。家の森本さんにも見てもらってアドバイスをもらったぞ、まず、ゆかりちゃん、ゆかりちゃんはもっと本気を出してもいいかな、たぶん一人で登る事が少ないのか、登る相手のペースに合わせてる感じで余裕が感じられる」

「あっ、そういえばそうかな、坂はちょっと苦手だから、けど注意します」

「まあ、そんなにガチにならなくても楽しんで走れば良いと思うぞ、で、唯ちゃんは頑張り過ぎかな、まあ、高梨君と登る事が多いから心拍数が高すぎかなでも、最近は落ち着いてきているから心肺機能がかなり鍛えらているようだな、まあ、高梨兄ではなく高梨妹と一緒ぐらいが丁度いいかな」

「わかりました。お兄さんと登るのは少し控えてます」

「いや、ゆかりと俺と三人で登ればいいんじゃない、お店の手伝いがあるけど、少し早めに家を出れば何とかなるじゃないかな」

「お兄さん、ありがとうございます」

「ふーん、高梨、優しいな、それで凛ちゃんは上達具合がいい感じだ。やっぱり誰かと登った方がいいだろう。高梨、平日は一日ぐらいは付き合ってやれ、あと私も時間が取れれば付き合うぞ」

「先生、お願いしますわ」

「さて、高梨君と結城君は昨日、家の森本さんにペダリングに付いてのレクチャーを受けたとけど、今日はペース配分に付いてだ。ヒルクライムはなるべく一定パワーで登るのがいいと言う事は知っていると思う。で、いくつかの区間に分けてログを確認して、最適なペース配分を見つけてくれ、単純には赤城は20.8kmだから平均速度が20.8キロならタイムは60分だ。実際は勾配が変化するからそうもできない、だから、大体同じような勾配の区間で区切るといいかな、具体的にはスタートから畜産試験場、畜産試験場から料金所跡、料金所跡から森の声の看板ぐらい、看板から姫百合駐車場、そしてゴールまでくらいかな、宿題として家に帰ってからサイクルコンピュータのログを確認してくれ、パソコンで表計算して解析するといいぞ」

「なんか先生らしくない話しですね」

「そうだけど、実際のレースは色々なデータを考慮して戦うからな、まあ、敵も色々なデータを元に作戦を立ててくるし、結局は騙し合いになるけどな」

「まあ、今はスポーツだって色々なデータを解析して戦う時代たからな」

「そうなんだ、個人的にはそう言うのほ苦手なんでプロではなくて自転車は趣味として教師を選んだんだ」


 ミーティングが終わって、家に帰ってからパソコンを開いて、今までのログを確認して、先生の言ったように区間別にタイムを整理した。データを確認すると意外にバラツキがある。前半でパワーを出しすぎると後まで続かないとか、最後の方のタイムがいい時は前半が遅いとかで結局は全体的なタイムは余り変わらない、また、タイムを意識した時とダラダラ登っている時や途中でダレてしまう時もあるし、なかなかデータ分析は難しいけど区間タイムのベストタイムを足し算すると今までのベストタイムより二分ぐらい短くなる事に気がついた。大会では信号が無いし人の後ろを走る事で更に短縮できるし、たらればかも知れないけどなかなかのタイムが出る可能性がある。

 そんな事を頭にいれて、翌日のトレーニングは赤城を登る事にした。


 そして、翌日の朝は家から赤城に向かった。途中、荷物を凛に預けた。朝早くで悪いかなと思ったけど凛は起きていてくれた。明日は凛と登る予定だ。

 さて、いつものように畜産試験場まではなるべく信号に捕まらないようなペースで登った。もう何十回も登っているので大体どのくらいで走れば信号に捕まらないか分かっている。

 畜産試験場まで15分、いつものペースだ。体調は問題ない、畜産試験場からゴールまでは約15キロだから平均時速15キロなら60分、畜産試験場までが15分だったから合計で75分と言う事になるほぼベストタイムなので結構きついはずだ。とりあえず今までのログでは料金所跡まで10分ちょいなのでそれを目指す。この区間の目標平均速度は20キロ、勾配はまだ緩やかだけど20キロキープは難しい、だから、傾斜の緩やかな最初と信号手前は速めに走った。信号までは目標近くだったけど途中、陽射しが強くて熱中症になりそうだったので少しだけペースを落とした。その結果、料金所跡通過タイムは目標の25分をきれなかった。ここの平坦区間ちょっとだけ足を休めて水を飲んで、「まだ三分の一これからが本番だ」そういきごんで橋を渡り横断歩道を過ぎてから再び踏む、ここは少しだけ勾配がきつい、気合いを入れてFTPオーバーで登る。

 でも、ほぼ直線で変化が少ない単調な坂は注意していないとスピードが落ちてしまう。サイコンを見て、スピードが12キロ以下にならないように、心拍数は175をリミッターとして、170ぐらいで、パワーは210Wぐらいで登る。勾配の変化が少ないけど16キロぐらいで走れる区間もある。そして「聞こえますか森の声の看板は35分で通過した。悪くないペースだ。これから勾配が少しきつい区間になるけど、ペースを維持するように集中してペダルを踏む、

 最初のS字カーブであるC1で水を飲んで一息つき、気合いを入れて登る。この調子で次のS字カーブを越えて少しすれば姫百合まであと少しだ。

 いつもなら箕嶺の平坦で足を緩めてしまいけど姫百合駐車場の目標タイムは50分で少し厳しそうなので足を緩めないで平坦区間手前でダンシングして、スピードを20キロぐらいまであげた。その結果、姫百合は丁度50分で通過した。ここまでの平均速度は18キロ弱、ゴールまでの目標タイムは75分だから後25分だ。平均速度は13キロを目安にした。

 姫百合駐車からは九十九折りの坂で変化があって楽しいがペースを保つのが難しい、これまでのログを見るとパワーも低い。九十九折りの坂はパターンがあって左側が谷になる坂は少し勾配がきついのでスピードが落ちないようにパワーを上げて登り右カーブは傾斜が緩くなるのでギヤを重くて加速する。そして、左カーブから勾配がキツくなるのでダンシングでパワーを上げて失速しないようにする。基本的にはこのパターンだけど、横断歩道がある所は少し勾配があり、距離もあるので速度維持が難しい、でも集中して登る。それからまたカーブが続いて残り3キロ地点に到達した。タイム的にはギリか少し足りない感がした。だけどラストスパートには早い感じなのでペースを維持して、一杯清水あたりからラストスパート、全力全開にすることにした。

 一杯清水を過ぎて残り2キロ、体力的には問題ないのでラストスパートをかけ、パワーを上げる。この区間は用水が流れ出るトンネルを過ぎると傾斜が緩くなる。特にカーブはスピードが乗せやすい、残り1キロの少しだけ勾配のある坂の先のカーブの内側は特に急になるので失速しないように直線的に登った。その坂を越えれば緩やかになる。ダンシングで加速して、スピードは20キロを超えた。ゴールの観光案内所が見えてきた所で更に加速、全力全開でゴール、

 タイムは僅かだけど自己ベストを更新した。

 作戦を立てて、それを実行、予定通りの結果だ。

 赤城を下り、凛のアパートでシャワーを浴びて、凛と一緒に登校、休み時間など空いた時期に今日のトレーニングを振り返った。悪くない内容だけど、パワーにバラツキがまだ多いと感じた。特に勾配はカーブとか勾配の変化があるのでバラツキが多いし、注意はしているけど平坦区間では脚を緩めてしまっている。練習だからついつい自分に甘えてしまう。ラストスパート時に少しだけ余裕があったので全体的にもう少しは行けるはずだ。もちろん、パワーを上げすぎて脚が終わってしまう可能性もあるし難しい。体調や引いてくれる人、風や気温も影響があるし、

 さて、明日の水曜日は凛と登る予定なので凛のアパートに泊まって、二人で朝練をすることにした。


 


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ