湖畔でお昼寝
期末試験が始まった。俺は一夜漬けは嫌いだ。だから、テストだからと言って、特別勉強はしない、だけど、学校が半日で終わるので、午後は次のテスト範囲の確認くらいはする。
原型師さんは忙しそうだけど、試験期間中は勉強に専念してほしいと言うことで手持ち無沙汰な感じだ。だけど、試験期間中、アニメ三昧と言うのもなんかいけない気がするので、一日一本にしている。
自転車のトレーニングも気合いが入らないので、軽く汗をかくぐらいだし、ゆかりは勉強を頑張っているので、甘えてこない、まあ、そんな気にもならないけど、
さて、金曜日、試験が終わって、凛のアパートでお昼をご馳走してもらった。試験も終わって、スッキリ出来るかと思ったら、週末は夏のイベントの準備で忙しくてダメだった。
なので、俺はお昼を食べで一旦家に帰ってから、原型師さんの工房に向かった。
工房では先生が黙々と仕事をしていた。俺が挨拶をすると。
「高梨君、塗ってくれないか?」
とガレージキットとイラストを手渡れた。イラストは知らないキャラクターだけど、見覚えのあるタッチと言うか、
「これは凛のイラストですか?」
「そうだ、原型までは作ったのだが、遅れているので、君に頼む」
「俺で大丈夫ですか?」
「とりあえず頼む、もし時間が出来たら私がぬるから」
あまり自信はないけど、おもしろそうだ。先生が作った原型とテストショットのキットと凛の描いたイラストを受け取って、作業に取り掛かった。
その日は洗浄とバリ取り、仮組をした。まだ、細かい部分の修正をしたいところだけど、明日の土曜日は赤城を登りたいし、それは明日、家の手伝いの後にすることにした。
そして、土曜日は赤城に登ったけど、暑くて、タイムはイマイチだった。
ガレージキットについては、パーティングラインをヤスリで消して、下塗りをはじめた。
まず、肌の部分は基本的に透明のプライマーで下塗りだが、瞳の周りと下着、靴下はマスキングをして、ホワイトサーフェイサーで白くぬる。その後はマスキングを剥がして、プライマーで下塗りをする。服は黒のメイド服なのでグレーのサーフェイサーで、白のフリルはパーツが分かれている物はホワイトサーフェイサーで下塗りをして、土曜日の作業を終えた。来週中には仕上げる予定だ。ガレージキットの展示即売会イベントは七月最後の日曜日で俺と凛も手伝いに行く予定だ。
そして日曜日は唯と赤城に登る。先週は結城と登ったので、ニ週間ぶりだ。前回は一緒にお風呂に入ってしまったし、今日はどうなるかな?
それにしても、唯はまた痩せた感じだ。今日も暑くて汗だくで登っている。一生懸命に登っている唯には申し訳ないけど、試験だったり、凛が忙しかったりで少し溜まっている。そして、可愛いけど色々目のやり場に困る唯の後ろ姿を見ていると、色々な妄想をしてまう。キスもしているし、お風呂に入ってるし、次は?と考えてしまう。もしかして、唯はOKかも知れない、でも、なんか大事にしたい気がする。でも、いつかは、まあ、もうすぐ夏休みだし、
そう言えば、今日は赤城の大沼で昼食を食べる予定だ。暑いし、少しでも涼しい思いをしたいのと、いつも唯にご馳走になってばかりでは悪ので、たまには俺が奢る事にした。
食事ができる所は幾つかあるけど蕎麦屋とかが多い、蕎麦も悪くないけど可愛い女の子と食べるなら。おしゃれな感じが良いかなと思って、事前に調べておいた。
いつもは休憩する観光案内所手前で唯を追い越すことにした。追い越すときに
「おつかれ、前に出るから付いてきて!」
「ひゃん⁈」
肩をポンと叩くつもりだったけど、うっかり唯のおしりを触ってしまった。
「ごめん!」
「お兄さんのエッチ♡」
なんか嬉しそうだ。まあ、時々、触ってるし、いいか。さて、峠を下って大沼に向かう。風が気持ちいい、大洞駐車場の手前を左に入った。
「あっ!お兄さん、鹿!」
鹿が林の中にいた。俺たちに気づいたのか、熊笹の中をぴょんぴょん走り去っていった。たまに鹿は見かける。下りでスピードが出ている時に飛び出さられるとたまらない。
湖畔の駐車場には車が結構止まっていた。なかにはキャンピングカーとかあるし、車中泊の人もいるようだ。駐車場は砂利だったので、パンクのリスクがあるので、自転車から降りて、自転車を押しながら「AKAGI」と描いてあるオブジェの所で写真を撮ろうとしていると小犬を連れたおじさんが「写真撮りましょうか?」と言ってくれたのでお願いした。
「ほら、もっとくっついて!」
とおじさんが言うと、唯は俺の腕に抱きついた。柔らかい感触を感じて、少し恥ずかしい。
「ありがとうございます」
「二人とも自転車で登ってきたのか?」
「ハイ」
「凄いなあ」
唯は嬉しそうに微笑んだ。
お昼にはまだ早い気がするけど、お腹も空いているので、お昼にすることにした。湖畔の駐車場の脇にあるカフェらしいお店に入った。開店したばかりでまだお客は少なかった。俺と唯はピザと飲み物を注文した。
「意外と本格的なピザみたいだな」
「そうですね、家だと流石に窯がないから上手く焼けなくて、楽しみですね」
「あれ?ピザを作ったことあるのか?」
「ええ、ちゃんと生地から作りましたよ」
「へー凄いな」
「ふふ、でも空中に投げて広げたりはしませんよ」
「唯ならできるかと思ったよ」
「じゃあ今度試してみようかな」
ピザを食べた後、湖畔の木陰に座って休憩することにした。
「ピザ、美味かったな」
「うふふ、お腹いっぱいで眠くなりました」
「そうだな、下界は暑いだろうし、少し涼んでいくか?」
「じゃあ、膝枕します?」
「ありがとう」
アウトドアで膝枕は久しぶりだ。柔らかい太ももと柔らかい胸でとても幸せな気分だ。木陰で周囲からは切り離されているので人目もあまり気にならない、まあ、近くでいちゃついているカップルもいるし、このくらいなら良いのかな?いや、良い事にしよう。
で、やっぱり気持ち良くて、寝てしまった。
どのくらい寝たのだろう。目を覚ますと唯も寝ていたようだ。わざと唯の胸に頬擦りしながら体を起こした。
「あっうん、おはようございます」
「寝ちゃったな」
「ええ、風が気持ち良くて、今何ですか?」
「うん、二時だ」
「あれ?そんなに寝てました?」
「今帰ると三時を過ぎちゃうか」
「私の家でゆっくりしてもらおうかと思ったのに」
「今日は下って、解散かな」
「うーん、残念だけどまたですね」
「そうだな、もうすぐ夏だし、休み入ったらゆっくり出来るかな?」
「あっ!夏なんですけど、おばあちゃんのお見舞いに一週間ぐらい、行く予定なんです」
「そうか、今月末まで俺も原型師さんの手伝いが忙しいし、来月かな」
「そうですね、ちょっとだけ寂しけど、後でいっぱい可愛がってくださいね」
「もちろん」
「嬉しいです。でも、ゆかりちゃんと凛先輩もでしょ」
「まあ、頑張る」
「うふふ」




