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幼馴染とお風呂


 月曜日は晴天だった。先週は一回しか赤城を登ってないし、不発な感じだった。サイクリングロードを走りながら、どんな風にに登るか考えてみた。数日間、ハードなトレーニングはしてないし、限界まで上げたい気持ちもあるけど、一応、学校があるし、限界まであげるのは、苦手な料金所跡から姫百合駐車場までとしよう。

 学校の荷物は凛のアパートに預ける予定なので、早朝で悪いとは思うけど、凛のアパートによる。

 インターホンを鳴らすとすぐに凛はドアを開けてくれた。ありがたい事に早起きして待っていてくれたようだ。

「おはよう、朝早くで、ごめん」

「おはようございます。朝食を用意して待ってますわ」

俺はリュックを凛に預けてから、凛を抱き寄せて、キスをする。

「いってらっしゃいませ」

凛は微笑んで俺を見送ってくれた。


 料金所跡までは、心拍数を抑えてバス停前でラップボタンを押す。白川にかかる橋を渡って、横断歩道を越えてペースアップ、ダンシングで巡航速度まで上げる。姫百合までの目標平均速度は15キロ、心拍数は175まで、パワーは230Wぐらいを目指した。

 森の声の看板まではペースを維持できたけど、だんだんペースが落ちてた。心拍数を上げればなんとかなる気もしたけど175までと決めたのでペースアップは我慢した。

 苦しい、なんのために、登っているのだろう?頑張ったところで、優勝なんか出来ないだろうし、例え優勝しても、新聞の地方版に小さく名前が載るくらい、賞品だって、農産物ぐらいだし、それに今日は練習だし、そんなに頑張らなくても、でも、知っている。足を緩めたら気持ちいい時間は終わってしまう事を、やっぱり、ギリギリが気持ちいい!それに、姫百合までと決めたんだ!

 

 だけど、箕嶺の平坦にたどり着いた時に自然と足の力が抜けてしまった。その瞬間、ふわっといい気持ちがした。

 ああ、ここまで頑張ったからいいか、どうせトレーニングなんだし、そう思うと足に力が入らない、ダラダラと姫百合に到達、一旦、気合いが抜けるとなかなか元には戻らない、

 ダメだ、失速した。


 その後はダラダラと登って、ゴールのタイムは80分弱だった。後でサイコンのログを確認すると、料金所跡から姫百合駐車場までパワーが230Wだったので、タイムなイマイチだったけど、走る前の目標はクリアした。


 それにしても、ハルヒルでは平均で250W近かった。今日は心拍数を制限したけど230Wでキツく感じた。なぜだろう?


 さて、原型師さんのお手伝いをしながら、塗装のやり方を教わり始めた。原型師さんの工房には未塗装のガレージキットが沢山あり、古い物や品質の悪い物は廃棄するという。そう言った物の中から塗りやすそうなキットを練習用にもらった。普通に買えば7000円から15000円ぐらいだそうだ。中には2万円を超える物もあるそうだ。

 選んだキットは少し前に人気のあったアニメの主人公の妹のキャラクターでスクール水着を着たキットだ。どことなくゆかりに似てる。つるぺたなのでゆかりの方が勝っているけど、

 まず、よく洗って離型剤を落とす。次に、バリ取りをして、スポンジタイプのヤスリで滑らかにする。

 次に、仮組をして部品と部品か上手く組み合わさる用に調整する。大体、合ってきたところで、接合面にピンバイスで2mmで穴を開ける。この穴に長さ2cmの真鍮の棒を刺して部品を繋ぐ、穴は原型を作る時に使った穴を使った。ガンプラならプチっと組み立てられるけど手間と技術がいる作業だ。

 

 天気の悪い一週間で実走ができたのは月曜日だけだった。土曜日も天気がわるくて、凛のアパートにも泊まらなかった。けど、ガレージキットの作業は捗ったし、溜まった物はゆかりがサポートしてくれた。

 でも、赤城を登らないと欲求不満になってしまう。日曜日は晴れて、唯と登る事ができた。

 土曜日は朝、雨が降っていたのでローラー練だったので、気合いを入れて登りたい気持ちもあったけど、先週は唯と登れなかったので、いつものように唯と登る事にした。それに先週は唯が家に来てくれたけど、家では落ち着かないし、

 それにしても、登り始めた頃は唯の後ろについて登るのは苦痛だったけど、速くなってきたので、俺からするとサイクリングレベルのテンポ走になって来たのでそれなりに楽しいし、トレーニングにもなっていると思う。まあ、唯は汗だくで時々、喘いでいるけど、そう言えば、晴れると気温が高いし、日差しも熱い、もう夏も近いというか夏だな、早朝だからまだ気持ちいいけど、だんだんキツくなるかな、


 難なく、ゴールの観光案内所に到着した。

「お疲れ様、頑張ったな」

「ありがとうございます。気持ち良かったけど、汗びっしりです」

「ここはまだ涼しいけど、晴れると暑いな、そうだソフトクリームでも食べるか?」

「いいですね、でも、太っちゃうから、半分こしませんか?」

「唯が良ければ構わないけど」

唯はにっこり笑っていたので、嫌ではないのだろう。

「わかった。じゃあ、買いに行くか」

外に面した売店の窓口に行って、ソフトクリームを注文すると、売店のお姉さんが「頑張って登ってきたので、サービスするね」と言って、気合いを入れてソフトクリームを巻き上げてくれた。普通の1.5倍ぐらいだろうか、それを倒さないように受け取って、唯と食べ始める。

「お兄さん、お先、どうぞ」

俺はペロリ、ソフトクリームを食べて、唯の口元に持って行く、唯は俺の手を支えて横から俺の舐めた所をペロリなめる。

「うふ、冷たくて美味しい」

唯は満足げに微笑んだ。

 

 下山はこがないし、スピードも出るので涼しい感じだったけど、料金所跡前の橋辺りから暑さを感じたので、料金所跡で自転車を停めてウィンドブレーカーを脱いだ。下の気温は30度を超えているようだった。サイクリングロードでは下りで乾いたジャージが汗でまた湿ってきた。俺よりも、唯の方が汗をかいているようだ。早くシャワーを浴びたい。


 唯の家は今日も誰もいなかった。

「お兄さん、先にシャワーをどうぞ」

「悪いな、ささっと浴びから」

「いえ、ちゃんと綺麗にしてください」

俺はさっさとウェアを脱いで、浴室に入る。あれ?お風呂が汲んである。唯が脱衣所に入ってきて、

「お兄さん、ウェアを洗っておきますね」

「いつも、ありがとう」

「いいえ、わたしのも洗いますから、あと、お風呂、予約で汲んでありますから、よかったら浸かってください」

「ありがとう、じゃあ、遠慮なく」

俺はザブンとお風呂に浸かる。脱衣所には背を向けているが、唯はガサゴソと洗濯をしているようだ。


 ガチャンと浴室の扉が開いた。

「ごめんなさい、汗が気持ち悪くて、嫌だったら待ちますけど」

「まあいいけど」

唯はシャワーを浴び始めた。俺はなるべく見ないようにしたけど、チラリ見ると唯は俺に背を向けてシャワーを浴びている。ゆかりで慣れているとはいえ、かなりの破壊力で直視できない、でも、見ちゃう。

 ざっと汗を流すと椅子に座って、ボディソープで体を洗い始めた。

「お兄さん、まだ、体を洗ってませんよね」

「ああ、シャワーで汗を流しただけだよ」

「じゃあ、わたしが洗ってあげましょうか?」

「えっ?いいの?」

「いいですよ、だって、お兄さん、いつもゆかりちゃんに洗ってもらっているんでしょう」

「いや、いつもじゃないけど」

「お兄さん、お願いがあるんですけど」

「なんだ?」

「わたしの背中を流してもらえませんか?」

「ああ、い、いいよ」


俺は、風呂からでて唯の背中を洗う、さすがにドキドキする。でも、背中も柔らかくで触り心地がいいし、石鹸ですべすべでいい、

「こんな感じでいいかな?」

「ありがとうございます。じゃあ、交代です」

唯は立ち上がり振り向いた。俺は唯を凝視してしまった。「すごい!」

「お兄さん?恥ずかしいのであんまり見ないで下さい」

「ごめん」

恥ずかしそうに唯は視線をしたにそらした。

「あっ!ごめんなさい」

俺は手でさっと前を隠した。

 

 俺は椅子に座って、唯に背中を向けた。唯はまず背中を洗ってくれた。次に腕、そして、腕を前に出して胸を洗う、なんか背中に柔らかい物が当たる。それまでなんとか平静を保っていたけど、流石に反応してしまう。でも、悟られたくないので、手を膝の上に乗せてじっと耐える。唯の手がだんだん下に下がってきた。

「唯⁈そこはいいから」

「あれ、そうなんですか?ゆかりちゃんはこうすればお兄さんご気持ちよくなるって」

「そうなんだけど、ゆかりもお風呂ではそこまでしてくれないから」

「くすぐったいですか?でも、綺麗にしておかないと」

「うっ!ダメだ」

俺は暴発してしまった。

「わっ?すごい」

「ごめん、それ以上は」

「でも、綺麗にしないと」

俺は途轍もない喪失感、脱力感に包まれた。

「ごめん、許して」

俺は泣きそうな声で唯に訴えた。

「ごめんなさい、わたし、よくわからなくて、でも、綺麗になったので、シャワーで流しますね」

「うん」


石鹸の泡を流してもらって、唯はお風呂に浸かった。

「じゃあ、俺はでるから」

浴室から出ようとすると、唯は俺の手を掴んで、

「行かないで」

唯は背中の後ろにスペースを作った。俺は黙って、そこに唯を後ろから抱く感じでお風呂に入る。お湯がザブンと溢れ出した。

「へへ、やっとお兄さんとお風呂入れた。もっと気持ちいいと思っていましたが、ドキドキが止まりません」

「俺もだよ」

「落ち着くまであったまってください」


昼食はお風呂に入ったので遅れてしまったけど、今日は何故かサンドイッチが用意してあった。

 食後は唯とアニメを観る。お腹がいっぱいで眠いなと思ったら唯は隣りでスヤスヤ寝息を立てていた。

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