妹の誕生日
月曜日の放課後は原型師さんの手伝いに行った。今日は前回、洗ったガレージキットのバリをカッターで本体を削らないように切り取って、パーティングラインをヤスリで滑らかにする作業だった。
それにしても、このキット、露出度が高いけど、バラバラで色もついていないので色塗りして、組み立てするときっとエロイに違いない、だけどスカートで見えないだろう部分も手抜きなく作り込んである。
その日は大まかにヤスリがけで作業は終わった。
火曜日の朝練は赤城神社に向かい、空っ風街道でインターバルトレーニングをして、県道4号線を下り凛のアパートで朝食を食べた。
放課後は原型師さんの工房でヤスリがけの続きだった。
原型師さんは無口で黙々と作業をしているので話しかけづらいけど、たまにトイレや休憩の時のついでに俺の作業を確認しながら話しをすることがある。
「高梨くんは今の子にしては、手先が器用だね」
「そんな事ないと思いますが、以前、プラモデルとか作っていたからですかね」
「ガンプラかな?」
「ええ、ガンプラも作りましたが、戦車とかも作りましたよ。塗装もしましたよ」
「へー、今どきの子はガンプラぐらいしか作らないと思っていたけど」
「祖父が好きで小学生の頃に教えてもらいました」
「ガレージキットとか興味があるかな」
「ええ、少し、フィギュアは幾つか持ってますが、先生が作ったフィギュアをみて、凄く綺麗で市販のものとは別物だと思いました」
「なんか、照れるな」
工房には無造作にフィギュアが置いてあったり、応接兼休憩室には先生お気に入りのフィギュアが陳列されている。また、資料やオタクグッズが置いてある。中には子供が見てはいけないような物もある。凛は小学生の頃、先生のところによく預けられたので、かなり影響を受けてたのだろう。
金曜日は先週と同じく、凛のアパートに泊まらせてもらって、翌日の土曜日は赤城に登ったけれど、凛と頑張り過ぎたせいか、パワーがイマイチでなかった。金曜日に凛のアパートに泊まるのは考えなくては。
下山途中で凛とゆかり、唯の三人とすれ違った。三人とも仲が良さそうで何よりだ。
そのあと、市内のスポーツ店で誕生日プレゼントを買って、家の手伝いのあとは原型師さんのお手伝いをした。
日曜日の朝は土曜日の赤城のタイムがイマイチだったのと、唯がゆかりの誕生会の準備で一緒に赤城に登らないことになったので、赤城を登る事にした。でも、やっぱり連日の赤城は疲れが残っていて、昨日から5分落ちだった。
家に帰り支度をして、ゆかりと手を繋いで唯の家に向かった。途中、凛と合流した。
「ごきげんよう、あなた達、相変わらず仲がいいですわね」
「おすっ、凛も手を繋ぐか?」
「ではこれお願いしますわ」
凛は持っていたケーキと思われる箱を俺に手渡して、ゆかりの手を取った。凛は俺よりゆかりなのか?
まあ、ゆかりとは家でくっついているのでいいか、
こうして、三人で唯の家にお邪魔する。唯はパタパタと準備に忙しそうだ。
「お手伝いしますわ」
と言って、凛は唯の手伝いを始めた。俺も何か手伝おうと思ったら、
「お兄さんとゆかりちゃんはソファーでくつろでください」
とあしらわれてしまった。やがて、準備ができて、ダイニングテーブルに移動した。
「えーと、じゃあ、ゆかりの誕生会を始めます。十六歳の誕生日、おめでとう!これは俺からのプレゼントだ」
「ありがとう、にいちゃん、開けていいかな」
「どうぞ、大した物じゃ無いけど」
ゆかりは袋を開いて、中をみて、嬉しそうにしていた。
「あっ、この磁気ネックレス、可愛いよ。ありがとう、にいちゃん、チュッ」
いきなり抱きつかれて、キスされた。うっ?大丈夫かと思ったけど、唯と凛はニコニコしている。
「じゃあ、次はわたしから、おめでとう、ゆかりちゃん」
「唯ちゃん、ありがとう」
唯からはヘアバンドだった。
「これも可愛い、ありがとう、大切にするね」
そう言って、俺と同じように唯に抱きついてチュッとした。
「では、最後はわたくしから、ゆかりさん、お誕生日、おめでとうですわ」
「ありがとう、先輩」
凛からは洋服らしかった。ゆかりは凛にも抱きついてチュッとした。
誕生日の挨拶がおわって、食事となった。サラダとパスタがメインで、食後にケーキがあるので量は少なめだ。
食後はソファーに移って、ケーキを食べる事になった。三人がけのソファーには俺とゆかり、対面するソファーには唯と凛が座っている。ケーキに蝋燭を立てて灯した。
「じゃあ、あらためて、ゆかり、十六才の誕生日、おめでとう」
ゆかりが蝋燭の火を吹き消した。そして、皆んなで拍手して、お祝いをした。
「ありがとう、皆んな、素敵な誕生日にしてくれて」
珍しく、ゆかりは微かに嬉し泣きしている。
「では、ケーキを切りますね」
唯がケーキを切り、紅茶を飲みながら、楽しく会話をした。そして、少し落ち着いたころ、ゆかりが俺の横にくっついて、甘えてきた。
それを見た凛は優しく微笑んで、
「本当に仲がいいですわね、少しだけ羨ましいですわ」
「えー先輩だって、にいちゃんと色々して、わたしも羨ましいかな」
「そうです。ゆかりちゃんも先輩もお兄さんと一緒に寝ていて、ずるいです」
「あれ、唯ちゃん、この間、にいちゃんとお昼寝したって、言ってなかった?」
「お昼寝は、お昼寝ですから」
「では、こんどパジャマパーティーでもして、皆んなでお泊まり会でもしましょうか、いいでしょう?あなた」
「まあ、皆んなが良ければ」
「それもいいですけど、わたしも二人で寝てみたいです」
「じゃあ、それはタイミングもあるから、考えるよ」
「本当ですよ」
なんか変なことになってしまった。兎に角、皆んな仲良しなのはいい事だ。そんな感じで、楽しく誕生会が終わって、ゆかりと手を繋いで家に帰った。
夜は一緒に布団に入った。
「今日はありがとう、楽しい誕生日だったよ」
「まあ、俺は大したことしてないけど、唯が色々してくれたし」
「そうだね、唯ちゃんに感謝しなくちゃ、それにしても、唯ちゃん、どんどん綺麗になって、びっくりだよ」
「確かに、でも、お前も少し大人っぽくなったよな」
「うん、身長もまだ伸びてるし、もう十六歳だよ。ほら、おっぱいだって」
「別に見せなくても」
「見たくないの?」
「見たいけど」
「で、お願いがあるんだけど」
「なんだ?」
「わたしも十六になったんで、そろそろ経験したいの、だから、にいちゃん、お願い」
「俺でいいのか?」
「にいちゃんじゃなくちゃだめなの」
「でも」
「わたしずっと、我慢してたんだけど限界なんだ」
「わかった」




