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中間テスト

 憂鬱な一週間の始まりだ。


 月曜日のテストは無難に終わり、放課後は、凛のアパートで勉強に集中だ。ゆかりと唯は唯の家で勉強だそうだ。お昼はハンバーガーセットで済ませた。凛はお昼を「作りますわ」と言ってくれたが火曜は苦手の英語だったので勉強に集中したかった。なのでエッチは我慢した。まあ、キスはしたけど。


 火曜日の朝は少しだけローラーを回した。テストはギリギリかな、でも近藤先生は英語の担当なので成績が悪いと怒られるかな?「高梨くん、個人授業な」とか言いそうだ。でも、英語じゃなくて、違う事を教えそうなので、遠慮した方がいいかな?放課後はまた、凛と勉強した。少し溜まってきた気がしたけど、キスで我慢だ。


 水曜日の朝は一人で迎えた。ゆかりも勉強に集中したいのだとか、なんかストレスが溜まったきたので、ハルヒルのレース動画を見ながら、実戦パワーでローラーを回して、スッキリした。ムラムラが抜けて、テストは上手くいった。

 でも、放課後、凛と一緒だと、また、溜まってくる。勉強はしたけど、目の前に美少女がいるので仕方ないだろう。だんだんと生殺し状態になっていく。オヤツ休憩の時、我慢が限界になって、凛を抱き寄せた。キスまでは許してくれたけど、それ以上の事をしようとすると「これ以上は勉強になりませんので、わたくしも我慢しますので、今は勉強ですわ」と嗜められた。

 

 木曜日の朝ローはハルヒルに備えて、アニメを見ながら軽めに回した。

 放課後は凛のアパートで勉強だったけど、何故かゆかりと唯も一緒だった。凛が二人を誘ったそうだ。俺が変なことをしないように誘ったのだろう。しかし、三人の可愛い子に囲まれて、かえってストレスが溜まった。それで、寝る前に溜まったものを抜いた。テストは明日で終わりだ。「頑張れ、俺!」


金曜日の朝は休憩日にしようかと思ったが落ち着かないので、回復走レベルでローラーを回した。低強度のローラーはストレスが溜まる。実走の方がいいけど、支度が面倒だし、テスト期間中は勉強で起床時間が遅くなっているので、時間がない。日の出が早くなってきたので、テストが終わったら実走もしたい。

 そして、テストが終わった。解放感に包まれて、凛のアパートに向かう。凛は準備があるからと、少し部室で時間を潰してから下校した。


 凛はまた、メイド服で出迎えてくれた。アパートに入る直前までは、アパートに入ったら、凛を抱きしめてキスをするんだと考えたいたけど、コスプレを汚すような気がしてそれは辞めた。

 部屋に入るといい匂いがする。お腹に染み渡るようだ。

「ご主人様、お料理をお持ち致しますので、こちらでお待ちください」

凛は二人サイズのダイニングテーブルの椅子を引いて、俺を座らせる。そして、パタパタとキッチンに行った。カチッとコンロのスイッチを入れる音がした。少しして、いい匂いが強くなった。そして、何かをお皿に盛って、それをテーブルに置いた。メイド喫茶では定番のオムライスだ。ケチャップでハートマークを描いた。

「それでは、美味しくなるおまじないをしますわ」

凛は両手でハートマークを作って。

「美味しくなあれ、美味しくなあれ、萌え萌えキュン」

 最後に俺を見つめて、ウインクしてバッキュンポーズ、俺のハートは撃ち抜かれた。凛は自分のオムライスに俺の名前を書いていた。描き終わると「失礼します」と言って、席に着いた。

「では、召し上がれ」

「いただきます」

俺はオムライスを食べ始めた。

「いかがかしら?」

「うん、うまいよ、中学生の時、凛と初めて行ったメイド喫茶を思いだすよ。でも、あれより美味しい気がするよ」

凛は嬉しそうだ。

「多分それは、材料のおかげですわ。あのようなお店は高い材料は使わないのでしょう」

「確かに、でも凛の愛情がたっぷりでお腹いっぱいになりそうだよ」

「あら、おじょうずなこと」


挿絵(By みてみん)


 凛の手料理を食べるのは久しぶりだ。腕をあげたようだ。そう言えば唯もオムライスを作ってくれたっけ、どちらも美味しいけど、唯は家庭的で凛はプロ的な感じがした。

 食事を済ませて、俺はソファーに移動した。凛は後片付けをして、紅茶を持ってきた。凛は紅茶とお菓子をトレイからテーブルに置いて俺の隣に座った。

「ご主人様、お隣、失礼しますわ。お紅茶をどうぞ」

「ありがとう。いただきます」

紅茶を一口飲むと、凛は俺の横にベッタリとくっついて、頭を俺の肩に寄せた。

「中間テスト、やっと終わりましたわね」

「ああ、これでやっと終わった。テスト勉強から開放されるな」

「でも、この一週間はあなたと過ごす時間が長かったし、ゆかりさんと唯さんも来てくれて、楽しかかったですわ」

「まあ、我慢しないといけない事もあったけどな」

「ふふ、エッチですわね。ところで日曜日はハルヒルですわね、調子はいかがかしら」

「うーん、そうだな、トレーニングは控えたし、テストで頭がいっぱいだったから、レースの緊張は少なくて、割とリラックスしているかな」

「レース、頑張ってきてくださいね、わたくしもエントリーすれば良かったですわ」

「そう言えば、赤城のエントリーも始まる頃だな、俺たちは学校でエントリーしてくれるから、いいけど、赤城は人気があるから、エントリー殺到ですぐに定員がいっぱいになって、のんびりしているとエントリーできないんだ。去年は開始してから、3時間ぐらいで締め切ったそうだ」

「あなたはどうでしたの?」

「ああ、ネットで開始と同時に申し込みしたけど、なかなか、サイトに繋がらなくて焦ったよ。その点、ハルヒルは募集定員が多いのでそんな事はなかったけど」

「作戦とか立ているのかしら」

「まあ、レースに慣れるのが目的だし、特に考えてないけど、結城と一緒に登る感じかな」

「明日はトレーニングするのかしら」

「いや、レースに備えて休憩するよ。あと、面倒くさいけどハルヒルの参加受付は明日なんでゼッケンをもらいに高崎駅に行くんだ」

「自転車で?」

「いや、交通量が多い所を走る事になるから電車で行く予定」

「あら、それではわたくしもご一緒してもよろしいかしら」

「構わないけど明日はひまなの?」

「ええ、特にはなくてよ。それに高崎にわ行きたいお店がありますし」

「へー、じゃあデートだな」

「ですわね、アキバ以来ですわ」

「待ち合わせ場所はどうする?」

「今週末は自宅ですので駒形駅でどうかしら?」

「オッケー、なんか楽しみになってきたぞ」

「あら、お楽しみはこれからでしょ」

凛は俺の胸を指でコネコネして甘えている。

「あっ、そうだな」


 紅茶を飲み終えて、凛は無言で立ち上がり、俺の手を引いて寝室に移動した。


………


 夕方、アパートを出て、凛と二人でサイクリングロードを走りながら、さっきまでの出来事を思い出した。

長い時間、ベッドの上で凛と過ごす事ができた。草津は薄暗かったけど、今日は明るかったので、キレイ凛の姿を堪能する事ができたし、前回はなんだか分からないうちに終わった感じだったけど、しっかり出来た気がした。気持ち良すぎて持続時間が短いのが課題だ。親父たちは長い時間、頑張っているようだけど、やっぱり、アレも一朝一夕には行かないか、自転車と同じだな。

 凛を自宅まで送って、家に帰ると誰もいなかった。風呂に入っているとゆかりが帰ってきて、浴室に入ってきた。ゆかりは体を洗って、湯船に入ってきた。いつものように俺に背中を向けている。向かい合う事もあるけど、色々見てしまって、さすがに恥ずかしいので最近はこの体勢に落ち着いている。だけど、湯船が大きい訳ではないので、体は密着して、俺は背もたれのようになっている。

「ふう、やっとテストが終わって、スッキリしたよー。にいちゃんは先輩のアパートでもスッキリしてきたのかな?私もテスト中は我慢していたから、溜まっちゃって、だから、お疲れかもしれないけど、私も可愛がってね」

「まあ、今日はトレーニングしてないし、そんなに疲れてはいないぞ」

「そうなんだ、良かった」

「明日はどうするんだ?」

「うん、日曜日は、にいちゃんハルヒルで唯ちゃんのトレーニングはお休みでしょ」

「ああ」

「だから、明日は唯ちゃんと赤城を登るよ、出来れば私も上まで登りたいと思っているんだ」

「そうか、頑張るな」

「えへへ、私も唯ちゃんに負けないように頑張んないと」

  俺はゆかりの頭を撫でた。ゆかりは嬉しそうだ。ちょっとだけ手を前に出して、触ろうとしたら、

「今はお風呂だよ。後でゆっくりお願いね、にいちゃん、元気みたいでよかった」


 土曜日の朝は久しぶりに遅く起きた。と言っても六時なので普通かな、いつもは早起きだし、昨晩はゆかりと遅くまで起きていたので起床時間を遅くした。俺が布団から出ようとすると、ゆかりが目を覚ました。

「おはよう、今日は休みだし、もう少し一緒にいよ」

「あれ?唯と赤城を登るんじゃなかったっけ?」

「そうだけど、もう少しだけ、ほら、にいちゃん元気だし」

「こら、突っつくな、それは生理現象だから」

「しょうがないなあ、トイレ行けば」

俺は布団から出てトイレでようをたした。さっきまで元気だったのは、さっとしぼんだ。顔を洗っているとゆかりも起きて来た。

 

 俺はコーヒーを淹れて、ゆかりはパンと目玉焼きを焼いて二人で朝食を食べた。ゆかりは食べ終わると自転車で出かける準備をして、出る前に

「にいちゃんはデートかぁ、良いなぁー」

「お前はヒルクライム頑張れよ」

「うん、だから、にいちゃんの元気少し分けて」

「ああいいよ」

俺はソファーから立ち上がって、ゆかりを抱きしめでキスをした。

「頑張れよ、あと、気をつけてな」

「にいちゃんも頑張ってね」


ゆかりを見送り、俺も支度をして待ち合わせ場所の駅に着いた。待ち合わせ時間はまだだったので凛はまだ来ていなかった。時間ちょうどに凛が歩いてきた。私服で周りの注目を集めるくらいキレイだ。

「おはようございます。待ったかしら」

「おはよう、時間ピッタリだし、それにしても気合い入っているな」

「もちろんですわ!あなたとのデートですもの」

「俺はこんなラフな感じで、釣り合わないな」

「いいえ、わたくしはあなたに見てほしいだけですから」

「いや、本当、キレイだよ」

「うふっ、ありがとうございます。では、電車に乗りましょうか」

俺が凛の手を握ると凛は嬉しそうに指を絡めた。


 電車は空いていた。二人並んで座って、今日の予定を確認した。ちょうど俺と凛がすきな魔法少女の劇場版を高崎駅の近くの映画館で放映していたのでそれを見て、食事をして、アニメショプにより、最後にハルヒルの受付をする予定だ。

 電車に乗って、30分経たないうちに、高崎駅に着いた。線路は遠回りだけど、さすがに早い、ただ駒形と高崎間の電車本数が少ないので、場合によっては自転車の方が早いかもしれない。とは言え、凛とくっついていられるのは良かったけど、凛は周囲の男たちからの視線を集めていて、ドキドキだった。すれ違いに「ちぇっ」と舌打ちする人もいた。

 東口からでると、ハルヒルの受付のテントが張られていて、間もなく受付が開始されるようだ。ハルヒルの受付は駅とハルヒルのスタート近くの体育館でも行われている。受付は荷物が増えるので帰りの予定だ。

 俺たちは手を繋いで、映画館に入った。映画館には何となく同士といった方々が多かったけど、意外に女の子もいた。映画が始まる前に映画鑑賞特典のミニ色紙を配布していた。チケットの半券と交換だったが一人で何枚も交換している猛者がいた。全種類コンプしたいのだらうな。


 映画は地上波とは違いクオリティが高いし、魔砲攻撃シーンは涙か出そうなくらい迫力があった。攻撃のシーンでは俺の手を握る凛の力が強くて少し痛いくらいだった。それにしても、変身シーンはなぜ裸になる必要があるのだろう。小学生だから良いのか?昭和のアニメではあったらしいけど、胸のぽっちはなんだ⁈令和での地上波では無理だ!

 突っ込み所、満載だけど感動した。円盤を買うとイベントに抽選で行けるらしい。


 映画を観てから少し遅い昼食を取るために、凛が予約してくたイタリアンレストランに向かった。小さなレストランだけど高級そうな感じがした。

 中に入ると、初老の店員さんが

「お待ちしておりました。お嬢様」

と出迎えた。

「お久しぶりですわ。今日はよろしくお願いしますわ」

「こちらへどうぞ」

と奥の個室に案内された。座る時には店員さんが椅子を引いてくれた。店員さんがメニューを置いて、部屋から出ていった。

「なんか高級そうだけど、大丈夫かな?凛はお金持ちだけど、だからといって俺は奢られるのは嫌だぞ」

「安心くださるかしら、ちゃんとメニューを見てくださるかしら」

俺はメニューを開いた。今の時間ほランチだけで、種類も少ない、セットメニューは1500円くらいだった。

「ふう、少し安心した。でも、さっきの店員さんは上品で、なんか紳士?執事といった感じだったな」

「ええ、オーナーですわ」

「知ってるんだ」

「昔からで、デパートに行く時によく寄りましたわ」

「そうなんだ、さて、これが良いかな、凛は?」


俺と凛はパスタのセットを注文した。待ち時間、スマホをチェックすると、ゆかりからトークが入っていた。無事に観光案内所まで登ったそうだ。

 

 料理が来てそれを食べ始めた。

「これ美味い!ニンニクが効いてスタミナがつく感じ、だけど、息が臭くなるかな」

「わたくしも食べているから、同じですわ、それに明日は本番だから、我慢ですわ」

「だな、昨日、ソレは頑張ったしな」

「うふっ、ですわ」

凛は嬉しそうにパスタを食べた。

 

 食後のコーヒーを飲んでレストランをでた。出る時はオーナーが見送ってくれた。こうゆう時、やっぱり凛はお嬢様なんだなと実感させられる。

 凛は俺の手を引きアニメショプに向かって歩く、なんか目が輝いている。緑の髪の毛に大きな鈴が付いているキャラクターが描かれたショプに入った。どちらかと言えば男性向けだ。まあ、凛は美少女好きだからな、店内では一瞬、凛に視線が飛んでくるけど、すぐに目を逸らし素知らぬフリをしている。ただ、エロ同人誌コーナーとかだと、気のせいかもしれないけど、「くんなよ」というオーラが立ち込めている。

 凛は夢中でブツを漁っている。俺も手に取って立ち読みしてみたけど、確かに美少女の隣りで見るものではない。

「ありましたわ」

 凛は一冊の同人誌を俺に見せた。

「この絵って、もしかして凛か?」

「うふっ、ですわ」

「すごいな」

「詳しくはここではちょっと」


 その後、店内で色々見て、凛は数冊の薄い本を買って店を出た。外に出て、本来の目的のハルヒル受付に向かった。途中、凛がサークル活動について話してくれた。中学からネットが中心のサークルに参加しているそうだ。実際にイベント会場に行ったのは高校に入ってからで凛はイラストを数枚描いて記載したそうだ。さっき見たのは表紙だったので所属サークルのメインなのかもしれない。

 

 東口で無事にハルヒルの受付を済ませて、ゼッケンとチップ、記念品などを受け取って、電車で帰宅した。凛と別れる時に「お恥ずかしいですが、プレゼントですわ」と薄い本が入っていると思われる紙袋を手渡された。家に帰ってから、中身を確認すると、確かに恥ずかしい本だった。ベッドの下にでも隠して置くべきなんだろか。

 明日の準備をして、早めに寝た。長い中間試験だった。明日はハルヒルの本番だ!

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