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トレーニング 妹+

 火曜日の朝、目覚まし時計のアラームで目が覚めた。目を開くと目の前に妹の顔があった。いつのまにか俺の布団に潜り込んでいた。手を伸ばして枕元の灯りを付ける。可愛い寝顔だ。そっと髪の毛を触ってみる。そうすると妹の目が開いた。

「おはよう、にいちゃん、チュッ」

いきなりキスしてきた。

「おい、寝ぼけてないで起きるぞ」

「だめ、後、五分、充電させて」

妹は俺に抱きついてきた。仕方なく俺も妹を優しく抱いた。


 五分後、布団からでる。妹も身体を起こしたが眠たそうだ。俺は洗面所に行って顔を洗っていると妹がやってきて、俺の背中に顔を擦り付ける。

「おい、俺のパジャマで顔を拭くな」

顔を洗って、トイレを済ませて、キッチンで二人分のコーヒーを入れる。そのコーヒーを持って、リビングに行くと、妹がソファーに座っていた。俺は妹の隣りに座っる。

「ほら、コーヒー飲んで目を覚ませ」

「ありがとう、にいちゃん」

コーヒーを飲んでいると。

「ねえ、にいちゃん、たまには私とランニングしない?」

「パワーメーター付けたからローラー台でトレーニングする予定なんだけど」

「えー、こんなに可愛い妹が誘っているのに?」

「わかったよ」

「にいちゃん、大好き!チュッ」

「こら、朝から」

「じゃあ、夜ならいいのかな」

「何を馬鹿なこと言ってんだ」


 俺と妹は一緒にサイクリングロードをランニングする。朝の空気はひんやりして気持ちいい。妹は楽しそうに走っているが足が速くて付いていくのがやっとだ。ランも心配能力向上に有効で、ヒルクライムが速い人でもランでトレーニングする人もいる。走っていると後ろから聞き慣れた声が聞こえた。唯だった。

「おはよう御座います。今日はゆかりちゃんとトレーニングですか、頑張ってください」

「おお、唯も頑張れよ!」

挨拶だけして、自転車で俺たちを抜き去る。

「唯は頑張っているな」

「そうだよ。私も負けないように頑張る」

妹はピッチを上げた。付いていけない。

「おーい、速すぎ、追いつかないんだけど」

「にいちゃん、遅い!」

 

挿絵(By みてみん)


一時間弱走って、家に帰る。汗をかいたので俺はシャワーを浴びる。ざっと汗を流したので出ようと思っていると、脱衣所のドアが開いた。

「にいちゃん、まだぁ?私も汗流したいんだけど」

「今、出るところだから」

「わかった」

俺がタオルで身体を拭いていると、脱衣所で服を脱ぎ始めている。俺が出ようとすると、妹が浴室のドアを開けた。

「ハイ、交代ね」

俺は妹の姿を見て、固まってしまった。

「にいちゃんだからいいけど、マジマジ見られると恥ずかしいかな」

「ああ、ごめん」

俺は浴室から出て、ドアを閉めた。服を着ていると。

「にいちゃん、体がしまってカッコよくなったね、でも、太っていた時のなごりかな、お腹の皮が弛んでいるのはマイナスかな」

しっかり見られで俺も恥ずかしいんだけど。でも、妹とはいえ、文句の言いようがないぐらい綺麗で可愛い姿だった。それをしっかりメモリしてしまうのは漢の悲しいサガなんだろうか?まあ、同じ家に住んでいると、こんなことは珍しくないかな?ちなみに、母さんもかなり綺麗だ。まだ、三十代だし、体型も維持している。

 ところで、親父と母さんは一回り歳が離れている。俺を産んだ母親はラーメン屋が嫌になって離婚したらしい。離婚した後にシングルマザーでウチにパートで来ていたゆかりの母と再婚したと聞いている。


 シャワーの後は二人で朝食を食べる。ご飯は母さんが昨晩にこの時間に炊けているようにセットしてある。おかずは納豆と目玉焼きだった。


 食後は学校に行く支度をして家を出る。そして、いつものように唯と三人で自転車に乗って学校に向かう。途中、放課後に部室でトレーニングする約束をした。


 教室では凛や結城と自転車の話しをしたが、結城がニタニタしながら。

「登坂、高梨が好きなのはわかるし、一番後ろの席で目立たないけど、授業中に高梨の背中をツンツンするのはどうかと思うぞ」

「それは高梨君が居眠りしそうだったので教えてあげただけですわ」

「そうなのか?」

「くすぐったかった」

「それは良かったな」


  昼食は凛と向かい合い、パンと凛の弁当を分けてもらって食べた。凛の弁当は少し高級な感じがする。


 放課後、部室に行くと唯と妹がローラー台でトレーニングを初めていた。

「俺も後でローラー練するけど、今はウォーミングアップ中かな」

「そうだけど、まだ始めたばっかり、五分ぐらいかな」


俺は唯達がビンディングシューズを履いているのに気がついた。

「あれ?おまえたち、靴はどうした?」

「うん、先生がね、そろそろビンディングペダルに慣れた方が良いって、用意してくれた」

 確かに、絶対に立ちゴケしない固定ローラー台でビンディングペダルに慣れるのも良いかもしれない。

「俺も着替えくるから、それまではアップしていて」

「わかった」

「わかりました」

 

 俺は更衣室で着替えて、部室に戻る。

「じゃあ、始めはこの間と同じで、3分したら一枚重たくして、これ以上は重たく出来ない所で五分間、それを維持する。

で今の心拍数とパワーを教えて、メモするから。あと、ケイデンスは80ぐらいを目標にしよう」

俺はペンとノートを用意した。

「にいちゃん、私は心拍数が110で88ワットだよ」

「唯は?」

「えーと、心拍数が112で93ワットです」

「わかった。じゃあ、一枚重たくして」

「ハイ!」

俺はギアを重たくする直前に二人から心拍数とワットを聞いてメモをする。12分後、二人とも限界が近くなって来た。

「じゃあ、そのギヤで後2分、頑張れ」

「ハイ!」

「で唯、いまの心拍数とワットは?」

「175の165ワット」

「ゆかりは?」

「168の157ワット」


数値をメモして、2分後、

「はい、お疲れ様、ギヤを二枚軽くして、楽にしよう」

「ふう、扇風機の風が気持ちいいよ」

「汗がいっぱい出てます。お兄さん、タオルで拭いてもらえませんか?」


俺は二人の額の汗を拭いた。

「ビンディングペダルはどう?」

「足がずれなくて回してやすいよ」

「ビンディングペダルの使い方は先生に教わった?」

「嵌め方と外し方だけ、後はにいちゃんに聞いてだって、忙しそうだったよ」

「じゃあ、ペダリングの練習をするか。とはいえ、俺もよくわからないんだけど。基本的には膝小僧が一番上に来た時に一瞬だけ力を入れて、後は足の重さで回す感じ、そして引き足、普通のペダルだと足を上げる時もある程度踏んでないと足がずれてしまう。これで無駄に力を使ってしまうんだ」

「にいちゃん、よくわからないよ」

「そうだな、膝小僧をボールだと思ってバスケットのドリブルみたいに上に来た時に叩く感じかな」

 俺は妹の膝を叩いて力を入れるタイミングを教えた。

「そう、そんな感じ」

「あっ、なんかわかったかも」

「お兄さん、私にも教えてください」

「わかった。唯はパワーがあるから長く踏んでしまいがちかな?クランクを時計のように考えるとペダルが一番上が12時で、ここから踏み出して、3時が一番効率よく力を入れられる。後は踏んでも推進力にならないから力を抜いて」

唯の膝も叩いてタイミングを教える。唯の太ももは柔らかそうだったので、膝と言うよりは太ももよりだけど。

「ありがとうございます。私も分かった気がします」

「それで引き足だけど、あまり意識すると踏み込むタイミングが遅れるので、注意しないといけないけど、ペダルに踏む力が残らないように、シューズを踵で引き上げる感じ」

「やってみます」

「そろそろ、心拍数が落ち着いたかな、今の心拍数とワットを教えて」

「にいちゃん、私は132の115ワット」

「私は140の118ワットです」

「じゃあ、ギヤを二枚重たくして、ケイデンスは80以上、5分頑張れ」

「はい!」

「はい!」


 5分後踏んで、2分間ギヤを二枚軽くこれを3セットやらせて、後は10分クールダウン、俺は5セットぐらいやるが、今日はこんな感じでいいか。

 妹たちがローラーから降りた後、俺も

ローラー台でトレーニングする。先日はFTP200wを目標にしたので、今日はFTP210wを目標に210÷0.95=221wを目標にした。

俺が全力で回していると、妹たちが。

「にいちゃん、頑張れ」

とか。

「お兄さん、カッコいい!頑張って!」

と応援してくれるおかげで元気がでて、20分間、225wでFTPは213wだった。心拍数は170を超えて、きつかったけどもう少しいけそうだ。

 トレーニング後はシャワーを浴びて、三人で暗いサイクリングロードを自転車で走って、帰宅した。


 水曜日はチームのミーティングの日だ。

 今朝は布団に侵入者はいなかった。 俺が目覚めのコーヒーを飲んでいると妹が二階から降りてきた。

「おはよう。にいちゃん」

「おはよう。コーヒー淹れといたから」

「ありがとう。チュッ」

ソファーの後ろから、俺のほっぺにキスした。まあ、家族のキスだからいいけど。そう言えば、妹は最近になって妙にベタベタしてくる気がする。中学の時はもう少し距離があった。もっとも、俺も女性らしくなり始めた妹を意識して避けたとか、アニメにハマった厨二病になったとか色々あった。妹も部活中心だったり、反抗期みたいのがあった。

 

 コーヒーとお菓子を少し食べて、ローラー練を始めた。妹はいつものように、ランニングに出かけた。今日はやっと家でパワーメーターを使ったトレーニングができる。FTP測定は昨日やったので高強度インターバルトレーニングをすることにした。

 始めは100wからスタートして、三分毎に一枚重たくして、心拍数が160まで上がったところで、一旦、ギヤを軽くして、心拍数が落ち着いた所で、ギヤをガンガン重たくして、300wで何分耐えられるか試した。結果は2分だった。その後は1分300w、1分楽にの繰り返しのインターバルを6セットやってみた。

 

 いつものように三人でサイクリングロードを走り登校した。

 放課後は部室に集合して、ミーティングをした。1週間の練習内容の報告をして、それに対して先生がアドバイスをしてくれた。あとは週末と29日(金)の休みのトレーニングについて、俺は土曜日は赤城で日曜日は唯とトレーニング、結城は土曜日はサッカー部で日曜日は榛名、女性は29日と土曜日はサイクリングロードを中心に走るそうだ。

 それと29日の休みはハルヒルの試走を結城とすることにした。


 そして、帰宅して少しだけ勉強して、入浴した。体を洗って、湯船に浸かっていると、脱衣所に妹がきて、服を脱いで浴室のドアを少しだけ開けた。

「にいちゃん、入るよ。恥ずかしいから目をつぶって」

「えっ?」

妹が入ってきたので、慌てて目を閉じた。妹は洗い場の椅子に座って、シャワーを浴び始めた。

「目を開けてもいいよ」

指示通りに目を開けると、妹は俺に背を向けて体を洗っている。

「どうしたんだ。珍しいな」

「そうだね、何となくかな、ダメじゃないよね」

「まあ、おまえが良いなら、いいよ」

「うふっ、良かった」

最初は緊張したが、前はいつも一緒に入っていたのと、お風呂は気持ち良いのでだんだん緊張が溶けてきた。しかし、きれいな後ろ姿だ。シャンプーとリンスの時間は長かったが洗い終わるのをまった。シャワーで泡を落として、立ち上がり振り向いた。

「お待ちどう様、ちょっと詰めて」

 俺が前にスペースを作るとそこに背を向けて入ってきた。

「ふう、極楽極楽、なんつって。にいちゃん」

「なんだ?」

「私が入っても、お湯が溢れないよ」

「多分、父さんと母さんが一緒に入っても溢れないように調節してあるんだろう」

「母さんたちはいつも一緒にお風呂に入るよね」

「ああ、仲良いよな」

「私たちも仲良しかな?」

「まあ、悪かったら、一緒に風呂に入ったりしないよ」

妹はグリグリ背中を押し付けてくる。

「ああ、気持ちいい。中学の時はなんとなく、一緒にお風呂入らなかったけど、やっぱり、一緒がいいよね」

「微妙なところはあるけど、悪くは無いな」

「ふーん、怪しいな、けど、これからは、また、たまには一緒に入ろよ」

「俺は構わないよ」

「へへ、この次は洗いっこしようね」

「ああ、頼むよ」

「だけど、エッチなのはダメだからね」

あの、そう言ったことは考えないようにしてたんだけど。

「あっ、にいちゃん、お尻に硬いものが当たるんだけど」

「悪いけど俺は先に出るわ」

ざばーんと俺は慌てて前を抑えてながら風呂を出た。


 いつものように二人で夕食を食べたあとテレビを見ていた。

「にいちゃん、ゴールデンウィークは自転車三昧かな」

「大体そうかな」

「登坂先輩とはデートとかしないの?」

「ああ、後半にサイクリングに行く予定だ」

「そうなんだ」

 寂しそうだったので。

「俺と走りたいか?」

「うん、唯ちゃんも一緒でいいかな?」

「ああ、後で計画しよう」

「にいちゃん」

「なんだ」

「へへ、大好きだよ」

「俺もだよ」

「今日は一緒に寝ようね」

「いいけど、母さんとか大丈夫かな」

「大丈夫だよ。逆に最近は一緒に寝て無いから仲が悪くなったのか心配していたぐらいだし、母さんはエッチなことしなければ、OKだって」

エッチなこととは、どこまでなんだろか?まあいいか…

2023年の赤城山ヒルクライム大会が終わった。今年からコースが変わって計測区間が短くなった。時間的には5分くらい。途中、ボトルを落とすという痛恨のミスがあったけど、去年並みに走れたので、まだ頑張れる気がした。

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