第三十四話 伝説と現実
【 豆知識:富の石像 】
昔話に出てくる架空かもしれない美女が由来するもの。
あまりに財宝が好きすぎて、
魔法の水瓶に入れた財宝をいつもかついで持ち歩いている。
そしてそれは不正を行っても増えていく『コイン』のたぐいだとうわさがたった。
調べが入って、一番価値のありそうな大きな小判を、足で踏んで隠した彼女。
役人が足をどけなさい、と言っても動かなかった彼女はついに石になってしまう。
歴史上何かの記念に石像が各所に建てられたらしい。
売り言葉は、彼女にコインをあげるといいことあるよ、だ。
国が管理しているらしい。
何が交錯して勘違いが起こったのか分からないが、恋愛を司っているという噂あり。
なので恋人同士が富の石像にコインを投げて、気休めをするらしい。
富の像を建てることで儲かった金は、福祉活動に使われる。
まったく、素晴らしいシステムだ。
綺麗なのかどうか分からないが、面白いので美しい。
■『富の像』の伝説を思い出し、ひらめくに小判を像の足の隙間に差し込んだ。
すると水瓶の中から、宝石が出てきた。
空色の勾玉と、マスカットのような黄緑色の真珠の長い数珠を手に入れた。
おそらくこれが、『運命の碧』だと思ふ。
姫に献上にいたるに、喜んでいたと聴く。
そして姫より、その『運命の碧』ふたつを、もらい受けた。
それから少しして、姫は寿命で亡くなった。
■葬式の一部に参加することになり、意外にも白い衣を指定される。
袖とすそのあたりに、黒い刺繍がしてある。
葬式を黒で統一するのが当たり前な里で育ったので、白い衣は意外だった。
[豆知識:葬式の白い衣]
私の里では「喪」を現わすために黒基調の衣を指定される。
黒、というものがエネルギー的に「喪」をイメージしやすいかららしい。
それに対して、「喪」のために白い衣を指定する葬式もあるそうだ。
そちらの思想言わく、「無垢に還れ」と言うイメージらしい。




