第二十三話 ブロッコリーの意味不明な感じ
ひょんなことから畑仕事を手伝った。
なんでも大根の間引きしたやつは美味しいので手伝ったら料理してくれるらしい。
それから『白いブロッコリー』の畑をはじめて見た。
昔、チョウが言っていたやつだ。
「色が抜けるまで煮込んだやつだと思っていた」とか言っていた気がする。
俺の小さい頃住んでいた地区では、まだその野菜は普及していなかった。
チョウは別の地区から引っ越して来たから知ってた。
白いブロッコリーは『カリフラワー』と言うらしい。
夜頃になると酒の肴としてペペロンチーノになって出てきて、
間引きした大根の煮付けも美味しかった。
なによりなかなか家の主人と話が盛り上がった。
なぜかここらの伝説では、神は耳から魚を出すらしい。
それでその魚がどうなるのかと言うと、その神が食べるらしい。
童子が料理するんだそうだ。
まぐろとイカが出てくるのは珍しいことだと言う。
それからカリフラワーには、最近、水色とオレンジがあるらしい。
まず口にした最初のカリフラワーが白いやつでよかった。
なぜか「カリフラワーは白がいい」と血に刻まれているから。