第弐話 幼馴染との再会と極上の酒
気に入った酒のあては、赤イカと言うらしい。
食紅で表面に色をつけてる、加熱調理したイカのスライスだ。
王からたまわった助成金で旅日記を書く。
うまくいけば、出版だ。
王宮で働く幼馴染と、酒を許された。
月夜に、月宮での酒。
しかもはからいで、飲みたかった最高級の酒。
王宮でしか飲めない酒をいただいた。
さて、これはおかえしせねば。
昨晩は楽しいひとときであった。
旅のはじまりだ。
この旅の目的については、見聞。
そして見聞書を出版することである。
昨今この国では物書きが希少であるから、
旅に出るなんてそうそういない。
そこに来て、王からの助成金。
旅人作家アリアス・サカユとして
有名になったら、モテるかな、と思った。
ただ、王が望んでいる見聞録にならねば
これは出版されないそうだ。
助成金をもらったし、しょうがないような気がする。
※この件の助成金の総合金額は記さない契約をしている。
そこは了承していただきたい。
当方の旅の仕方で、
旅人作家への助成金の上限か下限を定める予定らしい。
とにかく幼馴染いわく、
自分らしく書けばいい、と言ってもらえた。
私は魅力的だと思ったものを、書き残したいタイプだ。
空だったり、花だったり、酒だったり・・・
まとめて、※『蝶』だったり。
(※まだ書くかどうか分からない。)
これは別の書にも書いておいたが、
対面した対象物の魅力的な部分。
それを自分なりに書き残しておきたいから、物書きになった。
そこらへんを買われて、結羽を目指している幼馴染が一役買った。
それがこの旅の、たいがいの事情。