第十九話 妙なうわさを耳にして
この世界グラノノエールには、物書きや作家が少ない。
不理解者もいて、陰湿だったりする。
うわさなどの例に挙げると・・・
腕がいくつもある者が、
高速で写本をしていて「印刷所か編集部」というそいつは、
好色らしいから危険人物、などと言うものだ。
うさわをたてたそいついわく、
我々作り手は「キモい連中」らしい。
王宮の書官に、腕が六本あるやつがいる。
仕事ができるし、モテている。
多分例に挙げたうわさはそこからなのだろう。
そいつは時々、「腕が言うことを聞かない」とか、私的面白だ。
腕とケンカしているのを見たことがある。
その者はチョウの口利きで、その才能を活かし、物書きになりつつある。
この間、チョウと共に宿に泊まった時に聞いた話だ。
大変に嬉しく思う。
チョウも、結羽に近づけた気がしてほこらしいと言っていた。
そんな私は、額に角を持っている。
いつか、
編集部に角を持っているやつがいて、そいつは好色だと
妙なうわさでもたつのかもしれない。
正直、私はモテている。
それからチョウに認められたい。
旅人作家として。
チョウが俺の結羽だったらいいのに。
今は以上だ。