第壱話
まず、この記述を読まれる方へのあらかじめの前知識を記載する。
これは読みすすむにあたり、重要なことかもしれない。
書記者、つまり「私」の名前はアリアス・サカユ。
物書きとして、旅人作家だ。
一冊、前に出版している。
それを縁に、今回の旅は始まる。
[ 書記者アリアスの身体的特徴 ]
母親ゆずりで額に角がある。
獣人なのか微妙。
多種混合系について、アルポルガス。
それを活かして生きてる件について、案外とモテる。
最初から言っておくが、私の許容範囲は、ヒトガタだ。
[ クロノピリスとアルポルガス ]
その姿が人種として顕著なことをクロノピリスと言ふ。
ドワーフやエルフ、小背などが有名だろうが、
私みたいにヒトガタに産まれ、だんだんと
額の角が立派になっていく人種について、
クロノピリス、なのかどうかは、現在曖昧だ。
クロノピリスに対して、アルポルガスという体質だと診断された。
アルポルガスは、黄金比の姿の上に鼻から下の毛がはえない体質だ。
美しい、という特殊能力を持つ者のこと。
神に最も近い種族、と呼ぶものもいる。
割合的に、貴重だと言われていて、簡単に言うと、モテる。