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傭兵の解釈

「それに初戦では私の出番はありませんよ」


 吐き捨てるような吉田の言葉にゴンザレス将軍は合点がいったと言うように頷きながら灰皿に葉巻を押し付けた。


「確かに……兼州離宮が戦場になるにはまだ時間がかかる」


 ゴンザレス将軍の言葉に吉田は頷いた。


「そう、今回の戦いの最大の目的は遼州の正統を示すこと……今だに東宮を称している遼献殿下の首をとるのが目的だ」


「わかっているんじゃないですか……そうなると『外憲』の連中。いつまでも放置しているわけにはいきませんよ」


 『外憲』という言葉にゴンザレス将軍は頬を引きつらせる。


「あいつ等は戦場をでかくすることしか考えていない」


「そうでも無いですよ。戦場が広がれば非正規部隊にはそれなりの使い方がある。実際あの真田とかいう隊長。潜行偵察任務を快く引き受けてくれましたから」


「非正規戦の専門家同士の話のつけ方か……で、敵の裏側はどうなっている?」


 ゴンザレス将軍のその言葉を聞くと吉田はそのまま中央のモニターまで近づき、首の後ろからコードを取り出してジャックを差し込んだ。


 すぐに画面が切り替わり、兼州の地図が映し出される。


「敵の主力……あの『紅籐太』の部隊は兼州離宮に張り付いています。情報ではアサルト・モジュール七機で構成された機動部隊です。同じくカグラーヌバの私兵も兼州から動く様子がありません。消耗を嫌っているのでしょう」


「つまり攻撃してきているのは甲武浪人の跳ねっ返りと民兵組織が中心というわけか……」


「はい、甲武浪人は百戦錬磨ですからね……実戦経験の少ない我が方は苦戦を強いられてはいますが……多勢に無勢ですな。それに南都の部隊が加われば形勢は瞬時に逆転するでしょう」


「そうなれば離宮に張り付いている敵の主力も動かざるを得ない」


 ゴンザレス将軍の言葉に静かに吉田は頷いた。


「勝つと決まった戦争です。あとは勝ち方ですね」


 にやりと笑う吉田の表情にゴンザレス将軍は直感的に微かな恐怖を感じていた。

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