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私の存在はあなたを苦しめる?
世界を焼き尽くすような陽射しが、どこまでも降り注ぐ中で、私はひたすらに走っている。
もちろん、好き好んでこんな事をしてる訳じゃない。
動かないでも汗が噴き出す、この季節だ。
歩くだけでも避けたいのに、走る私にはどうしようもない理由がある。
その理由というは、他でもない。
私の目の前で走っているコイツのせいだ。
周囲に生い茂る草木や、花々をランランと見渡しながら颯爽と駆けていく。
どんな声を掛けても、どこ吹く風のごとく反応はない。
これを、無我夢中というのだろうな。
虫に囲まれて、無視される。
私の頭まで逝かれたようだ。