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夜行鬼  作者: 参望
《登場人物一覧・作中用語集》
3/168

【各エピソードの初登場キャラクター一覧(新着順)】

●9話『鉄籠の鬼』の登場人物

武石(たけいし) 虎継(とらつぐ)』(28)

・天竜の国(信州と甲斐の辺り)の国主で、人間側の天下統一した猛者。

 今度は人間の次に、今度は鬼を根絶して種族を越えた完全な統治を目指す。

 父親は晴虎。甲冑や鉄砲を大量生産出来る程、豊かな国を築く。

 目的の為なら、非人道的な策でも決行する。

 最新の鎧や武器に拘りがあり、西洋の技術を取り入れた特注の赤い甲冑を着込んでいる。鎧と兜は人前で脱ぐ事が無く、寝る時以外は自分の部屋でも着たまま。



『シィ』(17)

・虎継が抱える、鬼と人間を交配させて造った半鬼の兵『甲武鬼兵』のエース的存在。

 名前は実験体の雌鬼から四番目に生まれたの子で、「し(四)」を伸ばして「シィ」。尚、先に生まれた兄弟達は奇形や未熟児で、病気で早死に、もしくは兵器にならないと殺処分されている。

 顔には彼女が母親の鬼に懐こうとした時、理性を失った母親に引っ掻かれて皮膚を無くした時の傷跡がある。

 怠そうな話し方と動きをする。

 戦いを好んで暴走しそうになるが、他の甲武鬼兵の面倒を見てまとめたり、調教により虎継には従順だったり、冷静さもある。

 得物は太いトンファー。


『キュウ』(15)

・虎継が抱える、鬼と人間を交配させて造った半鬼の兵『甲武鬼兵』の一人。

 名前は実験体の雌鬼から9番目に生まれたの子なのでキュウ。

 怒りっぽく、一度暴走すると手が付けられない。

 ジュウニの事が好き。

 得物は金棒。


『ジュウニ』(14)

・虎継が抱える、鬼と人間を交配させて造った半鬼の兵『甲武鬼兵』の一人。

 名前は実験体の雌鬼から12番目に生まれたの子なのでジュウニ。

 従順で可愛らしいが、恐ろしい程空気が読めず、他人の気持ちを考えるのが苦手な頭の弱い少女。

 3人の中では一番の怪力で、人形遊びでいつも力加減が出来ずに人形を壊して泣く。

 シィに鬱陶しがられてるが、彼女を姉のように慕って懐いている。一方でキュウに好かれているが、あまり興味を持っていない。

 得物は鉄板のようなバスターソード。



菅井(すがい)』(30)

・甲武鬼兵の育成を任されている武石兵の一人。

 元々厩で馬の繁殖に携わっていたのを理由に、急に鬼の繁殖ををやれと晴虎に無茶振りされる。

 鬼と人間の交配と調教という前代未聞の仕事を任され、0から試行錯誤の繰り返しでかなり苦労してきた。

 任務遂行の為に、無理矢理暴れる雌鬼と捕虜の実験体を交配させて失敗した挙句死なせたり、非人道的な事もしたが、あくまで仕方なくして来た事であり命を軽視してる訳ではない。

 ぼやきや溜息が多い。

 ストレスが溜まる仕事なのか、常に虫籠を持ち歩き、イライラするとその辺にいた虫を籠に放り込んで戦わせて遊ぶ。



『黄環』(25)

・薄紅天鬼の薄重の娘。

 父の依頼で代理出産の仕事を請け負っている。出産や行為に関する方に才があり、身内からも他部族からも一目置かれるようになる。

 政略結婚で形だけ緋寒と結婚し、珠を産む。その時、元実が緋寒に黄環と子を成す事を強要し、また黄環も行為中に緋寒を煽ったせいで、緋寒に片腕を喰い千切られる。父の薄重は娘を傷物にされた怒りで、子供は将来渡すが同居は拒否とした。

 高飛車で仕事へのプライドがあり、見下されるのは嫌い。少し子供っぽく我儘な所もある。

 緋寒の事は、腕を奪われた事はあまり怒っていない。緋寒を悪くいうが、自分に唯一惚れなかった男なので本当は気になっていて、振り向いて欲しかった。

 珠の事は母親として愛そうとしたかったが、彼女の性格と立場故、子供の愛し方がよく分からず、からかうような事ばかりしてしまっていた。



『薄重』(見た目は30代前半、実年齢は人間だと50歳くらい)

・薄紅天鬼の族長。

 世継ぎが出来なくて困っている一族の子供を娘に代理出産させることで、有力な部族へと繁栄させた。

 女が喜ぶ淡麗な顔で、女の扱いに慣れている。

娘は20人、息子は20人(半分は朱天鬼の方で働いている)。

 妻は8人で重婚。情だけが理由でなく、戦で未亡人になった雌鬼や体の弱い雌鬼を保護する目的で招き入れた。重婚でも一人ずつ丁寧に愛すなど乙女心に配慮したこだわりがある。

 初子の薄雪を男の鬼に集団暴行されて失う。そのせいで、戦に出る事を許した自分の甘さを後悔し、教育の為なら体罰を取るようになる。

 娘を思うあまり、男を見る目は厳しい。




●8話『番う鬼』の登場人物

『萩ノ(はぎのすけ)』 (法名は『秋草』)

・小さな寺に住む画人。

 八重と夫婦になる予定だった男。歳は八重と10近く離れている

 元々とある武士の出身で、文芸で生計を立てようと手頃な寺へ出家した禅僧。写経や仏事をそっちのけで、水墨画などの絵に熱中し過ぎて破門されかけた事がある。

 僧侶でありながら髪は剃っておらず、美しい女体や筋肉質な男体を眺めて絵として昇華するのが好きな生臭坊主。

 性格は少年のように無邪気で変わり者。常識に囚われず物事を深く考えた上で善悪や真実を導き出したり、いざという時に無力でも弱き者や道理を守り通す強さもある。

 絵を描く時は誰も寄せ付けない程の鋭い目付きになり、食事や睡眠を忘れて没頭する。

 八重を描いていた他に、蒼と冠羽に偶然出くわしてインスピレーションを受け、筋骨隆々な鬼を描いてた事もある。(八重には内緒で)


 絵は物語や空想を交えた美人画や仏画、無骨な鬼・武人などの人物画が多い。要所で繊細な線と荒々しい線を使い分けるのが得意。常に新しい画法を模索して、人々を驚かして飽きさせない努力をしていた


 ※鎌倉・室町の頃は女犯への取り締まりがまだ緩い方だったらしいので、彼が普通に八重と結婚しようとしてるのはそういう事なのかもしれない。

 また直接的な例という訳ではないが、実際に歴史上で結婚という禁止事項を敢えてやった僧として浄土真宗の宗祖である親鸞がいる。(こちらはちゃんとした思想に基づく理由から断行していて、革命的意味合いが強い)




●都防衛編『天下・百鬼角狩合戦』の新しい登場人物


壱耀(いちよう)』*名前は一葉桜(いちようさくら)と言う桜から

・犬穴の里という山間部の小さな秘境で山犬と狩猟をして暮らす小さな部族の長。元実の遠縁であり朱天鬼の亜種・銀朱天鬼。

 元々、独立した部族として他部族と殆ど関わらずに静かに暮らしていたが、赤鬼統一戦争で赤天鬼が朱天鬼によって統一された事により、止むを得ず朱天鬼の本家(元実及びその父・関緋の一族)人間侵略に戦力を貸すことになる。

 本心では、人間が魔除け札などで自身の領土を広げる事で鬼達の活動範囲が狭まって狩猟が出来ず生活が苦しくなると理解していながら、何者にも従わず元の自由な生活に戻りたいとも願っていた。

 変化すると狼のような鬼になるのは、彼らの部族では成人の儀式として強い山犬に戦いを挑み、打ち勝ってその血肉を糧にするからだと思われる。

 性格は義理堅く、真面目で家族想い。遊びや良い戦い楽しみたいという純粋な心もある。

 万耀の事は鬼として強く生きていけるように厳しく育てながらも、早くに母親を戦いで亡くしたので寂しい想いをさせないように不器用ながら深い愛情を注いで来た。


万耀(まんよう)

・壱耀の息子。

 父親の後を付いていきながら族長の仕事や他部族との関わりを学んでいる最中だった。

 名前は『一(壱)の輝き(耀)が万の輝きに』という願いを込めて名付けられた。

 強そうな相手の前では気持ちで負けないように高圧的な態度を取っているが、反対に無害な動物や弱者の前では物静かであり、根は臆病で甘えん坊。思慮が浅く体から先に動いてしまうのをコンプレックスに思っている。

 母親が自分を庇って早死した影響か、苦労して育ててくれた父を大切に想い、父親や家族が貶されると激しく怒る。


空鬼(そらおに)

・緑色の体色で、猛禽類のような嘴と目、羽毛、大きな鳥の翼を持った鬼。

 本来は富士山や槍ヶ岳など限られた場所にしか生息していない希少種。

 スナイパーのように遠距離、特に上空から狩をするのが得意。

 人間によって生息域を狭められた結果、傭兵として上空から人間や鬼の元で働く者が現れるようになった。


胡火岩(こひがん)』*名前は小彼岸桜から

・元実に仕える由緒正しい血統の朱天鬼。

 強い個体同士の間に生まれた事を自負し、また、血統を絶対と信じて疑わない思想の天鬼を従えて育ったせいか、鬼本来の強さを極める事を疎かにしてきた。

 自分が戦わずとも敵に打ち勝つ事に興味を持ち、人間の兵法を学ぶ。


桃花(ももはな)紅梅(こうばい)

・双子の女天鬼。「乳母鬼衆」と呼ばれる鬼や合成妖怪の育成・調教を行う役職に就いており、その中で岳鬼の育成を担当。

 元は白妙の人鬼だったが、彼女の死後に人鬼の契約が解消された際に白妙の魂が自分の血を受け継ぐ許可を与えた事で天鬼として生まれ変わる。

 実は3話パート1で尼に化けて農民に獄鬼になるように勧誘していた女達と同一人物。


土蜘蛛(つちぐも)

・1000年以上も前の大昔に坂上田村麻呂が退治したと言われている巨大妖怪。

 8人の天鬼が呪術によって合体し、巨大蜘蛛へと変化した姿。

 頭部に黄金に輝く8つの目と、鬼の角にも似た8本の立派な鋏角(きょうかく ※蜘蛛のような節足動物に見られる牙のようなもの)、白い鬼の鬣、ムカデのような長い触角がある。

 足一本一本、目の一つ一つはそれぞれ一匹の天鬼の物で、胴体部分は名も無き地底の神が授けた分身だと言われている。

 体をバラバラに切って復活しないように一個一個の部位を遠ざけて鬼塚に封印されてたが、朱天鬼の兵器開発部によって復活させられる。


『綱隊の新人』

・基本訓練を終え、綱隊に新しく配属されたばかりの新人。

 昔、自分の住んでいた村が赤鬼に攻められて壊滅しそうになった時、射貫率いる綱隊に助けられた事がある。

 復興で生活が苦しくなって家族を守り食いつなぐ目的で角狩衆に入ったという理由もあるが、付近の村が完全に侵略され自分の村もまた攻められて完全に奪われるのでは無いかと考え、戦う事を決心する。

 真面目で責任感が強く、誰かを守りたいという意志が強い余り、遊びや冗談、妥協を許せない。

 また、隣村の赤鬼の侵略で捕虜や捕食など、鬼が人間にして来た事を間近で見て来たせいで、鬼との共存などあり得ないと考えている。


『もず』

・卜部隊の副隊長で斗貴次郎の部下。

 実は3話から登場。天津城の戦いで斗貴次郎の側についていた女性と同一人物。

 木次郎が信頼している教え子でもあり、斗貴次郎の側にいて彼女に助言したり、研究の助手をしたり、代理で指示出しを行う事もある。

 母性が強く、統率者として動くよりも誰かを守って支える事を大事に考える。


五平(ごへい)

・射貫と付き合いの長い、綱隊の部下。

 実は3話に登場。射貫ついて斗貴次郎に話していた人物と同一人物。

 話し方がやや緩いが、仕事は真面目にこなし、逆に射貫の世話を焼いている。

 無茶ばかりする射貫に正直に不満をぶつけながらも、彼が曲げない志を尊重している。


『くじな』*名前は古語で『たんぽぽ』の意味。

・万耀が移動で乗り回している大きくて白い山犬。

 くじなの母親が自分の子であるくじなと一緒に、まだ乳児だった万耀の世話もしてくれていた。そして一緒に遊んで育って来たせいか、くじなもも万耀も互いを兄弟姉妹のように慕っている。




●特別編『酒呑童子の変』の新しい登場人物


隠岐(おき) 波綱(なみつな)

・6代目の頼光。

 武家貴族の出身であり、戦いも、指揮も、交渉も得意。

 先代の酒呑童子を退けた実績や、魔物退治の実績があっても、意外と地位は低い。それどころか神仏の力を借りてる以上、人を殺す戦の役には立てず、公家達からは昼行灯呼ばわりされていた。

 冷静沈着で厳しい顔や無表情が多いが本当は優しい。

 病気と役柄で子供を持てないので従者である百之助を息子のように思う。

 クシナダの鎧の浄化の力のせいで、年々身体が悪くなっていたが、仕事では心配させまいと気丈に振る舞っている。

白内障、甲状腺異常(橋本病に酷似)、体重減少、骨粗鬆症、虚血症、生殖器の不全などの病気をいくつも患っていた。


鬼退治が無い日は訓練と情報収集、投薬治療。

百之助と囲碁をするのが唯一の息抜きだった。



大賀(おおが) 三成(みつなり)

6代目・渡辺綱

波綱の古い友人。

弦の硬い長弓を操れる剛腕の持ち主。長弓だけで鬼の硬い皮膚を撃ち抜く事が出来る。

性格は誠実で、真面目。

声が大きく、よく周りに注意されて凹む。



漁火日吉丸いさりひひよしまる

6代目・碓井貞光。

美女を放っておけない好色男。

紳士的で色男だが、諜報を得意とする隊の者だけあって食えない部分がある。

小太刀の二刀流使い。

愛弟子で20近く年が離れた宮比に「諜報の為の訓練」だと称して体の関係を持たせていたが、結局本気で惚れてしまい最後の最後で求婚する事になる。



熊切(くまぎり) 金平(かねひら)

6代目・坂田金時。

戦闘狂で男勝りの大女。男顔負けの筋肉質な体の持ち主。

楽しくなると武器を捨てて素手で格闘してしまう悪い癖がある。

その割に鉞の事を「旦那の緑青」と言って可愛がっている。

緑青は死んだ幼馴染の鍛治師の名で、鉞はその男の作品だったという噂がある。



葦賀(あしが) 義正(よしまさ)

 葦賀家8代目将軍。

 将軍でありながら、文化人。能や物語が好きで、凝った比喩などを口にする。

 頼光四天王の新しい物語を執筆して能の演目にする夢があった。

 政治や戦の腕前は並。

 人間同士の権力争いによる内乱を止めようとしていたが、人望が足りず鎮圧できないまま、酒呑童子の変で死亡。



白嶺(はくれい)・6代目』

頼光の称号を持つ者だけが乗る事を許されている白馬。

浄化の影響を受けにくいと言われている。

元は寺社などに奉納されていた神馬。足腰や賢さが優れた個体を選び抜き、鬼退治の為の調教を受けさせる。

死んだ場合、再び探して育成するのにかなりのコストもかかる為、ここぞと言う所でしか乗る事が出来ない。




●7話『破業の鬼・翔の巻』の新しい登場人物


『蒼』

・青鬼の天鬼。

 八重の父親。妻は旅の巫女だった人間の与紫乃。

 鬼形態の体色は群青色で、雷を用いた術と拳による強力かつ素早い連続打撃が得意。その強さは酒呑童子の緋寒が認める程。

 冠羽が阿陀護村に来る前の幼い頃から、隣村の洞窟で一人で暮らしていた。

 幼い頃に人間に迫害を受けた経験がある。

 ある事情から、八重が生まれてからは妻子の前から姿を消し、陰から見守るようになる。

 基本的に無愛想で、素直になれない性格。友人であれ、恋人であれ一度心を許した相手には一途。自己評価が低いせいか、相手に幸せを与えようと自己犠牲になりがち。




●7話『破業の鬼・起の巻』の新しい登場人物


平善(へいぜん)』(本名は「フェルゼン」日本人に馴染むように勝手に改名された。)

・富士に住む鉱童。(西洋ではドワーフと呼ばれている。)

 角狩衆の協力者で鍛治師。主に人間では作れない魔力を秘めた鎧・武器の製作やメンテナンスを得意とする。

 先祖は太古の昔にユーラシア大陸から日本列島に渡り、富士山周辺でひっそりと暮らしていた、その生き残り。

 先祖代々鍛治の神『芭瑠觀(ばるかん)』(ヴァルカン=ヘーパイストス)を信仰している。



『帝』

・日本に似たこの島国の中で建国の神々の血を引くと言われている皇族。

 酒呑童子の変があった時はまだ10歳にも満たなかった。

 争い事を好まない、穏やかで純粋な心の持ち主。

 しかし、政治では権力者達や時代の勝利者の元で、権力を示す所有物として扱われている。

  


『オミナ』

・五暁院の墳墓の下にある晶洞の最深部にある地底湖に眠っている少女。

 通称・晶洞の巫女と呼ばれている。

 古代に鬼の襲撃を防ぐ為、浄化の力を操る為の人柱となった巫女だと言われている。

 太古の呪術によって仮死しているが、祈りで洞窟の自動浄化システムを調整したり、幽体として移動したり、生きてる人間に憑依したり出来る。

 退魔の武器・防具であるクシナダの鎧とスサノオの剣と魂が繋がっており、帝の許可か彼女が認めた人物にしか力を貸さない。

 また巫女と魂を深く繋ぐ為、夫婦の誓いを立てる決まりがあり、長い時の中で何人もの夫の生き死を見守って来た。




●『6話・烈風の鬼』の登場人物

紅鳶(べにとび)

・天鬼の鹿和津が従えている人鬼の一人。朱天鬼の中で一眼置かれている。

赤鬼の中で名の知れた追跡者であり、単純な駆ける速度は酒呑童子の見張り役である東雲にはやや劣るが、身体能力や経験の豊富さから索敵能力が高く、また追跡者の考えを読み取る洞察力もある。

出世欲が強い。身分が良くても現場が上手く動かせない鹿和津の人鬼になった理由は、出世の為に扱いやすいと思ったから。

人間時代は上忍の忍びだったが、仕事の汚さやスリルの面でまだ物足りないと感じ、鬼の道に手を染める。



挿絵(By みてみん)

冠羽(かんば)』*名前は樺桜(かばざくら)から。

阿陀護(あたご)村に守り神として崇められている青鬼の天鬼。

 鬼形態の体色はスカイブルー。風神を思わせる風袋のような膜を生やしている。人間形態の見た目は子供。

 風など自然の中でも空気に関わる天候操作や術が使える。俊敏さ・手数・駆け引きで敵を翻弄。

 お調子者で欲望に素直。怠け癖があるが、本気を出すと計算高く丁寧な仕事をする。友達想い。


 昔から悪戯好きの青鬼でやりたい事を何でも好き放題やっていたが、明るく義理堅い性格で、里の村人からは昔から好かれていた。

 何かと、近所だった八重の父を気に掛けてやっており、村の危機の時には共にタッグを組んで戦っていた。

 八重の父が人間と禁断の関係に陥った後も、少し寂しい想いをしながらも、温かく見守る。失踪した後も、残された八重とその母親達を時々見守ってやっていた。



挿絵(By みてみん)

雛菊(ひなぎく)(7)』

阿陀護(あたご)村の住人。

 冠羽を慕う純真可憐な少女。

 冠羽が大きな子供みたいだと思い、自分から世話を焼く。



鹿和津(かわづ)』*名前は河津桜から

・珠の付き人。大志摩の甥。

 朱天鬼の鬼だが、一族同士の繋がりを強める政策の為に薄紅天鬼の里へ出張して珠の側に付いて世話をしていた。

 血筋も、頭も、容姿も悪くないが、要領があまり良い方ではなく、損な役回りが多い。

 珠との無茶な追いかけっこで相当鍛えられたので、足が速い。この能力は彼の人鬼の紅鳶に継承されている。



大志摩(おおしま)』*名前は大島桜から・見た目のモデルはハルクホーガン。

・朱天鬼の一族の家老のような存在。

 老人ではあるが、妖力と強い精神力のお陰で強靭な筋肉は若い時よりも少しも衰えていない。

 昔は元実の教育係もしていたので、赤鐘の次に元実が信頼している。陽光の教育係も担当している。

 赤鐘が軍事の管理を任されているのに対し、城内とそこで働く天鬼達の管理などを任されている。

 元実より怒りっぽかった関緋との付き合いで鍛えられたせいか、洞察力に優れている。他、部下にちゃんと責任をとらせるなど、人の扱いにも慣れている。



弁柄(べんがら)

・6話前編で三ツ葉と戦って負けた、鹿和津の女人鬼。

 何人かいる人鬼の内、鬼になりたての下っ端だった。

 鬼になる前は病で途方に暮れていた遊女だった。

 ヤケ酒で酔った鹿和津と偶然出会い、必死の色仕掛けで人鬼にして貰った。



●『5話・暁の天鬼』の登場人物

雨樹(あまぎ)』 *名前は桜の天城吉野から

・元実の正妻であり、陽光の母。優雅で妖艶な見た目の天鬼。

 元実の息子である陽光とその母である地位を自慢に思い、それを見せびらかせすぎることがある。

 権力にはとことん溺れ、目下の者を見下しがち。

 陽光のことは自分の地位の一つとして愛し、自分に似て美しい容姿であることを愛しているが、陽光の人間性そのものには無関心。なので権力闘争から外れることをすると、それを信じられず取り乱す。



図冥(ずみょう)

・富路の父親。

 大川山という山を支配している紅赤天鬼の長。

 商才があり、鉱山業と他の鬼との交易で富を築く。赤鬼が一目置く大富豪。

 その代わり個人的な戦力は低く、どちらかと言えば頭脳派。

 財力を利用して戦力を築く。また、財力をチラつかせて停戦を組んだり、戦わずに上手くやり過ごすことも出来る。

 なかなか良い子宝に恵まれなかった為、やっと健康に生まれる事が出来た富路を酷く溺愛していた。

 血の気の多い女傑の妻がいたが富路が生まれた後に死去。



勝導(しょうどう)

・富路と並んで、紅赤天鬼の中でも一、二を争う猛者だった。

 図冥の財力支援によって、強くなるための環境を与えられていた。

 富路とは従兄弟同士で仲が良く、よく戦いの練習相手をしていた。

 富路と比べると冷静沈着で知的。相手を恐怖に陥れる為のパフォーマンスとして残虐行為を好んで行うのが趣味。



(かすみ)

・図冥の義妹であり、富路と勝導の叔母。

 血生臭い事を好む、女傑の天鬼。

 強くて容姿の良い雄鬼を好み、戦で負かした後に無理矢理襲う趣味がある。

 強い富路に欲情し、無理矢理求愛して返り討ちに遭って死にかけた事がある。




●『番外編・まどろむ子鬼』の登場人物

日仁(にちじん)』(38)

・とある小さな寺の住職。

 もともと野武士であったが、終わらぬ戦いと自分が招いた業のせいで妻子を失う。それをきっかけに出家。実の子への償いとして世の乱れで孤児となった子供を救う事を使命としている。

 かつて戦士だったので、筋力があり、基本的な武術の経験や、磨かれた感覚があるのでいざ戦うと強い。得物は錫杖。

 冷静沈着で、感情の起伏が穏やか。

 もともとは感情を表に出すのが苦手な性格で、若くして持った息子にあまり構ってやれなかったと嘆いている。なので、どんなに忙しい時でも夜光や孤児達が必要とする時に必ず手を止めて話を聞くように心に決めている。




●『3話・貫行く鬼』の登場人物

挿絵(By みてみん)

白妙しろたえ

・少女の様な見た目の老婆の天鬼。

下鬼の調教達を得意としており、軍団を作り出す重要な役職に就いている。

 特に新しく導入された岳鬼に関しては、彼女の妖気で作り出す特殊なフェロモンで戦力を増強する事ができる。

 実力主義を謳い、弱い者は老若男女に限らず見下す。

 鬼達の事は兵器として扱いながらも、使い捨ての哀れな存在として実の子の様に可愛がる。また、鬼として生まれられなかった者達を心から供養する。



寒咲(かんざき)

・元実軍の兵器開発者。




●『2話・薫る鬼』の登場人物

挿絵(By みてみん)

兼十かねとお

・金時隊の隊長。朱塗りの鉞を操る巨漢。

 百之助の命で枯皮峠の守りを任されている。

 昔鬼との戦いで頭の皮が剥がされたので虚無僧のような笠で顔を隠してる。

 元々君主を失って山賊に落ちた残党のリーダーだったが、百之助のオファーで角狩衆に仲間入り。

 強面な見た目に対し、戦闘以外では温厚で繊細。愛妻家。

 戦いの多い重要拠点を守っているので、忍耐力と臨機応変に対応する柔軟性もある。

 <好みの神仏…不動明王>



挿絵(By みてみん)

月輪つきわ

・兼十の妻。熊のように強い。

看護・砦内部の防衛担当。隊と兼十の士気を上げる。

 夫を厳しく叱咤激励する鬼嫁に見えるが、昔は夫が傷付く度泣いてばかりのか弱い女性で、その自分を変える為に今の強い女となる。



富路ふじ

・赤鬼の一族の若い天鬼。次の酒呑童子の座を狙う。

戦いに関してはパワーも技能も十分。

相手に力の恐怖を与えて、心身を徹底的に痛めつけるのが好き。

自信過剰で気性の荒い性格。

自分の人鬼は犬の様に激愛する。

*名前は富士桜から




●『番外編・降りる鬼』の登場人物

挿絵(By みてみん)

『しきみ』(19)

・夜光の母親。

鬼に友人を目の前で喰われ、狂ってしまった農民の娘。

かつては几帳面で、賢く、礼儀正しい女性だった。

幼児退行を起こしてからは森を子供のように駆け回り、自由に好きなことを好きにしていた。



密彦(みつひこ)』(17)

・夜光の母であるしきみの弟。

両親が幼い時に病死してからは幼い時から姉が母親代わりだった為、親戚の冷たさや貧しさを忘れさせてくれる最も大切な人物に思っていた。

しきみが狂ってしまった後、遣る瀬無さを感じながらも健気に世話を続けていた。

 真面目であまり争いや派手なことを好まないが姉のことになると感情的になる。



鈴四郎(すずしろう)

・密彦の隣の家の主人であり、しきみの友人である『なつな』の父親。

近所付き合いも良く、唯一助けを貸し借りできる仲。



『卜部の木次郎(うらべのきじろう)

・鬼退治を行う『角狩衆』の調査・研究部門である『卜部隊』の一員。

 陰陽術や鬼・妖の生態に精通した研究員兼、調査員。

 仕事人気質で皮肉屋。



吉備(きび) 百之助(もものすけ)

・『角狩衆』に配属されて間もない研修生。

真面目で、勘も良いが、若手でまだ詰めが甘い。






●『1話・黒む鬼』の登場人物

挿絵(By みてみん)

『すずね』

・夜霧峠の洞窟に住む少女。

どこかの村の孤児だったが、義母に家を追い出され夜霧峠で戦争孤児の風太、ゆき、雀、姥捨されたお泉と出会い、洞窟で住む様になる。

後に一晩の宿を借りに来たおたまと出会う。

天真爛漫で、悪知恵の働くお調子者。

おたまに怒られてばかりで問題児の様な印象を受けるが、幼き時の寂しさから家族や一人という言葉に強く反応し、年下の子供達や体の弱い者に優しく接する。

無償で自分たちを助けるおたまに恩を感じ、何かしなければという焦りから、無茶な行動をしてしまう。



挿絵(By みてみん)

『おたま』旧名:玉川→玉貫行たま つらゆき

・すずね達を守る用心棒。

人身売買され遊女として働かされていたがその劣悪な労働環境から逃亡、親切な侍から剣術を習い、用心棒となる。

 しかし、腕はあっても収入は安定せず飢えて、宿に困っていた所をすずね達に助けられる。それをきっかけに専属の用心棒としてすずね達を守りながら細々と稼業を営む。

 一見穏やかな女性に見えるが、戦闘時には男顔負けの剣幕で敵に挑む。すずねと同様家族を大切に思い、世の厳しさから理性的な思考を心掛けながらも、すずね達の危機とあらば命をかけることも厭わない。

 長い髪をシニヨンにして赤メノウの玉がついた簪を挿している。



挿絵(By みてみん)

紫檀(したん)

・赤鬼の一族で天鬼の富路が従えている人鬼。

 血を与えた主がパワーファイターでその力を受け継いでおり、同じく力任せに戦う。

 弱い者は知的に見下すが、強い者には話術巧みにへり下っていい地位を手に入れようとして来た。下賤なものを見下し美学を重んじるが、戦う時は全て粗暴になる。



『風太』

・すずね達と洞窟で暮らす少年。

すずねを姉の様に慕い、おたまを母の様に慕う。

元気で悪戯好きだが、妹の面倒をきちんとみることも出来る。



『ゆき』

・風太の妹。

まだ舌がきちんと回らない、明るい少女。すずねや風太にくっついて歩いている事が多い。怖がりで一人行動は難しい。

戦争孤児。



『雀』

・鬼に両親を殺され、孤児になった少年。

口数が少なく、神経質。消極的な発言が多い。

おたまには唯一気を許し、母親の様に慕っているので夜光や客人と話していると嫉妬する。



『お仙』

・歳をとり、姥捨された老婆。

足腰が弱り、目が不自由だが、博識で動植物に詳しい。

控えめな印象だが、子供達を想い緊急時には機転を利かせた行動をする。


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