風邪と生姜
ごめんなさい。前回から物凄く時間が空いてしまいました。
転職活動は想像以上に面倒でした。
だるい。
のどが痛い。
頭がボーっとする。
これが1月3日の体の状態になる。……端的に言うと、風邪ひいた。
12月24日のクリスマスから今日までずっと仕事。 休み? そんなものは無かった。
みんな大好きブラック企業(錯乱)の社畜に何を言っている。
今は正月から開いている店に親近感を感じながら帰宅中。
…ただ、風邪薬の効果が切れたのかめちゃめちゃ苦しい。
とりあえず、軽く何か食べて早く風邪薬を飲みたい。
そんな思いを胸に持ち、弱々しい足取りで近くの喫茶店に足を踏み入れた。
「いらしゃいませ、お好きな席へどうぞ。」
男性とも女性とも取れる声が放たれ、その声の主と目が合う。
見ても男性か女性かわからなかったけど…
軽く寒気がしてるため、奥まった暖かそうな席に着く。
店内の暖かさにホッとしていると、先ほどの店員がメニューと飲み物を持って来た。
「こちらがメニューになります。決まりましたらお声がけください。」
「あ゛、どうも。」
やばい、なんか想像以上に声が死んでる。少し恥ずかしくて、少し喉が痛い。
その声を聞い店員は「ちょっと待っててくださいね。」と言って、持っていたお冷を置いてすぐにカウンター戻っていった。
内心少し気になりつつ、メニューを眺めていると。
「お待たせしました。サービスです、こちらの方が温まりますよ。」
と、先ほどの店員が温かい飲み物を持って来た。
声が死んでいるので、軽く頭を下げる。
向こうもニッコリ笑って軽く頭を下げる。
ちょっと嬉しい。
そういえば、昨日から食欲が無く、ゼリー飲料しか口にしていない事を思い出しつつ、メニューに指をさす。
「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
店員はそう答えると、カウンターに戻っていき、作業を始める。
店員が作るんだなーとか、そんなことを思いつつ、サービスの飲み物に口を付ける。ホットレモンだった。
自販機で買ったものしか飲んだことなかったけど、めっちゃ優しい味がする。自販機より断然美味い。でもって、体が少しポカポカする。
風邪ひいた時はしょうが湯派だったけど、ホットレモンもあり。少し学習した。
そんな事を考えていると、注文したメニューを店員が持って来た。
「お待たせいたしました。牛乳で作るジンジャーチャイとクリームソースのグラタンです。熱いので気を付けて下さい。」
店員に向けて再び軽く頭をさげる。今、声が死んでるから。
店員も合わせて頭を下げる。良い人だ。
まぁそんなことよりも、今は早く風邪薬を飲みたいので、運ばれて来た料理に早速手を伸ばす。
グラタンは具が結構入っていて、食べ応え抜群で美味しい。
でも、ゼリーしか口にしていなかった体には正直少し重かった。
お腹空いてたけどそれ以上にこっちの体調が良くなかった…。風邪治ったらまた来よう。
まぁ、これについては完全にこちらの選択ミス。反省しましょう。
それよりも、牛乳で作るジンジャーチャイが美味しすぎる。
最近○○チャイみたいなやつが結構出て来ていて好きだったんだけど、それが飲めなくなるレベルで美味しい。
正直、喫茶店少し舐めてた。
チャイとか大きな違いはないだろうと思ってて申し訳ない。
ホットミルクっぽいんだけど、濃厚だけどしつこくない紅茶の美味しさと香りが加わってる。
で、後味にジンジャーの風味がミルクと合わさって凄くマイルドになって顔を出す。
その後味で口がさっぱりしてまた飲みたくなる。
これ、追加注文とテイクアウトもしたい…
そう思いながら飲んでいると。ちょうどチャイが無くなったタイミングで
「チャイのおかわりはいかがですか?」
「ぜひ゛お゛願い゛じま゛ず。」
店員。無くなったタイミングでのその問いかけはズルい。あと、声出しちゃったからのど痛い。
「かしこまりました。」
店員は笑顔を浮かべながらそう言ってカウンターからチャイを持ってくる。
「おかわりです。体、お大事にしてくださいね。」
そう言って笑顔から心配そうな表情に変わりつつ、新しいチャイをカップに注いでくれる。
それに対してこちらは、会釈とチャイ美味しく頂く事で応える。
なんだかんだで、おかわりのチャイと風邪薬も飲み終わり、店を後にする。
薬も飲んだし、体もだいぶポカポカしており、帰りは大丈夫そうだ。
お会計時の「あまり無理しないでくださいね、次は元気な姿でのご来店をお待ちしております。」という店員の言葉も嬉しくて、そのまま自宅の最寄り駅まで帰ってきた。
そして、そのことを今は軽く後悔している。
………チャイのテイクアウトしたかったのに…。
何かアドバイスや感想、評価などがあれば是非教えてください。
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前作 短編小説
出れない彼女と諦めた僕
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