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魔王死亡



「失礼します。魔王様」

「今から二度寝するからまた後で来て」


今、ベットで二度寝しようとしているのが魔王こと黒魔(くろま)である。いつも自室にこもっていて、めったに出てこない。自室から出て来たと思ったらいつも何処かに行ってしまうダメ魔王である。


魔王の自室に入って来たのが四天王の一人のミカである。彼女はかなりの世話好きだ。いつも家事全般をやってくれるとても優秀な部下である。ちなみに容姿は人間とほとんど変わりなく、綺麗な水色のショートに立派な胸。正直可愛い。


「今日は大事な会議ですよ」

「ああ、そうだったな」


気だるげに立ち上がりそのまま洗面台で顔を洗い、ミカが用意してくれた服に着替える。そして厨二病の人が付けていそうなマントを羽織り準備完了。


「ずっと前から聞きたかったんだけど、何でこのマント羽織らないといけないの?」

「そのマントにはさまざまな特殊な効果が付いていまして、魔王様の安全のために身に付けていただいてい

るのです」

「かっこいいからいいけど」


10分間歩いてやっと会議室の扉の前まで来た。というか魔王城広すぎじゃね。よく皆んな迷わないな。


俺は勢いよくドアを開け中に入る。すると残りの四天王は皆席についていた。ちなみに四天王の一人は外出中のため欠席。どうやら待たせてしまったらしい。いつものことだけど。


「また遅れてしまった。すまない」


待たせてしまったので軽く頭を下げて謝ってから席に向かう。俺の席は他の席よりもかなり豪華だ。本当に俺が座っていいのだろうかといつも思う。


「どうしたんです?魔王様?」


椅子の前で立ちすくんでいた俺を心配したのかミカが声をかけてきた。


「いや、何でもない」


俺は豪華な椅子に座ると同時に、魔法陣が発動し、チェーンで縛られてしまった。


「どういうつもりだ!お前たち!」


俺は珍しく、怒鳴った。そのせいか全員肩をビクッとさせた。


「魔王様は今日、ここで死んでもらいます」

「どうしてだ!」


やっぱり来たよ。そろそろだと思ったんだよね。このマントに弱体化の魔法がかかってるし。まぁ、あれだけ何もしなかったからこうなるわな。さて、どうやって脱出しようか。


「魔王様、私たちは知っているのです。魔王様が下等生物どもの味方をしているということを」


そっちかよ!俺の私生活の方を問題視しろよ。本当に大丈夫か魔王軍。


「俺は味方などしていない!」

「魔王様が自室から出られるときに私たちは護衛のために尾行しました。すると魔王様が下等生物どもと仲良くしているではありませんか」


自室で物を作るのに必要な材料を買うために街には何回も行ったけど、まさか尾行されていたとは。


「それで俺を殺すと」

「そういうことです」

「ちょっと待て、俺は偵察をしに行っていただけだ」

「それでは困ります」

「は?」


可笑しな答えが返ってきて素っ頓狂な声をあげてしまった。


「私たちは魔王になりたいのです。だからあなたには消えて欲しいのです。でも、何の理由もなく殺したら私たちの身が危ない」

「俺が人間側の味方をしていたという理由があれば殺すことができるというわけだな」

「その通りです」

「一つ聞きたい。お前らは何故そんなに魔王になりたい?」


正直言って魔王は暇だ。危険だから行くなとかやるなとか色々制限をされている。そんな魔王になりたいとか正気の沙汰ではない。


何で俺が魔王になっているか?それは俺が日本から来た転生者だからだよ。話せば長くなるから短くまとめると、車にはねられて死んだはずの俺は目を覚ますと魔王になっていたというわけだ。これ絶対伝わってないよね。どうでもいいか。


「魔王っていうものは一番偉いんだ。つまり魔王の命令は絶対。俺は女どもにあんなことやそんなことを命令したいんだよ」

「俺は、引きこもりたい」


お前ら出番がないからってここぞとばかりに出てくんじゃねぇよ。てか魔王はクズの奴がなるものなの?魔王って書いてクズって読むの?


「私は皆んなをまとめて下等生物どもを皆殺しにしたいです」


他の二人よりかはまともだけど人を殺すのはよくないと思うよ俺は。魔王の最後の言葉だからちゃんとメモっとくこと。次のテストでるよ。でません。


「では殺しますか。最後に言い残すことはありませんか?」

「俺はスローライフを送りたいだけなのに」


四天王全員(一人覗く)で俺の心臓部分を剣で何回も刺す。そして俺は地面にそのまま倒れた。





頑張って投稿していこうと思います。

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