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第九話 テレジア

 ガルジアの傷は酷かった。明確な殺意で北辺の勇者は刺していた、臓器に天力が使われて損傷が酷かったことに加えて出血が多く扉を蹴破った時には処置の施すには無理がった。


 ガルジアはレイラ教徒なので無理である、レイラ教徒じゃなくても複数の神の許可が必要で実現させるのは困難である。もっと言えば大多数の神は絶対神が創った摂理に違反し倫理的にも良くないとして反対的である。ちなみにアストレイラが使者蘇生に反対なのは初代ウェルペンが不死の特権を破棄して『死を望んだため』としている。要するに愛していた人が死んだのでアストレイラは死者蘇生を認めないのである。


「お父様…」


 テレジアはガルジアが息を引き取っても直ぐにはガルジアの傍から離れなかった。死んだガルジアの意思を確かめるように彼の死体を見つめていた。


「テレジア様…」


誰かが『テレジア様も悲しいに違いない。』と思った瞬間である。


テレジアはガルジアに掴まれていた手を


そっと戻すと


ガルジアの開かれていた目を優しく閉じ


勢いよく立ち上がり


執務室にあった金庫に向かい金庫を開けて中を確認し始める。


まさに一心不乱に確認する。


勢いは猛烈でテキパキと中にあった書類を見ていく


「いろいろとお父様も隠していたようで!!」


そう怒るのだ!!


「まったく!…なにかしら?」


その時である


何か重要そうに手帳と手帳の下にあるグシャグシャの報告書みたいなのが目に入った。


書類を何よりも大切にするガルジアにしては珍しい


何か強烈な違和感と嫌な予感がテレジアの動きを止めた。


テレジアは手帳を見る。


手帳にはガルジアの日々の感想などが書かれていた。


テレジアへの不満から


誰に何を言われたとか


愚痴が書かれていた


中にはテレジアへの思いが書いてあったがテレジアは無視した。


それより、気になることがあったのである。


ガルジアはしきりに大セルディウスのことを気にしている。


そして北辺の勇者に関する記述があった。


手帳の内容では意味不明なので


報告書の方を見る。


「なに…これ…」


それは北辺の勇者に関する報告書である。


彼のやってきた悪行なら大歓迎だが…


極端で行き過ぎなように見えるが


それでも


北辺の勇者が人々を救おうとした軌跡が書かれていた。


しかし、気になるのは彼の出生である。


謎が多いとした上で


今までの彼の使った能力から察するに


かなり上位の天族と魔族の血を引いていると考察されている。


保有している天力だけでも間違いなく上位の天族クラスで


このような存在がいること事態が奇跡だと書かれている。


ただし、何か幼少の頃にあったらしく、権力や金銭などに強い反抗心があり、


聖人のように善人であると同時に敵対する者には容赦の無い残忍性が確認できると報告されている。


本報告書の最後にはヴェスピィアス山時に大セルディウスが使用していた剣を所有していること


さらに彼に対して極めて否定的な発言が随所に見られる


それらから推測されるに大セルディウスを殺したのは北辺の勇者の可能性が高いと書かれていた。


「…」


テレジアはガルジアが報告書をグシャグシャにした理由が分かった気がした。


周囲にいた人からしたらテレジアの顔は鬼の形相だったが


テレジア自身は冷静であった。少なくとも今すべきことは復讐では無い


書類を見分けると必要なのを近くに置いてあったバックに詰めて


金庫にあった鍵を取って立ち上がる。


「ハイゼンは、いつ戻ってくるかしら?」


そう聞かれた側近一人が答える。


「ガルジア様が急な連絡をして戻らせていたので、もうじきかと…」


軍事的なことは彼に聞くのが一番だ…


「ザイード!聞いてる!!」


泣き崩れているザイードにテレジアが声をかける。


「はい、お嬢様」


ビシッ!とテレジアが床を踏む


「これからは主と呼びなさい!それと自決は認めません!!」


そう言われてザイードは泣くのを止めた。


「これからは忙しくなります、我がアントウェルペンの総力を上げて男爵を叩き潰すのです!!」


テレジアらしさが出てきます。


書き方を変更して変えてみました。その時にあったやり方にしたいです。


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