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第八話 追撃戦

勇者との初戦闘、すみませんが最初は長い説明文です。

 かつて神々の戦争の勝者となり、この世界を創造した唯一絶対の神の中の神(絶対神とする。)に三人の娘がいた、アストレイラ、アストレイエ、アストレイアである。この三人のうちの一人で三女のアストレイアは絶対神が創りし人間達が弱く地上で虐げられているのを見て救いの手を差し伸べる、そして彼女は自らを人間の神と主張して地上を支配するべく戦争を起こした。戦争は一度目は敗れる、しかし、この一度目の時に人間がアストレイアの力を借りて生み出した剣術が飛燕剣と呼ばれる。後に二度目の戦争をアストレイアは起こすと飛燕剣を自ら使って神々と戦い敵対した神を倒して地上世界の支配権を手に入れる。


 この時に人間神の味方として戦ったのが十二盟神である。その後、絶対神が第一世界をアストレイアに譲って第三世界に移動するとアウトレイアが地上にしか興味が無いのを良いことに魔の神ガウディナスが天の神と結託して第一世界に攻めて来た。この時に絶対神が創り居住していた神界をガウディナスが奪いに来る、これを見捨てるか、見捨てないかで十二盟神が意見を揉めて二つに分裂する。絶対神の居住していた神界は激しい争いになったがガウディナスが順調に支配した。しかし、天の神が占領しようとした、絶対神以前の神界はゼウス神が率いる大軍に阻まれて苦戦し続けた。それに困ったガウディナスは精霊界に助力を要請した。精霊界は第一世界に攻め入るために自らの世界を第一世界に衝突させて融合させた。この時、精霊界で創られた人間がエルフである。


 長い話は、長く続くが本題に入る。アントウェルペンの領主であるアントウェルペン一族はウェルペン一族の分家である。このウェルペン一族の信仰する神はアストレイラである。レイラ教と言われる宗教はウェルペン家が大々的に広める前も存在したが『まとまった』勢力では無かった。これをまとめて強くしたのが初代ウェルペンである。この初代の直系の三男の一族がアントウェルペン家である。


 もう一つ重要なのがサヴィアス家の使う、飛燕術である。これは飛燕剣を始めとして編み出された武術の総称である。飛燕術は神の加護が無ければ使用できない性質のモノである。つまり、本来は血筋によって継承される武術ではない、だがサヴィアス家は本家当主五代全員、その他分家なども飛燕術の達人を多数出している飛燕術の名門である。さらに神から直接任命される聖騎士に本家三人、分家二人を輩出している。『神に愛されし家系』と言われる由縁である。この一族を初代アントウェルペンは招聘したのだから相当なやり手である。


 現在サヴィアス家の本家は六代目に入っている。この六代目のセルディウスも当然のことながら飛燕剣の使い手になっている。二人の妹も飛燕術を使えるというレベルであり、サヴィアス家は飛燕術という側面だけで見るのであれば落ちぶれてなどいない。だが、とある事件で財産を没収されてからは本家はガルジアの庇護下に置かれている存在にしか過ぎなくなった。サヴィアスの傭兵隊の隊長は現在は分家出身の叔父のハイゼンが率いている。



現在


「シーマ弓だ!!」


 そう言われてシーマ全力全開で魔力を開放して北辺の勇者に弓矢を放った。弓は猛烈な勢いで魔力を帯びながら北辺の勇者に命中するかに見えたが命中寸前で空中で宙返りした北辺の勇者に弾き飛ばされた。


「はああ!!なにそれ…ありえないでしょ…」


 本当にありえないことだが重魔導障壁を破る男だから…それでもシーマの弓矢を空中で弾くのは至難のワザである。プライドが傷つけられたのかシーマは怒り心頭である。


「追撃するぞ!!」


 そう言ってセルディウスは窓から外へと飛び降りる。下に落下するが二十メートル離れた建物へアントウェルペン商会本部の外壁を蹴って飛び移る。それに従うようにシーマとセルヴィウスも付き従った。



北辺の勇者は猛烈なスピードでアントウェルペンの外に出るべく疾走する。


「もう追いかけて来たのか」


 そうつぶやく間にも敵の紫色の目をした少女が空中を飛びながら弓矢を飛ばしてきた。さっき弾いた時に気付いたことだが…恐ろしいほど弓矢が強力だった。生まれてこのかた弓矢など弾く機会は少なかったが…あれは弾かないと相当な天力を消費すると考えられる。だから直撃は避け、避けるのは無理なので弾き返す。


「ムッ弓矢を折られた…こまる…」




 シーマの弓矢は特注品だ、素材が凄いというのもあるが、一番は弓矢に術式が刻まれていて威力、射程を強化し、追尾するだけではなく、敵に命中後は戻ってくるという品物である。折られると回収できなくなるので大変困るのだ。


「追いかけることに専念しよう」

「これじゃあ、守備隊もやられますね」


セルヴィウスが聞いてきたので答える。


「そうだな突破されることを前提にしよう」


案の定、城壁の守備隊は瞬殺された。少しは速度が落ちるかと思ったが…誤差の範囲だった。


「まだ追いかけて来るのか…」


 追撃戦は長く続いた。普通の手合いならとっくに力が切れて追撃を諦めるレベルは既に超えてから時間が経っている。


「よし迎え撃つか!!」


北辺の勇者は迎え撃つことに決めて宙返りしながらドン!と地面に着地した。


「よし攻撃を再開だ」


 相手の着地を見て攻撃の再開を命じる。同時にシーマが再び全力で弓矢を放った。敵は美しい決闘を望んでいたのかも知れないが(笑い)そんなものはしてやる義理は無い。


キン!という金属がぶつかり合う音がした。


セルヴィウスが北辺の勇者に突撃して剣で攻撃したのを北辺の勇者が弾く音である。


驚いたことにセルヴィウスが弾き返される。


僕もすかさず剣を使って北辺の勇者に攻撃してみた。


ズスッ!という凄い衝撃が襲ってきた。


 北辺の勇者は恐ろしいほど馬鹿力である。おそらくは天力である。魔力では無いと確信するほどに貫通力するような鋭さを感じとった。魔力なら爆発するような衝撃である。


「クソ!」


予想していない馬鹿力に一度目は僕も弾き飛ばされてしまう。相手はすかさず追撃しようと刺突するよう剣を構えて突撃してくる。だが馬鹿力とはいえ、素人の攻撃なので簡単に弾き返し、お返しとばかりに強い力を入れてやった。お陰で相手は吹き飛ぶ。


「なに!」


生まれて初めて弾き返されて困惑する北辺の勇者、そこにシーマの弓が直撃する、さらにセルヴィウスが突撃して攻撃をした。


「馬鹿な!」


 シーマの攻撃は相手の馬鹿力に防がれた。セルヴィウスも弾き返される。考えるに勇者殿は我々が想像するより遥かに化け物なのだと確信する。


「ならば!!」


 そう言って北面の勇者は弓矢で攻撃していたシーマに襲い掛かる。シーマは弓矢を発射すると勇者殿は何とか弾き返す。そして剣を振りかざす。


ガン!


 シーマは腰にあった剣で勇者殿の剣えお弾き返すと同時に吹き飛ばす。そしてライダーキックを勇者殿の顔面に食らわした。


ドン!


勇者殿も初めての顔面キックに困惑したに違いない…というか良く生きているな…非常識な勇者殿である。


シュウウウ!(滑る音)バン!!


 勇者殿を蹴って、そのまま勇者殿の後ろに来ると弓矢をすかさず放つシーマ…


「チッ」


だが勇者殿は今だ貫通出来ず…三人で「これどうする?」と困惑する。


北面の勇者は明らかにマジ切れしている顔をしていたが…逃げ出した。


どうやら相手も我々を簡単には倒せないと理解して逃げ出したのだ。


「どうしますか?」


セルヴィウスが聞いてくる。


「止めておこう」


 根本的に勇者殿に関しての対策を考える必要があった。相手も奥の手は出していないと感じられた。こちらもそうだが…なんの対策も考えずに今賭けに出ても勝ち目が無い気がしたので止めておく…


「あいつ…なんなの…」


シーマは弓矢を折られまくって納得できないと言う感じでいた。


「本当、化け物だな!!」


小物臭いけど嫌いじゃない北辺の勇者、まだ真実を知らずに冷静なセルディウスという回


シーマさんはマジ強い感じになっていますねぇ(困惑)


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