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激戦3

ふう、何とか書けたのではないだろうか?

アントウェルペン上空


 上空ではアステレアと黒竜騎士団VSミレーヌと戦乙女隊の戦いが繰り広げられた。


「ソウルエンチェント!赤九尾!!」


 アステレアがソウルエンチェントを発動して九尾の力を手に入れミレーヌに攻撃を開始する。


「炎天の輝きよ!我に力を貸せ!!火炎球!!!」


 アステレアの放った魔法はただの上級魔法では無かった。彼女の魔眼に刻まれた術式『地獄の業火』によって強化されていた。

 魔眼とは魔族が持っている眼と後天的に手に入れたモノの二つある、アステレアは後者である。

通常の魔眼の特徴は魔力の流れを見れたり、周囲の魔力量や質などを把握することができる、他にも魔力操作や魔力の隠蔽などもでき、応用としては夜間でさえ相手が魔力を持っていたり、帯びていれば発見して戦うことも出来る。

 魔眼には術式を組み込むことができる、術式を組み込むと様々な能力を使うことができる、ただし、二つ以上刻むと相乗効果で弱体化したり、本来の魔眼の能力だけでは無く、目としての能力すら損なわれるので一般的には一つが限度である。

 アステレアは非常に強力な『地獄の業火』と呼ばれる、力を術式で魔眼に付加している。これにより地獄の業火のように強力な火炎攻撃と敵の火炎系魔法の無効化が出来る。


「くたばれえええええ」


 火炎球はミレーヌの作り出したガマガエルに直撃し、カエルが丸焦げになる。さらにアステレアは接近して所持している剣をカエルの口に差し込んだ。


「やったか!」


 アステレアが勝利宣言とも取れる発言をするがミレーヌはガマガエルの奥へと引っ込んでいた。そしてガマガエルも瞬時に回復して元の姿に戻るとアストレアを吹き飛ばそうと両手でハエ叩きの如く叩く


「クソッ!」


 離れると同時にアステレアは業火球を放って攻撃するが今度は防御術式でガードされてしまった。ミレーヌのガマガエルと空中で睨み合いながら膠着状態となってしまった。



 酒場においてケンティウスと北辺の勇者の戦いが始まった。酔っぱらいのケンティウスは足取りが悪いものの槍という有利性も相まって互角以上に渡り合ってしまった。


「なんだコイツ!!」


 北辺の勇者からしたら突然現れた強力な敵という状態である。


「聖地(酒場)から出ていくが良い!」


 そんな一言でケンティウスが強力な魔力を放出して店を壊しながら北辺の勇者を外に追い出してしまった。


ドカーン!


 北辺の勇者が向かいの建物にぶつかるように外に出て道の真ん中を通り過ぎようとしたら、弓矢が飛んできて北辺の勇者に衝突して大爆発を起こしてしまう。


「助けにきたよー」


 シーマ、セルヴィウスが加勢に来たのである。この状況を察知した北辺の勇者は西側の正門に向けて逃走した。


「マズい!」


 セルディウスが声を上げて追いかける、シーマが追撃の弓を放つ、しかし、弓は当たるも北辺の勇者を止めることは出来なかった。


「なんだああああああ!」


 西側にいたアントウェルペンの戦力は大部分が外に出ていた。北辺の勇者は正門に近づくと天力を地面に放出して飛び上がり、正門の上層に作られていた前線司令部に向けて全力で天力を放出して攻撃した。



ドドドカーン!ごおおおおお!


 そんな音を立てるも北辺の勇者の期待したダメージは建物に入らなかった。


 まず建物自体が頑丈に作られていた。次に強力な防御術式が張られていた。


 そして何よりも強力な防御術式に魔力を提供していた一人にテレジアがいた。


 これが北辺の勇者の作戦の失敗である。


 テレジアは戦闘能力自体は低いが…


 人間皇帝一族とウェルペン家の血を引くだけに


 二つの神の加護と強力な魔力を持っていた。


 この力の前には北辺の勇者の攻撃は無意味だったのである。


「なに?いきなり!」(テレジアの反応)


攻撃が失敗すると北辺の勇者は再び逃走を図る。


「逃がすかよおおおおおおお」


 加勢に来ていたヴァリエールが投入できる魔力を使い強力な火炎球を北辺の勇者にぶつける。


「ウソだろ!」


火炎球をぶつけても北辺の勇者は無傷だった。


さすがに効いていたが…それでも肉体に貫通することは無かった。


そして再び逃走を図った。


城壁を軽々と北辺の勇者は超えるとガウヴィンの傍を通って逃走した。


「チッもう少し持ちこたえると思ったのだがな…」


ガウヴィンの予想よりもアントウェルペンは内部に戦力を残していた。

(実際はアントウェルペン側も大部分は出し切っていた。)


「撤退するぞ!」


 ガウヴィンは敵には強力な予備兵力がいると判断して全軍に撤退を命じた。


こうしてアントウェルペンでの激戦は終了した。


「だれかああああ!おねがいだああああ!!たすけてくれえええ!!!」


 セルディウス達が見捨てられた勇者軍を掃討していると一人の男が泣きながら助けを求めて来た。彼は一人の女性を抱えていた。


「俺はどうなってもいい!だけどアリーナだけは助けてほしい!!」


 叫んでいた男はロトであった、彼は致命傷ともいえる傷を負って倒れたアリーナを抱えながらセルディウス達に助けを求めた。


「助けるのは構わない、だが、条件がある。」


セルディウスはロトに対価を求める。


「分かった、助けてくれたら、なんでもするだからお願いだ!!」


仲間を助けたい一心のロトは叫んだ!


ニヤリとセルディウスは笑った。






次回は謀略回です。


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