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激戦2

少ない力量で面白く書こうとするのは疲れます。


 アントウェルペン外周部での戦闘は主に西側、南側、北側で行われた。北東側に陣取っていた勇者軍は北側を攻撃中のシュタウフェン軍が側面から奇襲されないように警戒のために陣取ったまま動かなかった。アントウェルペンの東側にいたザイード軍は十五万のうち五万を率いて南東の森を抜けた草原にある街道まで進軍し、二千人余りで街道沿いにいたロムールエルフの戦力と合流して街道沿いに布陣した。


 これにより、南側で戦う味方の援護と南側の敵軍の隙をついて攻撃するつもりだった。南側の戦闘も西側並みに激戦だったが違う点は獣人兵が少なく、両者共に市民兵を中心とした重装歩兵同士の戦闘になったことである。敵はアーヘンを主体とした中部諸侯軍が中心で戦ったために連携が優れているアントウェルペン側が優勢に戦いを続けた。チャールズ率いるシュタウフェン軍はザイード率いる戦力の動向に気を取られていた。


 北側も激しかったがアントウェルペン側にはレイア教徒多めで重装甲の聖堂騎士団もいたために守りが固く、両軍は膠着状態に突入した。


 最も激しかったのは言うまでも無く、西側であった。両軍の最精鋭同士の対決となり、お互いに激しく重魔導砲を撃つ展開になった。城壁にいた兵士やバリスタが敵の重魔導砲で破壊された。アントウェルペン側もお返しとばかりに撃ち返して敵を攻撃するが敵の魔術師が張った防御術式が強力でダメージが入りにくかった。


 重装歩兵同士の戦いは南側と同じくアントウェルペン側の方が優勢であった。獣人兵達もお金のためというよりは獣人達を受け入れてくれたガルジアへの恩義の方が強く、粘り強く戦い、敵の猛攻に良く耐えた。


 全体的にはアントウェルペン側が押され気味だったがハイゼン率いるサヴィアスの傭兵隊が投入されてからは敵の陣形が崩れたためアントウェルペン側も反撃に興じた。


 ハイゼンとガウヴィンの対決はハイゼンが空中で攻撃を仕掛ける形で行われた。理由はガウヴィンの使う暗黒魔法である。この魔法は周囲のモノを腐食させたり、一時的に地面を暗黒の空間に変えたりした。これらに捕らわれると最悪は死んでしまう、ハイゼンは捕らわれても死にはしないし、ダメージも些細だが足を取られる可能性があり、ガウヴィン相手に些細なことも気にしなければならない状態では回避しなければいけない対象となった。


「なんの、これしき」


ガシャーン!ガシャーン!


 お互いに打ち合う音がした、ガウヴィンはグングニルを使っていたのでリーチが長く、戦いにくいがハイゼン相手には宝具のレベルと相まって良い感じで戦いをリード出来ていた。それでもハンデを物ともせずにハイゼンは果敢に攻めて来てはガウヴィンを苦しませた。


「やはり…簡単にはいかないか…」


 ガウヴィンに焦りが出る、ハイゼンだけでは無く、時折、他のサヴィアス達もガウヴィンに攻撃を仕掛けて来た。ガウヴィンは槍を使いながら暗黒魔法で作り出された暗黒剣という魔力の剣を生成しては槍を持っていない手で近づいてくる敵を攻撃する。だが、その程度の攻撃ではサヴィアス相手には厳しいものがあった。


「騎兵隊、突撃しろ!」

「おおおおおおおお!」


 二人が激しく戦っている最中に戦場ではシュタウフェン側が鉄条網を除去して騎兵隊を戦線に投入した。彼らは横合いから獣人達に突撃すると同時に別の騎兵が馬上から弓や槍を投げて来た。反撃で前進していたアントウェルペン側は再び後退を余儀なくされる。


「敵の騎兵に狙いを絞れにゃ!撃てにゃー」


 ネ族の弓兵が敵の騎兵に攻撃を開始したことで敵の騎兵は態勢を崩す、だが、敵は一時的に安全圏へ退避後、態勢を立て直して再び突撃してくる。城門から長槍を持った兵士を繰り出しながらアントウェルペン側も向かいうつ態勢を整える。



 建物の壁や地面を走りながら時折蹴って空中でぶつかり合い、切り合いながらも戦いが拮抗しつづけることにセルディウスは焦り始める、北辺の勇者の力が予想以上に強い、剣術も動きも雑だが天力と生まれながらのセンスで奴はセルディウスの攻撃に一歩も引かずに打ち合いを繰り返してきた。


「おまえ、ふざけるなよ!」

「何がふざけているのだ!!」

「何の努力もしないで強さを手に入れる奴が嫌いなだけだ!!」

「サヴィアスの人間が努力で強くなっているとは思えないな」

「才能があるのは否定しない、だが、お前の頑なに努力しない姿勢はムカつくんだよ」

「努力しても富を手に入れられない人間がいる」

「それがどうした?」

「お前たちのように努力努力と言いながら搾取する奴がいるからだ!!」

「それは可笑しいぞ!」

「なにがだ!?」

「これは国家の対決だ!富は国家のために稼ぎ、国家は富を国民に分け与える」

「国家の外にいる人間には分け与えないのか!」

「外にいる人間達は自分達で国家を作ったか?作ってもいないだろう!領主に逆らって立ち上がったか?」

「私が導いた!!」

「お前という存在に依存しただけだ!!」


セルディウスは北辺の勇者に放出出来る力を最大にして放って北辺の勇者を遠ざける。


「ガルジアは!一人の人に依存しない国家を作りたがっていた。」

「そんな政治制度は無理だ!!」

「無理であっても作らなければならない!!理想は忘れてはいけないのだ!!!」


 セルディウスが地面に立っていた北面の勇者を切りつけようと襲い掛かる。それを北面の勇者は地面に自らの力を放出してセルディウスに突撃する。


ガキーン!!


 剣がぶつかり合ってセルディウスが地面に着地するも直後に地面を蹴って北辺の勇者に切りかかると北辺の勇者は避けて放出可能な天力を最大にしてセルディウスに切りかかる。


ビーン!どかああああああん!!


 傍にあった建物が真っ二つに切り裂かれて崩れ落ちた。建物が破壊されてムカついたのかセルディウスも全力で天力を北辺の勇者にぶつけた。


どかああああん!


北辺の勇者に一撃が直撃して北辺の勇者が近くにあった酒場に衝突して建物を壊して中に入った。


「ゲホッゲホックソ!」

「なんだ!?おまえ、いきなり現れおって!!」


 酒場にいた飲んだくれの甲冑を着たオッサンが北辺の勇者に文句を言う。北への勇者は相手を戦闘要員と認識して切りかかる。


「じゃまだあああああ」


ガキーン!


 攻撃はオッサンに当たる前に金属で出来た太くて大きな槍に防がれた。


「おいおい、飲んだくれに手を出すんじゃねえええ」


 そう言いながら自身は空いている片手で酒瓶を持ってワイルドにお酒を口に入れて飲んでいた。


「ぷはー!!やっぱり、目覚めの酒は効くねええええ」

「誰だ!おまえ!!」


 顔がお酒の飲み過ぎで赤く、目の焦点が怪しい中年のオッサンことケンティウスが足取りが悪い中でカッコつけるように言い放った。


「あっ?俺かタダの酔っぱらいサ!!」









まだまだ続く戦い!!


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