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怪盗始めました 〜♡×バトル 平和主義な義賊と愛に燃える乙女の戦い!〜

作者: 華月蒼.

突発短編なので、ホントに短いです。

読者の方の反応が良ければ、復帰後の連載候補になるかもです。

 

 

 

 ――今宵もお宝、いただきマス♪




 今日もニュースは「美少女怪盗サンドリヨン」でもちきりだ。


 平和な世に突如現れた、「美少女怪盗サンドリヨン」と(自分で)名乗る少女に、警察も報道も手をこまねいている。


 まぁ、自分で名乗るからには、当然ながら可愛い顔に小柄でスリムなボディ。スリムなだけじゃない。付くトコには付いて、付かないトコには付かない、絶妙なバランスだ。

 衣装は見えそうで見えないギリギリ丈なミニのドレスだが、色や装飾が毎回違っている。髪型も同じく。恐らくドレスに合わせて変えているのだろうが、黒や金、赤など毎回ハデな色のウィッグを選んでいる。


 そんな彼女についての報道を、スマホのワンセグで再生している友人ダチ

 世間は「怪盗サンドリヨン討伐派」と「怪盗サンドリヨン親衛隊」に別れているらしい。

 報道も、サンドリヨン逮捕を掲げている割には、彼女を映す時のカメラワークは、妙に色っぽい。

 そんな色っぽいカメラワークを昼食と共に味わっているダチのみことは、絶賛「サンドリヨン萌え」派だ。


「いやぁ、今日もサンドリヨンちゃんのおかげでメシがウマいわァ」


「……バカなんじゃねーのお前」


 ちなみに、俺は、怪盗なんて世紀末的なモンにはてんでキョーミなし。

 ていうか、変人な兄のおかげで、そーゆーのはお腹いっぱいです。

 俺は食い終わった弁当箱を片付けて、漫画雑誌をめくりながら、そう思っていた。





 ――ハズだった。


 イキナリ俺の部屋に現れた「自称・天使サマ」いわく、「怪盗サンドリヨン」は堕天使というヤツの暗示にかかっているらしい。

 で、ついでにサンドリヨンの正体まで教えてくれた。

 近所に住む、元幼なじみで、今はクラスの隠れアイドル的存在の柚爾ゆにだという。なぜ「隠れ」アイドルなのかというと、彼女の家と本人の性格のせいだろう。つまり、見た目は可愛いケド、表立ってアイドル扱いはしにくいのだ。

 天使サマいわく、サンドリヨンと柚爾の見た目が全く異なるのもその堕天使とやらの仕業らしい。

 天使サマのお仕事は、現世での「怪盗サンドリヨン」の活動をやめさせ、堕天使をしょっ引くコト。


 で、なぜか俺はそのお仕事のお手伝いをすることになってしまった。

 なんでやねん。


 天使サマ、改め「聖天使・ジル」の能力によって、俺はイキナリ「義怪盗アリババ」を始めるコトになっちまいました。

 もちろん、「怪盗サンドリヨン」と違い、お宝の奪取が目的では無いので、後からジルによって盗品は持ち主にお返しするらしい。

 「義怪盗アリババ」の目的は、単純に「怪盗サンドリヨン」のお邪魔。俺がサンドリヨンを足止めしてる間にジルが堕天使をしょっ引く、単純かつ単純かつ単純な作戦だ。


 「義怪盗アリババ」の衣装は地味にシンプル。サンドリヨンとか、アニメみたいな怪盗さんとは違うのだよ。

 名前にちなんでアラビアンチックな衣装だが、どこぞの美少女怪盗さんとは違って顔はしっかり隠している。


 で、やっぱりイキナリで、俺は今夜の「怪盗サンドリヨン」の犯行現場に、ジルの能力によってワープさせられていた。


 こちとら怪盗初心者だっつーの! イキナリ現場放り込むヤツがいるかー!

 ……居ましたね、ウチの聖天使サマですねわかってました。


「義怪盗アリババ、推して参る」


 既に決め台詞決めポーズ共にカメラさんたちに見せつけ、堂々と犯行現場に突入しているサンドリヨンを追うように俺も現場に入る。


 ケーサツさんご自慢のセキュリティも、サンドリヨンか堕天使だかは知らないが、見るも無残。そんながら空きセキュリティを堂々と走り抜ける俺。


 ケーサツやら警備やらにちょっかいかけて行くのが趣味のようなサンドリヨンはどうやら途中で追い抜いてしまったらしく、一足先に俺がお宝にたどり着いてしまった。

 ちなみに、本日のお宝は金色のランプ。色だけでなく、素材にもそのまま金を使っているんだとか。……お返しするまで丁重に扱わなくては……。


 と、そーっとランプをお預かりしてトンズラしよーとしてたら、サンドリヨンがケーサツやら何やらうじゃうじゃ引き連れて現れた。


「あーっ!! ソレ、アタシのー!!」


 違うだろ。

 心の中でツッコミを入れながら、俺は挨拶と言わんばかりに名乗りを上げる。


「我が名は義怪盗アリババ。以後お見知りおきを」


 そう言うと、ジルのスーパーテクによって、俺の姿は現場から文字通り消え去った。

 こんなモンまともに相手してたら、いくら日本のケーサツさんが有能でも、捕まらんわなー……。





「悔しがりながらも華麗に現場から立ち去るサンドリヨンちゃんも、キュートで良かったぜー」


 次の日の昼休みも、尊はワンセグで「怪盗サンドリヨン」の映像を垂れ流していた。

 が、今日はいつもとは少し様子が違った。


「それにしても、このアリババとか言うヤツ……ナマのサンドリヨンちゃんに会ったんだよなー!! しかも盗んだ獲物は翌朝には持ち主に返されてたって言うし……ナニモンなんだ、コイツ?」


 お前の目の前で弁当かき込んでるヤツですが、それが何か?

 

 

 

 

 


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