表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/22

考える豚。

なんじゃこりゃあああ!

俺プリティーな子豚ちゃんだったはずだよね!?

なんで二足足歩行にしてトゲトゲの肩パッドとバイクが似合うような髪が生えてるの!?

しかもこの耳もあの狼の!?つか、体もでかくなってるし!?


自身の変化に着いて行けず、混乱する。

数分後、ようやく落ち着きを取り戻し、この変化について考え始めた。


おそらくこんな姿になったのは《暴食》の加護のせいだろう。

レベルアップして姿が変わったのかもしれないが、狼の特徴が体に現れていることと、あのアナウンス的なのが流れた時に身体に異変を感じたこと。

また、レベルアップ時には体力が戻った以外は体に異変がなかった事から、《暴食》によるものだと推測できる。

未だ目覚めぬ女性の横に腰を下ろしながら思考を続ける。


しかし《暴食》が今まで発動しなかったのはなんでだ・・・?

間違いなく今まで食った肉は魔物のものだろうし、発動条件が食べる事ならば、既に満たしていてもおかしくはないはずだ。

となれば、他に条件があるといことだ。


加護が発動した時の状況を思い出す。

あの時確かに俺は狼の肉を喰らった。

その時普段と違ったことといえば、傷を負っていたことくらいだ。

傷を負わなければ発動しないとなるとすこぶる使い勝手が悪いなぁ。


でも《暴食》って名前の加護なのに、傷つかないと発動しないっておかしくね?

といっても、他に検討もつかないしなぁ・・・。

それ以外に違った事といえば、普段と違って相手が生きていたという事くらいだし・・・ってまてよ?

まさか・・・。

生きたまま食べないと発動しない・・・?


確信に触れたような痺れが全身を襲う。

もし仮に、そうだとしたら全て辻褄が合うような気がする。

俺は鑑定を使えないから合っているかわからないが、ゲーム内で通常敵からのドロップ品の説明は〜の肉という表記になるはずだ。

いくら加護といえども唯肉を食べただけじゃ、スキルを得ることは難しいだろう。

又、《暴食》が発動した際スキルを取得し、それと同時に相手の動きが鈍ったのも確認していることから俺の加護は、生きたまま相手を喰らうことで相手のスキルーー。

いや、容姿にも影響を及ぼしていることから、相手を吸収する加護ではないのか。


一度しか発動してないから、絶対とは言えないが恐らく近い能力だと思う。

次に戦うことがあれば、試してみよう。

上手く使いこなしていけば、ある程度自分の身を守ることくらいは出来るようになるだろう。

まぁ暫くは戦いとかゴメンだけど。

あの時はなんとか勝てたが、相手が油断してくれたのが大きい。

次も同じように戦えるかといえば、絶対に無理だろう。

まだ死にたくはない。


しかしこれからどうするかなぁー。

集落もないし、助けてくれる仲間もいない。

この美人さんもここに置いてくわけにはいかないし・・・。


今後の事について思案していると、隣から呻き声があがる。

どうやら眠れる姫のお目覚めのようだ。


「うぅ・・・。あれ?ここは・・・?私は確かオークの討伐に来てて・・・それで・・・?」


女性は記憶が混濁しているのか、呟くように自身の身に起こった事を整理しているようだ。

未だに俺に気付いていない。さて、ここで問題だ。

このあと彼女が俺に気付いて最初に発する言葉はなんでしょう?

俺は王道に「キャーーー!!」だと思うね!


自身の整理がついたのか、落ち着きを取り戻した女性が俺の気配に気付き視線を向ける。

さぁどうでる!?

あ、ちなみに武器は斬りかかられると面倒だから外している。

流石に元日本人でもそこらへんの危機管理意識はある。


俺の姿に吃驚しているのか、目を見開きながら女性はゆっくりと口を開ける。

お?お?叫ぶ感じじゃない?

仲間の仇ー!って感じでもないし、礼を言う雰囲気でも無さそうだし・・・?


やがて女性は小さく言葉を発した。

困惑の声音を含んだその口元は確かに「ぶ」と「た」を発するように動いていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ