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第5話 友達
「もう戻っていいぞ」
私は先生にそう言われ、炎のいる場所まで戻った
炎はさっきと同じ場所にいた
「美紀、お前は知ってしまったんだな…俺の過去を」
「でも…だけど!
炎はそんな事してないって…信じてる」
私はさっき炎と話していた時、炎の言葉の中に謎の温かみを感じた
まるでマッチに灯った火のような
だから、先生の話を聞いた時、とてもショックを受けた
でも…
「私は信じてるよ。何か…理由があるんでしょ?」
「こんな俺を信じてくれるのか?」
「うん…だって初めてできた友達だもん」
「友達…か
今までの俺には今まで縁の無い言葉だな
じゃあ…お前にだけは話そう
俺の本当の過去を」