潔癖な私
抱かれた後には、煙草と飲み物を。
潔癖な私は、すぐにシャワーも浴びたい。
体液の感覚がとても汚ならしくて吐きそうになる。
それでも、上部だけの甘くした声を上げる。
つまり、嫌なのに好い振りをするだけ。惰性だわ。
つまらない、気持ち好いとも思わない。
だけれど、生きている感覚が在るの。
厭だ、なんて明確に思うから。
帰ってすぐにシャワーを浴びる。
記憶は落ちないけれど、躰だけは綺麗にしたいから。
煙草を吸って、紅茶を口にしたら錠剤を嚥下する。
眠ってしまえば、何も思い出さずに済むでしょう。
空白の後、気だるい気配を纏ってうっすらと目を覚ます。
ぼんやりとして、心地好い微睡み。
ずっと微睡んで居られたのなら、幸せでしょうね。
だからまた、ふらついた足取りでベッドから這い出て、錠剤を口にする。
眠りに就けば、其処に私は居ないから。
何もかもどうでも良くて、其れでもどうしようも無いわ。
此の躰は親から貰ったものなのに、こうして汚していく私が嫌い。
汚す貴方も、嫌いなの。
その汚れた手で私を抱くなんて、きっとどうかしているのよ。
それとも、私にはそれがお似合い?
全部、夢であれば好いのに。
記憶も、私も、目覚めと共に融けてしまえばいいの。
早く、いかせて。