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40章 リベンジ・ファーストミッション!いざ、 お土産屋

 Mr.シルバーが与えて来た第一試練。それは四年前、華凛たちが初めてMr.シルバーと出会った御頭(おがしら)商店街での事件だった。

 華凛はMr.シルバーの挑戦に受けて立つ構えを取ってみせた。


「ふっ、実に良い啖呵(たんか)だよ、華凛君。第一関門で(つまづ)かれたらお話にならないからね。何故、私が式地博士の封筒を欲し、自分のデュラハン・ラゴウを造ろうと思ったのか?君たちの導き出す答えを楽しみにしておくとしよう…。それでは、しばしの別れだ…。」


 そう言うとMr.シルバーは紙吹雪を起こして姿を消した。


「よし、みんな!四年前、私たちが最初に受け持った事件!さくっと解決しちゃおうじゃない!」

「うむ!」「せやね!」


 颯は腕を組んで頷き、素子は両手でぎゅっと握り拳を作ってやる気を見せた。


「あの、華凛さんでしょうや。」

「? 何ですか、八雲先輩?」

「一致団結している所、水を差して悪いのでしょうや、その四年前の事件というのが私にはわからなくて何だか蚊帳の外でしょうや。」

「私も。」


 八雲とミストは最近仲間になったばかりなので四年前の事件を知らないのは当たり前である。

 華凛は二人を置いてけぼりにしてしまったので申し訳なく思った。


「ご、ごめん、二人共…!今から説明するからね!えっとね…!」


 華凛たちは八雲とミストに四年前の事件の話を詳しく話した。

 式地博士と偶然出会い、大事な書類が入った封筒を失くしてしまったので一緒に探す事になった事件。

 あの頃は封筒の中身がわからなかったが、後にMr.シルバーが十糸(といと)の森付近でデュラハン・ラゴウを披露して来た際にロボットの原動力になるかもしれないものが書かれたものだという事がわかった。


「なるほどでしょうや。その時の華凛さんたちは封筒は無事に見つけられたのでしょうや、Mr.シルバーがどうやって開けられた形跡がない封筒の中身がわかったかどうかはわからなかったんでしょうや。」

「そうなんです、当時は気になって掘り下げようとしてもわからなかったし…。封筒自体は博士の手元に戻って来たから事件自体は解決してましたから…。」


 華凛は八雲とミストに説明したおかげで当時のもやもやがうまい事蘇り、改めて闘志に火が点いて来た。


「話はわかったでしょうや。それから四年経っているのなら、華凛さんたちの知恵や考察力は十分に上がっているでしょうや。それに私やミストちゃんもいるから新たな視点からの情報も得られるでしょうや。大丈夫、この場のみんなで協力し合えば、きっと乗り越えられるでしょうや。」

「八雲先輩…。はい、頑張りましょう!」

「よし。で、まずは何からするの?」


 ミストが両手を後頭部に当てて華凛に指示を仰いだ。


「まずは現場百遍!あの頃の事を思い出して足跡を辿ってみよう!」

「「「「おーっ!」」」」「おーっ、でしょうや。」


 華凛たちは今度こそ、六人で一致団結して商店街の入り口まで来た。


「考えてみれば、ここは現実世界じゃないしさ。ボクは外に出ても大丈夫だね。」

「あ、言われて見ればそうだね。」


 ゴーストはそう言うとデバイスの中から出て来て浮遊し、華凛たちに着いていく事になった。

 華凛たちは商店街を歩いていく。


「おっ、お土産屋だぞ、華凛。…はっ!?」

「どうしたの、颯ちゃん?」

「何か気づいたん?」


 華凛たちは足を止めて颯を見た。


「…ここで木刀選びをして持って帰ったらどうなるんだろうか?ただで持ち帰れるのか?」


 颯の欲望に満ちた疑問を聞いて華凛と八雲はその場にずっこけた。


「もーっ、颯ちゃん!今はそんな欲に狩られてる場合じゃないでしょっ!」

「いや、颯の言う事は興味深い!この世界での食べ物はどういう扱いなの?食べたい放題なの?」


 颯に触発されてミストも興奮していた。


「ほう…さすがだな、ツインテロリ。キャラや髪型だけでなく、どうやら私たちは思考も同じなようだ。」

「あなたと思考を同一扱いされるのは大変遺憾であるのだけれども…。出て来なさい、Mr.シルバー!このアルジェントルランドに関する説明をプリーズ!」

「改めて姿を見せぃっ!」

「何だかしょうもない事でMr.シルバーを呼び戻そうとしている…。」


 華凛は自分たちが抱いた邪な、妙な疑問に対してMr.シルバーを呼ぼうとしている颯とミストを呆れ気味でジト目で見た。


「…薬局はどうなんやろうか…?」

「素子ちゃん?」


 華凛は腕を組んで左にいる素子に対して冷たい視線を浴びせる。


「じょ、冗談や、冗談!本気にしたらあかんで、華凛ちゃん!あははっ…!」

「素子様も颯さんもミストちゃんも今はそれどころではないでしょうや。そもそも、私たちが無事に帰れる保障がない現状では現実世界に無事に持って帰れるかどうかもわからないでしょうや。」

「八雲先輩、マジ先輩の鏡…!」


 華凛は両手を絡めて八雲に対して目をキラキラさせた。


「えーっ、食べ物も駄目?」

「そもそもMr.シルバーが用意した物を迂闊に口に入れるのは避けた方がいいと思うし!めっ?よ、めっ!」

「わ、わかったわよ…。何か華凛、お母さんみたい…。私の理想のお母さんとは全然似てないけど。」

「せめてお姉さんね! …そう言えば、ミストって自分が生まれた経緯はわからないけど、自分のお母さんは知ってる訳?」

 

 華凛は素朴な疑問をミストに投げた。


「私の元になった本の登場人物に出て来るのよ、お母さんが。それが私の理想のお母さん。」

「へぇっ、なるほどね…。」


 華凛はミストの言葉を聞いてその場で考え事をした。


「どうしたん、華凛ちゃん?」

「いやね、Mr.シルバーがミストと似た式神なのだとしたら、Mr.シルバーにも元となったものに引っ張られてる…拘りみたいなものがあるのかな、って気になってさ。以前、老人の見た目が落ち着くとか言ってたし。」

「なるほど、華凛さんのその疑問はMr.シルバーの正体を探る際に重要になりそうでしょうや…。ひょっとしたら、ミストちゃんの事を知る事もMr.シルバーを知るのに大事になりそうでしょうや。」

「へぇ〜っ、このツインテロリがねぇ。」


 颯は両手でミストのツインテールを持ち上げて動かす。


「勝手に触れないでもらいます?私もあなたの髪に触れますよ、ほらっ!」


 ミストは仕返しとばかりに颯のツインテールを弄りだした。


「ふふん、私は昔から素子によくツインテールをいじられてるからな。別に何とも感じぬわ。」

「ならば、このままポニーテールに変えてくれます!」

「ほほう、私相手にできるかな?」

「二人共ぉっ、その激しい闘争心を別の方に向けてぇーっ…。」


 華凛はそう突っ込みを入れた後、お土産屋の店内を見た。


「…そう言えば、あの時…。」

「何か気付いたん、華凛ちゃん?」

「うん、気付いたん。四年前、このお土産屋に来た際は床に紙が散らばっててさ、帰る時には紙が無くなってたんだよね…。」


 四年前、お土産の少しボケたお婆さんに話を聞いた事があった。

 Mr.シルバーは何も買わなかったが、この店に入って来た事があったと。


「今思えば、この店に散らばった紙は式神と関係が…?」

「なるほど、つまり華凛さんはこの店内にMr.シルバーがやって来て、何かしらの陰陽術的なものを施した後に博士から封筒を奪取したと考えたんでしょうや?」


 八雲の言う事は華凛とぴったしだったので頷いた。


「うん、散らばった紙を後に回収しに来たって事は…。そうか、その散らばった紙は帰り際にはMr.シルバーにとって価値ある物に変わったんだ。だから、回収した。」

「へぇっ、じゃあ、よっぽど美味しい紙に変わったんだね。」


 颯との争いに飽きたミストが話に入って来た。


「美味しい紙…?」

「うん。華凛には前に教えたでしょ?私たち式神は本を体内に取り込めば自分の知識として扱う事ができるって。」

「…! そうか!」


 華凛はミストの発言で閃き、右手の指を鳴らした。


「何か閃いたか、華凛?」

「うん。あ、でも…。まだ封筒を開けずに内容がわかった理由にはならないか…。」

「華凛、どうする?ヘッドチェンジする?」


 ゴーストが華凛に策を提案して来た。


「…いや、ヘッドチェンジは三回しかできないし…。なるべく、ここぞって時に使いたいから…。まだ温存しておこう。」

「そっか、わかったよ。」

「よし、次!Mr.シルバーと初めて会った本屋さんに向かおう!」


 華凛の言う事に従い、颯たちは華凛と共に本屋へと向かった。

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