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プロローグ
永劫は、退屈だった。
全ては我が意のまま。
全ては我が手のひらの上。
揺るがぬ支配とは、変化のない停滞の別名に過ぎない。
だから、あの者たちの輝きは、久方ぶりに我が心を揺さぶった。
絶望の淵でなお、希望を叫ぶその姿は、あまりにも眩しすぎた。
「――ふん。見事であったぞ、勇者よ」
聖なる光に貫かれ、崩れ落ちる玉座から見上げる空は、皮肉にも美しい。
やがて、我が世界は暗転した。
……だが、これで終わりだと思うな。
我が真名はルキフェリア、終焉の魔王フレア。
この魂が滅びぬ限り、いつか、必ず――。