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卒業式後のダンスパーティ1

 ダンスパーティの開かれる大ホールへは、卒業生が揃って入場する。

卒業生たちは事前にパートナーを申請し、パートナーと一緒にクラスごと…AクラスからDクラスへ、最後のテストでの成績順に入場するのだ。

事前にパートナーの申請が必要なのは、パートナーが同じ年齢とは限らないから。

婚約者や婚約を約束した人がいればその人と。いなければ両親や兄弟、親類に頼むことが多い。


大ホールに続く小ホールに到着すると、入り口近くでウィリアムが待っていてくれた。

「殿下。お待たせして申し訳ございません。」

カーテシーを取ったものの、何も反応がなく、とまどう。

見れば、ウィリアムが口元に片手をあてて、その頬が微かに赤らんだまま固まっていた。

「…殿下?どうかなさいましたか?」

その時、はっと我に返ったウィリアムが慌ててわたくしに手を差し伸べ、引き寄せてくれた。


「ごめん。あまりに君が美しすぎて…見とれていた…。」


熱のこもったまなざしを受けて思わず、わたくしも顔が赤くなって彼から目を逸らす。


「殿下もとっても素敵ですわ…。」


ウィリアムが着用している衣装は、わたくしの瞳の色である明るい水色の生地にわたくしの髪の色である金糸でわたくしのドレスと同じダマスク柄の刺繍がされているジュストコール。クラバットは彼の髪の色と同じコーンフラワーブルーで真ん中には大粒の真珠のピンが光る。

お互いの色を付け、宝飾品含めて意匠を統一したわたくし達は、わたくし達の顔を知らない外国の貴族であっても、カップルであることが一目でわかるだろう。


「今日は近隣国からも大使達が大勢来ている。君を王太子妃としてお披露目する場所ともなる。…緊張する?」

「いいえ。」

「ローズ?」

「…ウィルの隣に立つことをずっと望んできたのですもの。…むしろ、うれしいですわ。」


わたくしの目が潤む。

そう…。

学院で、何度も聞かされた呪詛。

「あんたは王太子から婚約破棄されて修道院に行くの。」

あの言葉が真実にならなくて、…良かった。


わたくしの言葉を聞いて、それはうれしそうに破顔したウィリアムがかするような口づけを額に落とした。


「そろそろ時間だね。行こうか。Aクラスの首席として一番最初に入場だから。」

「はい。ウィル。」




大ホールの入り口で

「卒業生の入場です!新たに成人の仲間入りをする彼らに盛大な拍手をお願いいたします!」

と騎士が声を張り上げたのを合図に、わたくし達はホールへと歩を進めた。




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